日々記 観劇別館

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続・昔の雑誌インタビュー

と言うわけで、7月10日の記事に書いた雑誌記事のコピーを入手いたしました。
記事の内容ですが、20歳の頃の下積みシンガー時代に出会った女性との恋愛について語られてました。その女性のことを「僕とは別のバンドで」歌っていた、と書いてあるのですが、ということは山口さん、バンドをやっていらしたってことですね。
その女性は同じ舞台の道を目指している方(ステージに立つ側でなくスタッフ)だったそうですが、歌っていて酔客に罵声を浴びせられた時も彼女の声とイメージを思い浮かべると悔しさが消えて頑張ることができた。苦痛な生活の中でも同じような立場の彼女と傷を舐め合い、ズダボロになっていても彼女の元へ戻るとどんなに嫌なことも忘れられた。彼女の過去の支配から抜けられなくて長い間新しいことが何も始まらなかった。とコメントされているので、これはよっぽど好きだったんだなー、と。
結局相手の方がエンタテインメントの世界から、次第に現実を認識して地に足の着いた生活を求めるようになり、徐々にすれ違いが生じて別れることになったとのことでした。「女性は男よりずっと現実的」と語る一方で「僕はわがままな人間ですから」とおっしゃる所に、お人柄を感じます。
あと、当時の性愛観についても「単にエネルギーの発散っていうんじゃなくて充足だった」等と述懐されていました。

読んだ感想としましては、将来の見えない日々を送る中で、結果が別離であったとしても、互いの奥深く触れ合って*1恋愛することができた山口さんのことも相手の人のことも、かなり羨ましい、と思いました。
当たり前だけど、一朝一夕に今の50代(少なくとも舞台姿はそのお歳には見えませんが)の山口さんになったわけではなく、こうした人生のエピソードの積み重ねがあってこそなのだなあ、と納得しています*2

ちなみに、雑誌「Junon」の1984年6月号 p19に掲載された記事です。古い雑誌を永年保存している図書館には所蔵されているかと思います。上に書いたとおりとても真摯な恋愛のお話なのですが、ちょっとばかり性的な話も含まれてますので、それで愛(笑)がぐらつく可能性のある方は、現物をお読みになる前に考えられた方がよろしいかと。あ、繰り返しますが、写真は本当にお美しいです。

それにしても、他の役者さんについては、ブログぐらいは読みますが、あくまで新作舞台や関連商品(CD等)の情報収集のレベルであって、舞台裏エピソードとかには大して興味がないというのに、どうして山口さんに関しては情報を求めてあちこち突撃してしまうのでしょうか?>自分。
多分、元々調べ物が好きで、そこに愛があろうがなかろうが全く苦にならないという性分が、新参ファンであるが故に過去の埋め合わせをしたい、という心理の働きに拍車をかけているのだとは推測していますが、熱くなりすぎて冷めたり、イタタになったりしないよう、自重しつつ深く静かに潜行したいと思います*3

*1:言わずもがなですが『モーツァルト!』の一節です。

*2:じゃあ、あの何につけさらっとし過ぎなラブシーン演技に経験が生きているのか?と突っ込まれると、少し考えてしまうわけですが(^_^;)。

*3:祐一郎捜索隊」等の文献情報が新参者にはありがたいです。