日々記 観劇別館

観劇(主にミュージカル)の感想ブログです。はてなダイアリーから移行しました。

JCSのパンフ

某オークションで出来心で『ジーザス・クライスト=スーパースター』の1991年公演パンフを入手しました。
ページをめくっていて気づいたのは、
「退団者の舞台写真も掲載されている!」
ということでした。十字架を背負ってくずおれそうな鹿賀ジーザスも、歌舞伎メイクの市村ヘロデもばっちり写っています。
そう言えばいつから四季って退団者の写真を徹底してパンフに載せなくなったんでしょうね。多分肖像権の問題があるのだろうけど、各々に掲載許諾を取れば良いのだから、退団したから載せられない、ということはないと思うのですが。人が細々入れ替わってるからその都度許諾を取って権利料を払うのが面倒なのか、それとも退団者のことは忘れて今の我々を見て、というメッセージのつもりなのかは良く分かりませんが、手続きをしてでも載せて欲しい、と思うのは観客側の人情です。
それと山口ジーザス、断片的な舞台写真だけでも、ジーザスがはまり役だったことが良く分かります。十字架磔刑シーンなんて、本当宗教画みたいですし。腹筋の割れ方にプロ根性を感じました。

しかしJCSを初めて観てから1年が経ちましたが、あの衝撃は薄れておりません。傾斜の激しい舞台で展開されるアンサンブルのアクション、ユダのジーザスに対する屈折した愛情、そしてジーザスの自らの行く末を悟っている故の深い孤独。これが2時間弱1幕ものにぎゅっと凝縮されているわけで。現在消息不明(退団?)の下村ヘロデの官能的な演技をジャポネスク・バージョンで観ることができたのも幸運でした。
個人的にはどちらかと言えば荒涼としたエルサレムバージョンが好みですが、ジャポネスク・バージョンも歌舞伎メイクが演者の七難を隠していて、大八車が出てきたりする奇天烈な演出が素敵です。今年の全国巡業は近所に来そうもないので観に行けなさそうですが、お近くに来るようなら是非一度観ておいても損はないかと思います。