日々記 観劇別館

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『クリエ・ミュージカル・コレクションII』感想(2015.2.28ソワレ)

キャスト:
大塚千弘涼風真世保坂知寿、泉見洋平、岡田浩暉、今拓哉、吉野圭吾、山口祐一郎

クリコレ2(3回目・多分マイ楽)に行ってまいりました。
今回は万里生くんに代わって泉見くんが出演。そのため曲目が少し入れ替わっていました。万里生くんが歌っていた『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』と『ミー&マイガール』と『シェルブールの雨傘』からの3曲がなくなり、その代わりに以下の3曲が入っていました。
「ご立派な家」:『ニューヨークに行きたい!!』から。ピンクのスリムパンツの衣装が可愛かったです。動きの多い曲でしたが、冬だからか(?)、あまり汗はポタポタしていなかったと思います。「サラへ」:TdVから。「キラキラしている男の子」、泉見くん、とても実年齢(40代前半)には見えません。え?まだ若いと思っていたのに?と疑問に思いましたが、TdV初演から9年近くになると気づいて呆然としています。
「外は自由」:これもTdVから。久方ぶりに見る泉見アルフと千弘サラの並びを感慨深く見守りました。物語を知っていると、この純情青年と無垢故に傲慢な少女がこの後どうなるかが分かるだけに、ちょっとアルフの純情に心が痛む曲なのです。

パート担当が泉見くんに入れ替わったのは次の2曲です。
「罪を着せろ」:山口さん&知寿さんペアの後に登場して迫力で押せるのは、もうこの男性カルテットでの1曲しかなかろう、と思います。
どなたかがTwitterで指摘されていて気づいたのですが、2003年の『レ・ミゼラブル』のキャストが揃い踏みしている贅沢な1曲なのですね。Wマリウス(岡田さん、泉見くん)にアンジョルラス(吉野さん)、ジャベール(今さん)。今さんは旧アンジョルラスキャストでもあるので、吉野さんとはWアンジョでもあります。泉見くんの黒い系演技はかなり好きです。と言っても『ミス・サイゴン』のトゥイと、TdVのラストでのアルフぐらいしか見られていませんが……。
「舞踏の間」:今教授と一緒に登場した瞬間から、「ああ、あの世知にそこそこ長けてる癖にビビりで可愛い泉見アルフが帰ってきた!」とワクワクさせてくれました。今回前方下手席だったので、舞台下での吉野ヘルとの細かい絡みはあまり細かくチェックできませんでしたが、コウモリカチューシャを着けられて舞台上に戻ってきた時にはすっかり2人は仲良しに。彼らの表情と雰囲気が面白すぎるので、大塚サラは伯爵とのデュエット中に「ぷっ」と吹く羽目に。泉見アルフ、センター出入り口に捌ける時には、吉野ヘルにお尻をつかまれていました(^_^;)。
なお、今回やっと今教授の演技をチェックできたのですが、吉野ヘルが教え子を喰っているのにしっかり気づいて「あ!あ!あれ!」と動揺しているのですね。そして「おいちょっと待てよ!」な反応のままヴァンパイア達に連れ去られる哀れな教授なのです。

以下はその他の抜粋感想。
オープニングトーク:今回は千弘ちゃんでした。日替わり当番制につき、昼公演でも喋ったそうで、しかもいつも同じ曲「光よ照らして」について語らなければいけないというハードルの高さ。更に袖から共演者の皆さまの茶々が入りまくっている模様(^_^;)。途中で「この森で〜」のチラシを取り出して粗筋を読み上げるという荒技を披露していました。最後、このお話は舞台版と映画版で結末が違うので、映画も見てくださいね、と締めようとしましたが、微妙に尺が合わなかったのか(?)指揮者の西野淳さんに「あれ?ごめんなさい、始めちゃっても大丈夫ですか?」と確認していました。
「それが人生」:今回前方席(3列下手ブロック)だったこともあり、山口さんが登場して舞台下に降りてきた瞬間「でけえぇ……」と心の中で呟いていました(^_^;)。ええ、私、『レベッカ』初演の時もほぼ同じ席から観ている筈なんですが、手足をぶんぶんさせる大きめのアクションも相まって、やっぱり山口さんの縮尺は他の役者さんより大きく見えます。この歌の時の、山口さんの泉見くんに勝るとも劣らないキラキラ笑顔が良いのです。正に「守りたい、この笑顔」。
「女神よ今夜は淑女でいて」:どうして吉野さんの立ち居振る舞いってこんなにも隙がなくて、なのにしっかり旨味と面白味があるんだろう?といつも感動しながら観ています。
「愛していると言えたなら」:知寿さんが最後、高音部の声がうまく出ていなかったように聞こえました。ご本人もちょっと「あれ?」という表情をしていたような。でも山口さんは動じずに堂々と歌い上げ、知寿さんとともにしっかり綺麗に曲を締めくくっていました。
「サタデーナイト・イン・ザ・シティ」:これ、本編を観て結構好きな曲でした。アンサンブルさん達の背後で残念なイケメンの吉野サミー(綜馬サミーでも可)と彩吹ホリー(樹里ちゃんホリーでも可)が丁々発止やっている様を妄想しまくっていました。
ロクサーヌ」:歌詞が気障だとか痒いとか酷いことしか言っていませんでしたが、今さんの歌声には意外に甘さ成分が結構含まれているので、実は声にフィットした曲だと思っています。
「君のそばで」:山口さんの登場位置が下手からなので、歌い出す前の横顔をじっくり堪能できました。お顔も佇まいも実に端正ですよね。……立ち方は内股ですが(^_^;)。しかも歌声でまたまたひたすら魅了&圧倒されてしまいました。
何度も言うようですが、PQ本編で、半端に顔だけ黒くして海の男になるのではなく、今回のように白くてたおやかな色男で登場して欲しかったなあ、と思います。
「Young and Healthy」:序盤の吉野さんによる指揮者西野さんいじりと、曲終了後の吉野さんと涼風さんの掛け合いがエスカレートしてました。特に後者。涼風さんが「好きです!」と言うと初日は吉野さんが素直にお礼を言って腕を組んで捌けていたような気がしますが、今回は吉野さんが涼風さんの口真似でハイテンションに「好きです!」と返して更に涼風さんがハイテンションに、という応酬を繰り広げていました。
曲については、特に若くない(失礼)お2人が、2人若くて健康〜♪と歌うだけで笑えるのですが、元の曲が使われていたシチュエーションが分からないので、ここ、笑っていいんだろうか?と軽く悩みながら聴いておりました。
レベッカ I」:ミセス・ダンヴァースはシルビアさんの方が好みだったので、涼風ダニーにあまり思い入れはないのですが、このナンバーの歌詞に溢れる「行き場のない(百合な)思い」は本当切ないです。
「こんな夜こそ」:千弘ちゃんのほのかな色味と、山口さんの凛としつつたっぷり甘味の含まれている歌声を存分に堪能いたしました。
「彼を帰して」:今回、マイ楽だし、山口バルジャンの優しく聖なる歌声にただ耳を委ね、心を浸そう、という心構えで聴いていたら何故か、色々な事柄―例えば、親しい者との別れ、命を託し託されることの意味など―に真剣に思いが及んでしまいました。気づいたら目に涙がにじんでいました。どうしてなのか、自分でも説明がつきません……。
「愛を広めよ」:通路席ではないものの通路に近い前方席でしたので客席降り、そして山口さんの輝く笑顔にどきどき。
……しかし、Twitterで目にした話によれば、この時(多分下手後方か上手側通路で)、山口さんの腕を掴もうとした観客がいらしたとか。
自宅で家族にこの話をしたら、
「それって『踊り子さんには手を触れないでください』のアナウンスが必要なんじゃね?」
と言われてしまいました(^_^;)。ただ、自分はその手の劇場に行ったことがないのですが、代わりに「踊り子さん」にはお触りサービスがあるようです。
……いや、コンサートでお触り以上の素敵な時間をいっぱい過ごさせてもらっていますし、別にお触りサービスは要らないんですが(^_^;)、板の上の方に対して尊重しなければならないマナーの本質は一緒だと思うので、いくら嬉しくてもやってはいけないことはあるよ、と思いましたです。

私のクリコレ2は、これでマイ楽の予定です。欲を申せばアッキーの出演回も聴きに行きたかったですが、該当公演はチケット激戦らしい上、都外在勤でほぼ土日公演頼みなので、今回は難しいでしょう。
しばらくは、思い出を反芻しながら日々を過ごすことにいたします。