日々記 観劇別館

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『クリエ・ミュージカル・コレクションII』感想(2015.2.21ソワレ)

昨日に引き続き、2回目のクリコレ2を観てまいりました。

今回のオープニングトーク担当は、万里生くんでした。お題は『シェルブールの雨傘』。万里生くんのミュージカルデビュー作『マルグリット』は、『シェルブール』と同じミシェル・ルグランさんが作曲を担当されたそうです。その関係で、ルグランさんがコンサートのため来日された際に楽屋に挨拶に出向き、ルグランさんご夫妻と対面しお話ししたという思い出について語ってくれました。

キャストの皆さま、前日の初日から21日の昼公演を経て、全体に緊張がほどけて雰囲気が柔らかになっている印象でした。
特に山口さんのオープニングナンバー。初日公演ではまだどこか歌声がテンパって上擦り気味でしたが、今回はかなりほぐれて打ち解けた空気になっていると感じられました。

以下、本日のセットリストです。
ただし、曲順の記憶が一部曖昧ですので、完全リストではないことをご容赦ください。

【1幕】

【2幕】

【アンコール】

  • 彼を帰して(レ・ミゼラブル)/山口さん
  • 愛を広めよ(シスター・アクト)/全員

ここから、前日の書き忘れも含め、曲単位でピックアップしての簡単な感想です。軽くネタバレありですのでご注意ください。

「すべてはあなたに」
初日では微妙に呼吸がずれている?と思った箇所もありましたが、今回は全くそんなことはありませんでした。
「愛していると言えたなら」
やっぱりコンビの呼吸が合いすぎ、歌声がハモりすぎです。歌が終わった後、ティアナンがグレイスに引きずられて退場するポーズで笑わせてくれます。ところで初日に思い出せなかった、この曲が使われているPQの劇中の場面については、ついにまともに思い出せなかったので、山口ファンの友人にも話を訊くなど巻き込んで、やっと思い出しました。ティアナンと引き裂かれて敵対部族に嫁いだグレイスが、父親の族長の危篤と部族の危機をきっかけに故郷に戻り、息子を出産した後にティアナンと語り合う場面です。
「100万のキャンドル」
本編で対立関係にあったマルグリットのナンバーを、マリー役だった涼風さんに歌わせる趣向が、シンプルに面白いと思いました。
「Still Believe in Love」
知寿さんの常で部分的に演歌っぽい節回しもありますが、私は好きです。
「舞踏の間」
私は千弘ちゃんの右肩になりたい、あの可愛らしいコウモリ羽根カチューシャも欲しい、と少しだけ考えてしまった本日です。
そして、息子さんがマントを脱ぎ捨てる仕草が素敵過ぎてどうしようかと思いました。その息子さんと助手さんがあまりにも仲良し過ぎるので、これで助手さんがオリジナルキャストな方に交替したらどれだけ仲良しになるのかと、要らぬ心配をしています(^_^)。
また、伯爵と息子さんに気を取られがちですが、今回の寸劇では教授がさりげなく細かい小芝居を背後でこなしているので、次回は何をしているのかきちんと見届けたいと思います。
「連れてきて」
千弘ちゃん、大人の女性になったなあ、と改めて感じ入った1曲です。
「君のそばで」
途中で転調する部分の歌声のうねりがダイナミックに綺麗で好みです。
「ただ そばにいる」
多分本公演では石丸さんと花總さんが歌っていた曲だと思いますが、モンテは一度も観ていないので、観ておけば良かった、とこの曲と「罪を着せろ」を聴いて少し思いました。
「港の見える広場」
何度か書いているとおりジュヌヴィエーヴはミュージカルで三本の指に入るくらい嫌いなキャラクターなのですが、この曲の畳みかけるような泣かせは本当に良いです。
「持ちつ持たれつ」
吉野さんのあらゆる安定感が眼福に繋がっています。
「こんな夜こそ」
本編のマキシムと「わたし」のカップルが、キャラクターも歌声の調和も全部好きで仕方が無かったので、あの2人が再現されている、というだけでもう何もかも無条件に受け容れて堪能できます。
「彼を帰して」
やはり、山口バルジャンの清浄な祈りの求心力と、それを支えるオケの皆さまの演奏力とに尽きると思います。
役者としての山口さんはどちらかと言えば不器用な傾向があります。でも、バルジャンに関しては器用かそうでないかとか、そういう境界線を全部飛び越して世界を作り上げていて、ただの不器用ではない、ただ者ではない、と改めて思っています。
「愛を広めよ」
キャスト全員の客席降りにワクワクしました。

今日のところの感想は以上です。
次回もう一度クリコレ2を観る機会がありますが、本日とは別キャストになりますので、セットリストや細かい演出の入れ換えがある筈です。
ひたすら、次回を心待ちにしています。