日々記 観劇別館

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『篤姫』第46回

これでもかという位に慶喜フルボッコにされまくっていた回でした。
代々尊皇を家訓としてきた水戸徳川家の出身なのに朝敵とされ、これ以上血が流れることに耐えられず、幕府軍を捨てて江戸に逃げてきた哀しみはよく分かるんですが……。
対面した天璋院に、勝さんに言われて仕方なく会いにきたとか、島津の分家からの成り上がり者に本心から頭を下げる気はないとか、全部見切られていて気の毒。
しかも「惨めな抜け殻」とずばり指摘されるし、徳川家を守るためにひたすら恭順謹慎を貫けと諭されるし。
そんな感じで一旦慶喜どん底に突き落とす一方で、将軍として頭に立つ者の苦しみは分かる、同じ立場で若くして亡くなった家茂、家定の分まで生きよ、あなたも徳川家の家族だ、と苦悩を労い、優しく語りかける天璋院慶喜より何枚も上手で、あまりにも見事なお手並みでした。慶喜涙ぐんでるし。
静寛院も色々思うところはあっただろうに、素直に天璋院の意志を受け入れており、彼女も成長したのだな、と思いました。

薩摩の帯刀はついに病を押して京へ向かう決意をしますが、そこに国父様が登場しないのはやはり寂しかったです。
彼はただ戦の広がりを食い止めたいだけであって、決して西郷や大久保と袂を分かったわけではないのだろうけれど、何だか孤独な感じがしたので、国父様に行ってきます位は言って欲しかったと思います。
来週はあの幾島が老いた姿で再登場。もう出てこないかと思っていたので驚きつつ、楽しみにしております。