日々記 観劇別館

観劇(主にミュージカル)の感想ブログです。はてなダイアリーから移行しました。

e+の『エリザベート』インタビュー

以下、昨日風邪でハナをすすりながら読んだのに、感想が書けず出遅れてました。
e+ special interview  Part2 山口祐一郎×武田真治
お二人とも、トートという役に対してとても丁寧に向き合っているということが分かり、好印象なインタビューでした。
山口さんの、初演から演じ続けている『エリザベート』という作品についての、「果物は枝から落ちる寸前が一番美味しい」「もう落下してる最中かもしれない(笑)」「(役を演じる瞬間や作品について)いっそう愛しさやはかなさを覚えますよね。」等々の発言を読んで、いつかはトートでなくなることの覚悟をどこか心に決めつつ演じているのかな?と受け止めました。8年間じっくり関わり育ててきた役と作品に対する思い入れは本当に深くていらっしゃるのだと思います。

それからごく個人的に心に響いたのは、トートとは自分の中のネガティブな感情すら反映できる役なのか?という問いに対する山口さんの答え。ちょっと長いですが引用します。

今「ネガティブ」っておっしゃったけど、そういう感情が発生すること自体に価値があると思えば、それがネガティブなモノでもポジティブなモノでも、どっちでもいいんです。「死」のトートを演じながら、生きるエネルギーを感じてるとでも言うんでしょうか? だから決してそれは、ネガティブなことじゃないんですね。

ご本人はきっと、いつもの口調で上の言葉をふわふわと語って微笑んでいただけだろうな、とは思いますが、しょっちゅう失敗ばかりで自己嫌悪に苛まれている人間としては、ネガな感情であったとしても、感情を持つということは生きているということであり、苦しくても生きるというのは大事なことである、と言ってもらえたようで何だか嬉しかったです(^_^)。