日々記 観劇別館

観劇(主にミュージカル)の感想ブログです。はてなダイアリーから移行しました。

厄介な愛

あえて誰のこととは申しません。だからブログのカテゴリ分けも「その他観劇ネタ」にしておきますが(笑)。最近つくづく、実に厄介な相手を好きになってしまった、と思います。
その相手が住む世界において一定の評価と地位は得ているけど、欠点を指摘されることもむやみやたらに多いです。また、大海に出れば上には上が山ほどいます。
美点を受け入れる人は熱狂的にどっぷりのめり込む程になるけれど(自分は多分、今ここ)、そうでない人からはとことん嫌われるどころか、とことん批判することが一種のステイタスみたいな面すらあります。時にファンの中でさえ、そうした負のステイタスが強烈に生まれることがあるのは不思議です。中立的に評価する層(「どうでもいい」層とはまた異なる)も存在するものの、そんなに多数派ではない気がします。
漫画や小説やアニメや特撮物のキャラ萌えと似ている?とも少し思いましたが、今回の場合、相手は素の状態こそ知らないけど生きている人間ではあるので、ちょっと違うような気がします。それにキャラ批判することによって、その作品やメディアを愛する者のステイタス向上につながるかと言うと微妙です(ここら辺異論がある人もいるかも)*1

実を申し上げれば自分には、遡ること28年前から12、3年間程、現代で言う所のジャニオタだった時代があります。
普通とは違う世界に住む人、という意味では彼らも共通事項としてくくられますが、彼らの場合はメジャー度が段違い、しかも今同じ事務所で活躍している若い子達と違ってダンスや歌のレベルも(略)だったので、その分批判を通り越して罵倒する人が圧倒的多数でした。その罵倒の中でも彼らを盲目的に擁護することで、愛を再確認していたような節すらあります。
それに比べると、賞賛する側も批判する側も「知る人ぞ知る」的な所があるし、比率としてはまだ賞賛者の方が多いと思うから、状況は遥かにマシかも知れません。
それでも批判を見聞きするとやっぱりへこみます。気にしなきゃ良いのかも知れませんが、色々評判が気になるから辿っていくとどうしても目に入るし耳に入る。しかもその批判されている部分が自分の好きポイントとも表裏になっていたりして、何故批判対象になるかも理解できるだけに、余計にへこむという悪循環。
そうした状況下で相手への愛を再確認するために暴走して擁護する行為が「痛い」というのも、流石にこの年齢になると分かってしまっているので、自らをクールダウンさせざるを得ません*2

とは申しましても、今後の娯楽・芸術作品や、その制作に携わる人々のレベル向上の為には、批判意見も賞賛意見もどちらも大事なので、それは愛する者としては甘んじて受け入れ、時に受け流すべきかと思います。
自分のどうしようもなく厄介な愛の行き場についてですが、もちろん、愛を人と分かち合って共感できるのが一番嬉しいことです。そして、例え分かち合えなかったとしても、愛を尊重してもらえるのは同じくらい嬉しいです。いえ、「尊重」まで無理は申しません。そのうち愛が冷める日まで、生暖かく見守ってくれればそれで結構ですから(かなり後ろ向き)。
いつかこのブログの文章を読み返して、そんな時代が私にもありました、と嘆息する日が来ることはあるかも知れません。でも、例えばそうなったとしても、好きだった自分を否定することはしたくないので、アンチにはなってないだろうな、と思うのです。何故ならジャニ熱が冷めた時がそうでしたから。好きだった人をそう簡単に嫌いになれてたまるか、という感じです。過ぎた日に乾杯。

*1:余談ながら自分がまさか漫画でも小説でもなく「芸能」ジャンルにはまるとは思っても見なかったです。

*2:暴走はしてないつもりだけど既にあちこちで擁護はしてしまってますので「痛い」状態ではあります。