日々記 観劇別館

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『My Story, My Song ~and YOU~』感想(2022.5.21 13:00開演)

『MSMS』(Microsoft×2ではない)を再度観てまいりました。

トークの内容もセットリストも毎回少しずつ異なる、しかも今回のゲストの組み合わせは1回だけ、ということで「ネタバレ御免」ですのでご了承ください。

今回のゲストは知寿さんと千弘さんでした。

座長がフリーダム過ぎたためかは定かではありませんが、どうも前日の公演が予定時間を大幅に超過して終了したらしいという話も聞こえてくる中、祐一郎さんが登場するや否や、女性陣が懸命に仕切りを試みていました。

何しろ、隙あらばあらぬ方向(ご本人的には何らかの方向が見えていそうですが)に話の舵を切ろうとする座長。果敢にもそのしゃべくりを容赦なくぶった切り、舵を戻すべく頑張るお二人。

例えば、千弘さんが「トークには6つのテーマが……」と口にすれば、「テーマとか言われても難しい」と言う座長。それに対しすかさず「では、『お題』で!」と返す千弘さん。

客席からゲストのお二人に、心の中で「頑張れー!」「いいぞもっとやれ」とエールを送っておりました。……すみません、これでも一応座長な方のファンな筈です。

というわけで、後からずるずると思い出しそうですが、今思い出せるものだけ、いくつかトークの概要を記します。1幕のトークショーだけではなく2幕のトークも混じっているかも知れません。

3人の出会いは?
祐一郎さん:保坂さんも大塚さんも(通常「ちひろりん」と呼ぶようですがこの時は呼んでいなかったような)高校生の時から知っている。あ、「知っている」って辞書に色々な意味がありますけど、この手元の進行表を見て「これ知っている」というのと同じですよ?
 →これ、観客が他にどういう意味を想像すると思っていたのでしょうか?😅

祐一郎さん:保坂さんが高校生で劇団のオーディションを受けに来た時は、ぼくは残念ながら駐車場係だった。後から中にいた同期から噂を聞いて見に行った。
千弘さん:高校生の時、祐さんの楽屋にご挨拶に行って……。
祐一郎さん:そうそう、その高校生と夫婦役をやって……ご両親に申し訳なくて……。
千弘さん:(「夫婦役は20代の時です」等と丁々発止を繰り広げた上で)共演できて、いつも両親も喜んでいますよ。
祐一郎さん:もうね、そんなこと言われたら、このまま楽屋で心筋梗塞で逝っても良いです。
 →いや、どうかお願いですからまだ逝かないでください💦

先輩に言われた言葉で心に残っているものは?
千弘さん:『笑う男』の時に、世間で辛いニュースばかりが流れていたので「こんな中で舞台に立つのは辛い」と嘆いてしまった時に、祐さんから「お客様も(辛いニュースを聞いて)同じことを思っているよ」と励まされた。
知寿さん:昔、劇団でロングラン(CATS?)をやっていた頃、先輩から「休みなく仕事があっていいね」と言われた。でもその後劇団が忙しくなり、結局その先輩の方が先に倒れてしまった。
祐一郎さん:ある先輩に言われて、高速道路を大町から東京まで150kmまで飛ばしたが、何事もなかった。その先輩に「規則は自分で決めればそうなる。でもおまえには無理だ」と言われたが、ああそういうことがあるのか、と。でも震災の時に突っ張り棒を買いに行こうと高速の螺旋状の道を回って出ようとしたら、お巡りさんが手招きをする。お巡りさんの顔を見ながらゆーっくり走っていたら止められて、「一時停止していない」と言われてしまった。
 →これ、ちょっと分かりにくいですが、多分、自分のルールは自分で決めていいけれど、社会で守るべきルールの前には太刀打ちできなかったですね、ぼくは所詮、道交法というルールの壁も超えられませんでした、というオチなんだろうと理解しています。

旅公演に必須のものは何?
祐一郎さん:(千弘さんに「30秒以内にまとめてください」と言われ十数秒悩んだ末に)コンビニ!
知寿さん:ホテルの室内を浄化するスプレー!
 →「消○力」的な何かでしょうか。そしてちひろりんの答えを失念……。

(2022.5.22追記)Twitterで教えていただきちひろりんの答えを思い出しました。「バスソルト」でした。さすが『レベッカ』の2回公演の合間にも入浴していたほどのお風呂好きさんらしい答えだと思います。

その他
知寿さん:(栗山梢さん演奏の「アメリカン・ウーマン」のメロディーを聴いて)「これ何の曲?」
 →千弘さんに「『レベッカ』に出てらしたのに!」と突っ込まれてました。

祐一郎さん:(語る前に2回ほど耐えられずに吹き出した末に)『レベッカ』で「幸せの風景」を歌っている最中に、(風景画を描く)Ichが座っていた小さい椅子が突然ぱたんと倒れてしまったが、Ichはこうやって空気椅子をしていた。
千弘さん:器械体操部だったので、空気椅子で頑張りました!
祐一郎さん:そういうことが何回かあったんですよ。

祐一郎さん:『レベッカ』で、Ichがマキシムとの別れが辛くて涙する、それをドアの外で聞いていたマキシムがドアを開いて……という場面で、ドアを開けようとしたがドアノブを回しても蹴っても開かないことがあった。その場面のドアは天井から降りてくるようになっていたが、ドアが空中で開いてしまうので、それを防ぐように(大道具さんに)指示が出ていた。後で見たらドアが横から五寸釘6本で釘付けされてしまっていた。困っていたら、スタッフの「ツッチー」さんが「ぼくがやります!」と駆けつけてくれて、一緒にドアを蹴破った。マキシムは床に転がり、衣装のホコリを払いながら立ち上がったが、それでもIchは何事もなかったように歌い続けていた。そしてようやく2人が抱き合えた時、客席からは拍手が起こった。

 

そんなこんなで爆笑と拍手の内に1幕のトークショーが終わり、25分間の休憩の後に2幕のミュージックショーが始まりました。

以下はセットリストですが、またもや一部曲名が分からないものがあります。もし曲名が分かったら直します。1曲目とラストの曲は各日共通のようです。
東宝演劇部Twitterのリストに基づき、一部曲名を追加・修正しました。(2022.5.25)

この2幕で、ちょっとしたハプニングがありました。

「In His Eyes」で知寿さんと千弘さんがデュエットに入る前に、暗転した舞台をささっと上手方向に捌けていく祐一郎さん。その時点で知寿さんが「あっ」という感じで手を伸ばして固まっていたので気にはなっていたのですが……。

去って行った祐一郎さんは、デュエットの途中に静かに歩いて舞台に戻ってきて、そのままセンターでスタンディング。そこに向かって歌う女性陣。ああ、これは彼がジキルなのね、なるほど、と客席から観察。しかしなぜかスタッフさんがその後を追いかけてきて、マイクらしきものを祐一郎さんの背後のテーブルに配置。え? マイク持たないで来ちゃったの? どうしたの? と歌を聴きながら小さな疑問符が私の脳内に浮遊。

全ての謎は、デュエットが終わった後に知寿さんから暴露されました。どうやら祐一郎さん、暗転した時に捌けないでそのままセンターにジキルに見立てた存在としてスタンバイしていないといけなかったようです😂
「あ、行っちゃった、どうしよう」と困惑しながらも歌っていたお二方。それでもジキルがいることにしてセンターに向き直った千弘さん、いつのまにか祐一郎さんが戻っていたので今度は「あ、いるー!」と驚いて歌詞を間違えてしまったそうです。
この顛末を聞き、爆笑の渦に包まれる客席。ひたすら平謝りする祐一郎さん。歌詞は作詞しても舞台での居方を間違えるのはとても珍しいと思います。やはり毎公演で違うゲスト、違うセットリスト、違う段取りが発生するがゆえに、さすがの帝王も混乱してしまったのでしょうか? 止まらない笑いに苦しみつつ、気がかりではあります。

とは言え、今回も歌巧者のお三方の歌声のシャワーを全身で堪能いたしました。
特に祐一郎さん。直前までぽわぽわ脱線トークを語っていて、歌に入る時は必ずしばらく目を閉じるのですが、目を開いた瞬間には鮮やかにマンダレイの主人や旅するカメラマン、恋する若者になっているのが何とも心そそられます。「糸」のように役に入っているかどうかの端境にあるナンバーでは、終始ウィスパーボイスで歌唱する(でも歌詞と歌声はしっかり聴き取れる!)のもまた良いのです。


そして残すは22日の千穐楽1公演となりました。ゲストは「ちひろりん」のほか、吉野圭吾さんです。色々な意味ですごいことになりそうな予感しかいたしません。まずは千穐楽も無事幕が上がることを祈っております。