日々記 観劇別館

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『篤姫』第28回

とうとう斉彬も家定も相次いで身罷ってしまいました。
しかし史実とはいえ、父親と夫の死をそう間を置かずに知らされるなんて、篤姫にとってはあんまりにもあんまりな話です。
将軍の母も妻も臨終に立ち会えないのは、特殊な世界である上に、こういう激動の時期だから仕方がないのかも知れないけど、一般人からすると疑問符が付いてしまいます。
これからの篤姫は、最後の夜に心が通じ合い家定から受け継いだ意志を頼りに生きていくのですね。家定が死の床にあると知らずに託した碁石の片割れ(篤姫のが黒石です)が、そのうちどこかでお守りとして再登場するに違いないと期待する私*1
あと父上ですが、篤姫に、幕府と薩摩は敵同士になるかも知れない、その時は我が道を行け、と遺言めいたことを告げつつも、まだまだ生きて彼女を守るだけ守るつもりだったんだろうな、と思うと何とも不憫で仕方ありませんでした。帯刀への「姫を奪って済まぬ」という言葉は、まさか家定も前後して亡くなるとは思っていないにしても、これからますます大変になる一方の篤姫の行く末を見届けられない無念も込められていたに違いありません。

そして、久しぶりの久光様(まだ忠教様ですが)は廊下をダッシュして兄・斉彬の臨終の場に登場。顔の筋肉と血管をフル動員した凄い形相で涙を堪えていました。一度は自らの意志で距離を置いた筈の兄から後事を託されたことについての感慨や、やっと兄と素直な気持ちで向かい合えたのにその兄は天へ旅立とうとしているという悔しさ等が色々と滲み出ている、何とも言えず複雑な表情でした。でも臨終に立ち会えた分、篤姫よりマシだぞ、とも思ってしまったりして。
で、次週予告で忠教様、帯刀に「本気でお考えなのでございますか?」と問いかけられ、ワイングラスを傾けながら天を仰いでました。その顔が何とも綺麗で……と予告映像をPCで何度もリピートして眺めている自分は流石にアホかと思います。

*1:篤姫のアイテムは結構ありますね。帯刀との兄弟お守りとか、菊本の仏像とか。