信=三浦宏規 羌瘣=山本千尋 龐煖=東啓介 河了貂=華優希 尾平=元木聖也 蒙毅=竹内將人 羌象=清水葉月 蒙武=渡辺大 摎=大塚千弘 騰=石川禅 王騎=山口祐一郎 嬴政(声)=小関裕太 カイネ=森莉那 尾到=篠崎大悟 趙荘=保土田充
皆様大変にご無沙汰しております。今年3月の『レイディ・ベス』観劇直後から身内の入院、葬儀、法事、その他あれこれが続いていた影響もあり、しばらく観劇の機会を作っていませんでした。
しかし、8月は舞台『キングダムII』開幕の月! しかも祐一郎さん演じる王騎様にスポットが当たる物語! ということで、久々に池袋のBrillia Hallに出向き、東京公演初日を観てまいりました。
第一作の時と同様に相変わらず原作は読めていない上に、映画のシリーズも結局一作も観ていないのですが、そんな人間が観てもたっぷり堪能できたとても楽しい作品でした。
どんな作品かを一言で申しますと……年齢性別関係なくキャスト全員が身体を張って魅せてくれる作品です。
前作から主人公・信として続投している三浦さん、動きがしなやかで無駄がないなあ、と感嘆しながら眺めていました。もうすっかり、ピンチや悲劇を乗り越えながら目標に向けて熱く真っ直ぐに成長していける、信の人物像が入り込んでいるように見えます。
また、山本千尋さん演じるところの、今回初登場の暗殺者部族出身美少女羌瘣が披露する、スピード感溢れるアクションも、実に小気味良かったです。千尋さんは数年前の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』でも過酷な運命を背負った暗殺者が当たり役でしたが、今回の羌瘣も、復讐に燃える心と、プロの刺客としての隙のなさと、戦場での危機と結束とを経て一歩ずつ飛信隊の仲間に心を開いていく、年端も行かない少女の愛らしさとが同居していて、実に良いと思いました。
そしてまさかの禅さんや祐一郎さんにまで、小刀を振り回す白兵戦、騎馬戦などのアクションが用意されていて驚愕!
さすがに王騎将軍は戦場では馬上なので白兵戦こそありませんが、壮絶なバトル、そしてサプライズな仕掛けが用意されています。仕掛けの詳細は伏せますが、作品のテーマに関わる極めて重要な場面とだけ申しておきます。初日は2階席で観ましたが、大変に僥倖でした。
アクションではありませんが、今回の登場人物で最もインパクト大だったのは、東啓介さん演じる趙の武将、龐煖。舞台上に現れた瞬間、「……でけえ!」と声に出さず叫んでいました。王騎とは別の意味で戦いの権化のような存在。その高身長(確かTdV出演時、伯爵より大きいと話題になった記憶あり)もあってゴーレムっぽいと申しますか、戦いに取り憑かれた亡霊な雰囲気が全身から漂っていて、しかも剣技は無双。なかなか不気味で、しかし大変に格好良いキャラクターでした。
この龐煖と王騎との間にはとても深い因縁があるわけですが、その辺りのキーパーソンとして千弘さんの摎が登場します。いきなり歌いだした、しかも羌瘣の演舞付きだったのにはびっくりしましたが、ああ、この役どころで、王騎と同等に並び立つだけでなく、彼が生命を賭して復讐に臨むには十分すぎるほど大切だった存在であるならば、これは千弘さんしかいないだろう! と納得のキャスティングでした。
「納得のキャスティング」については禅さんの騰も同様と思います。いつでも上司である王騎の近くにいて全推し、全力でサポートしていて、でも王騎がはっきり未来を託したのは自分ではなく熱い魂を持つ若造で、そのことをしっかり悔しがっていて、なのにその若造にそっと寄り添ってエールを送るなんて、何て美味しすぎる役どころなんでしょう……。もちろん殺陣の見せ場もばっちりあります。
元気ではしっこい着ぐるみっ子で、たまに純な少女の素顔がちらりと見える河了貂は、本公演では華優希さんのシングルキャストです(かわいい)。今回の物語では軍師修行中の学生の身ということもあって、戦況の解説役+応援役に回っていました。優しい見習い軍師の先輩、蒙毅(竹内さん)となかなか良いコンビです。
その蒙毅の父親は秦軍の副将である蒙武。猪突猛進型で、自分でなく「過去の人」である王騎が指揮官なことに不満たらたらですが、いざ指揮官に何かあれば真っ先に先陣を切って戦い、そして漢泣きできる猛将。こういう人、割と好きです。
そんなこんなで、そろそろ登場人物の名前が覚えきれなくなってきている一方で、今回は顔見せなしなものの、趙軍の重要な人物の存在も匂わされており、「これは続編構想あり……?」と勝手に期待しています。王騎は出ないように思いますが。
終演後のカーテンコールでは、信がご挨拶して、最後の最後に王騎様に一言を振っていました。王騎様は「生きていて幸せです」というような返しをされていたと思います。ちなみに初日のみカーテンコールの一部の撮影OKでした。
『キングダムII』、9月に色々予定もあるので実はあと1回しかチケットを取っていなかったりしますが、予想以上にお芝居全体の出来としても祐一郎さんファンとしても満足度が高かったので、もしかしたらチケットを増やすかも知れません。これからご覧になる方は、それくらい期待しておいていただいてよろしいかと思います。