日々記 観劇別館

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山口祐一郎さん、レミゼ降板

(2013.1.12追記
昨年12月頃に設定変更した、ブログのコメント欄のなぞなぞ認証の回答設定が間違っており、コメントが付けられない状態になっていました。現在は正しい設定に修正してあります。また、はてなの仕様かバグかは分かりませんが2回回答しないとコメント欄が編集可にならないようです。申し訳ございません。

2013年を迎えて最初の記事となります。今年もよろしくお願い申し上げます。

まさか、年明け早々にこのような辛い記事を書くことになるとは思いも寄りませんでした。でも書かないと自分が内部崩壊しそうなので、書きます。

本日は所用のため少しだけ仕事を早退。用事を済ませて買い物もしたし、さて、帰ろうかな?とマイカーに乗り込んだ時、携帯に東宝から以下のニュースが飛び込んできました。
帝国劇場『Les Miserables』 ジャン・バルジャン役 新キャスト決定とキャスト変更のお知らせ
お知らせの要点は次のとおりです。

  • バルジャン役の山口祐一郎さんが「この度体調を整えるため休養を取ることとなり、作品の稽古に参加が叶わず」降板
  • 福井晶一さん(2012年12月31日限りで劇団四季を退団)がバルジャンとジャベールの二役兼任キャストとして新たに決定
  • ジャベール役の吉原光夫さん(2011年公演のバルジャン役)についてもバルジャン役兼任決定
  • 以上により、バルジャン役は既発表のキム・ジュンヒョンさんと福井さん、吉原さんのトリプルキャストが決定。ジャベール役も既発表の川口竜也さんと福井さん、吉原さんのトリプルキャストが決定。

最初にこのニュースを知った時は目を疑い、そして「泣きたい!」と思いましたが、一番辛いのは誰よりも降板されたご本人だ!と思い直して堪えました。
しかし、時間が経つにつれ癒えるどころかじわじわと深まるショック。人間、本当に打ちのめされた時には、涙も出なくなるのだと実感した次第です。

もし、山口さんからのメッセージにある通り、喉の不調による降板であるとしたら。きっと、トリプルキャストなら?クアトロキャストなら?と、ぎりぎりまで東宝と出演の可否を調整して、その上で下された苦渋の結論であったと信じたいです。
一方、もしそうではなく、例えば新演出の方向性に山口バルジャンのニンが合わなかったなど別の事情があるとしたら。それはファンにとってはとても辛い現実ですが、どんな事情があるにせよ、いかに主役級であろうと、舞台でもらった役を演じる力が不足しており、公演期間を満足にこなせる見込みのない役者の降板は当然ですし、それは劇団四季辺りでは普通の事です。
しかし、山口さんがご自身の舞台復帰作でもあったレミゼに一入の思いを抱いていることは、折に触れ発言が伝えられていましたので、やはりファンとしては彼の無念の思いを推し量ると心が潰れそうになります。
降板の真相は、所詮は部外者なので、専ら推測するしかありません。ただ個人的には、ここ2、3年の山口さんの極端な好不調を繰り返す歌声にどこか不安定さを感じずにはいられなかったこともあり、悲しいことではありますが、山口さんご自身の言葉がそのまま真相であると考えています。
また、真相がいずれにしても、自分は1ファンとして、山口さんの、そして関係者の、恐らくは双方断腸の思いの下での決断を否定することはしたくありません。真実の事情が全く気にならないと言えば嘘になりますが、無責任な噂に振り回されるのは嫌です。自分はただ、様々な思いを押し隠して、自身の舞台を心待ちにしていたファンに誠実に向けられた言葉を信じて待ちたいだけなのです。
かつて、「俳優という仕事以外社会で生きていける術を持たない」とご自身のことを評されていた山口さん。その言葉通り、正に役者が「天職」であり、板の上こそが貴方の最高の居場所であると思っています。ゆっくり休養してじっくり悪い所を治してください。そして、「ゆっくり」、「じっくり」とは矛盾した言葉かも知れませんが、1日も早く、またお元気な姿で舞台に復活される日を、心より待ち望んでいます。

そして。今日は万感の思いがありあまり言葉を尽くせませんが、一言だけ。新レミカンパニーの皆様、特に追加でバルジャンを演じられることになったお2人には、ジャベールとの兼任(初演時の鹿賀さん・滝田さんと一緒!)はかなりしんどいのではないかと思いますが、頑張っていただきたいです。本公演の始まる5月までに、レミゼを観に行けるよう自分の心がどこまで甦っているかは分かりませんが、この観客にもキャスト、スタッフにもパワーをもたらすスペシャルな作品の力を信じて、引き続き応援しています。