日々記 観劇別館

観劇(主にミュージカル)の感想ブログです。はてなダイアリーから移行しました。

2021年観劇振り返り

例年、毎年末にその年に観劇したものの振り返りを書くことにしていたのですが、2021年は観た演目があまりにも少ないことに加え、12月に入りミュージカル界で悲しい事件が起きてしまったこともあり、なかなか書く気持ちになれないまま年が明けてしまいました。
しかし、書かないと何となく自分の心の区切りが付きませんので、重い腰を上げて書き残しておくことにします。

2021年1~12月の観劇は、配信視聴も含めて以下の6演目、計11回でした。

  • ポーの一族(2021.1.23 12:00開演(配信視聴(PIA LIVE STREAM)))
  • モーツァルト!(2021.04.08 17:45開演 帝国劇場)
  • モーツァルト!(2021.04.11 12:30開演 帝国劇場)
  • モーツァルト!(2021.04.24 17:45開演 帝国劇場)
  • モーツァルト!(2021.06.07 12:00開演 梅田芸術劇場(配信視聴)) ※ブログ感想アップなし
  • CLUB SEVEN ZERO III(2021.06.12 13:00開演(B version) シアタークリエ)
  • 王家の紋章(2021.08.05 18:00開演 帝国劇場)
  • 王家の紋章(2021.08.14 18:00開演 帝国劇場)
  • 王家の紋章(2021.08.28 13:00開演 帝国劇場)
  • ナイツ・テイル(2021.10.10 12:30開演 帝国劇場)
  • フィスト・オブ・ノース・スター~北斗の拳~(2021.12.28 13:00開演(配信視聴))

なお本来、帝劇の『モーツァルト!」はもう1回分(5月1日公演)を観る予定でしたが、2021年4月25日に東京都に緊急事態宣言が発令され、4月28日以降の帝劇公演が打ち切られたため、計3回の観劇となっています。

王家の紋章』は、沙也加キャロルで1回(初日)、晴香キャロルで2回観ています。まさか沙也加さんの舞台を観るのがあれがラストになるとは思いもよりませんでした。
沙也加さんの舞台を観たのは、過去のブログを見る限りでは2007年11月に観た『ウーマン・イン・ホワイト』が最初で、以降、TSミュージカル、レミゼ、新感線、ミュージカル座、TdVなどを観てきました。彼女の代表作としてよく挙げられる『1789』や『マイ・フェア・レディ』は観ておりません。
彼女については、芯の強さを感じさせるステージングの一方で、歌声にはいつまでも甘い可愛らしさが残っていて、たまにその甘みが鼻につくと感じることもあり、正直、彼女を目当てに舞台に通うということはありませんでした。
しかし、ミュージカル座の『ひめゆり』(2012年)やTdV(2015~2016年、2019~2020年)の彼女については、とても印象に残っています。特にTdVの、溢れる若さを持て余し、鬱屈し、無邪気ゆえに異形の麗しい紳士である伯爵に憧れ、自分に惹かれる青年を無意識に振り回す美少女サラ。自分が観た中では、というくくりに過ぎませんが、最高の当たり役であったと思います。
鼻につく甘み、と先ほど書きましたが、一方で、その甘さや可愛らしさという持ち味が、今後彼女が30代後半以降に円熟を迎えるに当たり、どのように変化していくのかを見届けたい、ともずっと考えていました。今後、それが叶わなくなったことが、とても残念でたまりません。

また、前山さんについて、ウナスとルカの両方を拝見して、良い若手の役者さんが出てきたな、これから楽しみだな、と思いながら観ていたことを覚えています。
私は、本当の当事者の片方はこの世になく、その片方に属する側の主張でのみ染められた報道はなるべく鵜呑みにしたくないと思っており、たとえ主張が真実であったとしても、報道には出てこない別の真実もまたあるのではないかと考えています。この件については、現在(2022年1月)の状況はとても悲しく、考えるだけでも辛いですので、これ以上は語らないことにします。

悲しい別れがあった一方で、2021年には喜ばしい出会いもありました。
まず、上白石萌音さん。2014年9月に東宝芸能のコンサートで歌う初々しい少女を見かけて以来、久々に帝劇の舞台で観て、歌もダンスも引き出しの豊かな役者さんだったのか! と驚かされました。近々に千と千尋の舞台にも出演される予定ですが、そのうちまたミュージカルにも出てくれないかな、と期待しています。
それから、どんどん頭角を現していく大貫さん。先日ケンシロウ役の感想で「R&Jの印象しかなかったが歌を聴いて安心した」と書きましたが、後から8月に王家のイズミル王子を観た時にも全く同じことを書いていたことに気づき、自分、何て失礼なことを! と頭を抱えております。大貫さん、ごめんなさい。
そしてそして、明日海りおさん。実はまだ生舞台を一度も拝見したことがないので、ぜひ! と思い『マドモアゼル・モーツァルト』のチケ取りを試みましたが玉砕してしまいました。また、次の機会に挑むつもりです。

さて、今年2022年の観劇予定ですが、まだ日生劇場2022年2月公演の『笑う男』しか予定が入っておりません。公式Twitterやインスタで稽古場写真を眺めて心待ちにしながらも、昨今のオミクロン株の蔓延状況や、次々に発表される「上演中止」の報道を見て「これ、無事に上演されるだろうか?」と不安に駆られる日々を送っております。

最近、ここ2年ほどであまりにも心を折られる出来事が続いたためか、観劇意欲が薄れてきたなあ……と思っておりましたが、昨日(1月23日)にテレビの老舗音楽番組『ミュージック・フェア』で、宮澤エマさん、May J.さん、浦井健治くんほかがミュージカルナンバーを歌っているのを聴いた瞬間、心の観劇意欲ゲージが急速に上昇していくのを感じました。「違う、この人たちの歌声はこんな小さな画面に収まるレベルじゃない! やっぱり生の舞台で歌を聴きたい!」と。

なので、今年も多分、感染状況の隙間を縫って、劇場に何回か行くことになりそうです。どうしても現地に赴くのが難しい場合は、やむなく配信の恩恵にあずかることもあるかも知れませんが、また心に響いたものがあれば、感想をしたためてこちらのブログに落とさせていただきたいと思います。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。