日々記 観劇別館

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『レプリークBis』Vol.12

昨日に引き続き書店に立ち寄り、『レプリークBis』のエリザベート特集を購入してきました。
記事のメインはWシシィ&Wトート&Wルドルフ、それから演出の小池さんのインタビューです。
このうち、山口さんのインタビュー。写真は、東京での製作発表時のものと舞台写真のみなので、少しばかり寂しいと言えなくもありません。記事の中で、いつもエリザベートの台本と譜面を持ち歩いているというエピソードが紹介されていました。「よりよいものを準備し、お客様に楽しんでいただく」ことを目標に舞台に立っているが、一方でその目標の維持の困難さも感じている、という発言を読んで、ストイックな努力を常に怠らないアスリートのようだと思いました。また、インタビュー後半では、ひたすらWシシィの盛り立て役に徹しているように見受けられました。

でも山口さんについては、ご自身の口から語られる言葉ももちろん含蓄があるのですが、他の方の視点で語られる言葉の方に、より一層見るべきものがあるように思います。例えば稽古場でエリザ初出演でまだおぼつかないWシシィに対し、積極的に自分のカードを出して、2人が演技を仕掛けられるように水を向けていたという小池さんの証言然り。「革命の踊りも今回一生懸命踊っていらして」には軽く笑ってしまいましたが。
とりわけ、浦井くんが2年間の他流試合を経た結果、以前は出せなかった音を出せるようになり、エリザの歌稽古の際に山口さんが駆け寄ってきて、「どうした。貴重な声になったじゃないか」と声をかけてくれたというエピソードには胸が高鳴りました。浦井くん、自分の努力と経験の成果が誉められてどんなに嬉しかったことだろう、と、自分が誉められたような気持ちになってみたりして(*^_^*)。
台本・譜面持ち歩きの話も含め、自分の贔屓にしている役者の、プロ意識と同時に人間味を感じさせてくれるエピソードというのは、やはり喜ばしいものですね。