日々記 観劇別館

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『華麗なるミュージカルの世界』

東宝ツイッターで発表されてから2ヶ月近く待ちわびていたムック本『華麗なるミュージカルの世界』が4月2日にようやく発売になりましたので、翌日早速購入してきました。
表紙は事前に予告されていたとおり、綺麗にセットされたヘアスタイルに、紺色にシルバーの細ストライプのおしゃれなスーツで椅子に座ってポーズを取る山口さんの全身像。向かって右斜め方向にすらりと伸ばして組まれた脚の長さが物を言っている素敵な写真です。この日は複数の取材をこなされたこともあってか少しお疲れ気味のお顔ではありますが、こういう素敵写真が出回ってくれるのはファンにとってはとてもありがたいことです。

自分の歌声ひとつとって見ても、様々なポジションのスタッフがそれぞれの人生を賭けた仕事によって支えられている、といういつもの山口さんらしい謙虚過ぎる発言もさることながら、

そういう気持ちと同時に、『ああ、もうダメだ!』っていう時に一方では自分を支える、ひと握りの思いみたいなものはあります

というちらりと人間味、生身の山口さんを覗かせる発言も心に残りました。優雅に水面に浮かぶ水鳥の人知れぬ心の揺らぎとそれを跳ね返す強靱さ。そして静かに熱く燃える天職への思い入れ。この一言から、一人のベテラン役者に秘められたそんな豊かな内面を妄想してしまうのは行き過ぎでしょうか。
このムック、山口さん以外にも市村さんや井上くん、浦井くんら第一線の役者さん、それから若手代表として田代くんらのインタビューも載っているほか、東宝ホリプロ、四季、音楽座、TSなど国内の上演演目解説、海外観劇入門など幅広く取り上げていて、読み応えはありそうです。
ただ、なまじ充実しているが故に四季関係の図版や劇団員に触れられていないのがちょっともどかしいというか何と申しましょうか(^_^;)。まあ、所詮劇場に行かないと観て評価はできないですし、良い演技さえ見せてくれればどうでも良いと言えば良いのですが、気になった点です。まあ、表紙が良いのでそこで満足すべきなのかも知れませんが。