日々記 観劇別館

観劇(主にミュージカル)の感想ブログです。はてなダイアリーから移行しました。

『CLUB SEVEN ZERO III』感想(2021.06.12 13:00開演(B version))

キャスト:玉野和紀 吉野圭吾 東山義久 西村直人 大山真志 妃海風 凰稀かなめ

こんにちは。

GWの『モーツァルト!』帝劇観劇予定が帝劇千穐楽前倒しで潰れて以降の約1ヶ月半、思いがけず『モーツァルト!』の梅芸大千穐楽アーカイブ配信で観た以外にはほとんど舞台には触れずに過ごしておりました。気になる演目は多々あるものの、そのたびに上京が必要なことを考えると、どうしても足が遠のきがちです。

そのような現状ではありますが、「どうしても踊る吉野圭吾さんが観たい」という思いから、シアタークリエ6月公演『CLUB SEVEN ZERO III』(B ver.)のチケットを確保していましたので、しばらくぶりに上京しました。

CLUB SEVENは1幕はオープニングの全員歌唱にコントとレビュー、2幕はミニミュージカルと50音メドレー、そしてエンディングで再び全員歌唱、という構成になっています。

過去のブログを確認したところ、2017年5月にシアター1010で『CLUB SEVEN ZERO』を観て以来2回目の観劇でした。前回の感想を読み返すとひたすらキャストの全力疾走ぶりに圧倒されていたようですが、4年前のことなのでかなり記憶が怪しいです(汗)。まあ、その分新鮮な気持ちで鑑賞できたとは思います。

コントは今回もキャスト一丸となりとことんナンセンスを追求していて、それでいてこそばゆさや居たたまれなさのようなものはほとんどなく。このご時世にあまり声を出して笑っては……と躊躇いつつ、気づくと爆笑しまくっておりました。

特に地球防衛軍コント。
「なぜそこで全員マグロになる? しかもなぜ脱がせる?」
と思っていたら、コント終了後の凰稀さんと妃海さんのコメントによれば
「(アドリブシーンで)稽古場では男性陣が全員脱いでいて、本公演でも脱ぎ始めた」
そうです。なぜ……?

レビューはうって変わって大人の格好良さを追求しており、手練れの7人を観て、やはり生舞台は良い! と実感しました。いい大人たちがおバカにもシリアスにも真剣に取り組んでプロの仕事を見せてくれて、しかも本人たちが楽しそうなのがまた良いのです。

2幕のミニミュージカルは、とある王国のお家騒動の物語です。一人二役ヒロインなど7人それぞれに見せ場も多い上、最近には珍しく善玉役の吉野さんが美しく、溢れる人情味とスカッとする勧善懲悪が気持ちの良いお話でしたが、1つだけ疑問が。お姉様、結局どうして引退しちゃったんでしょう? 妹さん、思い人を譲られたとは言え、あれでは結構大変だし、思い人がしっかりしているとは言え、いくら何でも正体がバレると思うのですけれども。

ミニミュージカルの終了後に、7人のメンバーの自己紹介コーナーがありました。妃海さんの元気の源がニンニク、という話も面白かったですが、凰稀さんの元気の源がおうちのワンちゃんに頬ずりすること、という話で、すかさず吉野さんが横たわってすりすりを要求する(しかも2回も)絶妙さにまた爆笑しておりました。

ちなみに、開演前の話に戻りますと、ロビーに、
「6月がお誕生日の方はこのカードに名前と生年月日を書いて、こちらの箱に入れると良いことがあるかも知れません」
のようなメッセージとカードが置かれていました。私は実は6月生まれなので素直にカードを書いて提出しました。
再度自己紹介コーナーに話を戻しますと、このコーナーの最後に「良いこと」が発生します。だいたい事前の予想通りの中身ではあり、多少の気恥ずかしさこそありましたが、何だかんだで嬉しい気持ちになりました。

50音順メドレーは、今回も歌、笑い、ダンスともにキャストに高い技術と全力投球が求められる内容でした。

特に玉野さん。どう考えても吉野さんより年上の筈ですが、たまに息切れをネタにしつつも他の6人と一緒にあんなに激しく歌って踊りまくれるあの体力は一体何なのでしょう? すごすぎます。

なおメドレーでは、今回会場でも売られていた7色ペンライト(1,500円)で大いに盛り上がりました。どの曲でどの色のライトを使うか? について特に指定はありませんでしたが、1曲のみ色指定のある曲がありましたので、同じタイプのライトを持参可能であればそれを使った方が良いと思われます。

ということで、充実のショータイムはめちゃめちゃ楽しかったのですが、一つだけショーとは関係ない部分で心に引っかかったことがあります。
開演前や幕間に、劇場係員の方が繰り返し何度も、
感染症対策のため、客席での会話はお控えください」
と呼びかけていたにも関わらず、客席での会話を止めない方が少なからずいらっしゃいました。
久々にお友達と会われた方、また、今日の公演を楽しみに遠征でいらした方など、誰かと語り合わずにはいられない気持ちは、私もとてもよく分かります。今日はたまたま連れがおらず1人観劇でしたが、もし隣に家族や友人がいたら同じことをしていたかも知れません。でも、その空間に自分がいることが気になって仕方なかったのも確かです。
「分かる。でも、ちょっと控えて欲しい」
と何度も思いましたが、さすがに隣の人に直接それを言う度胸はありませんでした。

嫌ならそもそも観劇に来るな、おまえも同じ穴のムジナだ、という意見もあるとは思いますが、少し行動に気をつけるだけでも同じ空間にいる皆が気持ちよく観劇できるのならばぜひそうしたい、と改めて考えさせられた出来事でした。