日々記 観劇別館

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ウィーン・ミュージカル『エリザベート』来日記念コンサート(2007/1/7 14:00開演)

1月7日、新宿コマ劇場で開催された来日コンサートに行ってきました。今年の観劇始め(劇じゃありませんけど)です。
第1部が、宝塚エリザに出演経験のあるOGの皆様と来日メンバーとのトークショー、第2部がコンサートという構成でした。
トークショーに登場した宝塚OGは美々杏里さん、彩輝なおさん、NORU/稔幸さんのお三方。1人ずつが司会者(評論家の小藤田さん)に呼ばれてエリザとの関わりを語った後、作曲家のリーヴァイさん、そしてマヤ・ハクフォートさん(ウィーン版エリザベート役)、マテ・カマラスさん(ウィーン版トート役)、ルカス・ペルマンさん(ウィーン版ルドルフ役)の登場となりました。
昨日はOG(彩輝さん、稔さん)と来日メンバーの皆さん(マヤさん以外。クンツェさん含む)とで会食後カラオケに出向き、マテさん、ルカスくん(何となく『くん』付けが似合うと思うのでそう呼ばせていただきます。)が宝塚版エリザの曲を歌う場面もあったとか。また、1月7日は彩輝さんのお誕生日ということで、何と来日メンバーからの『ハッピー・バースデイ』の歌のハプニングプレゼントがありました。本当にハプニングだったみたいで、彩輝さん、大層恐縮されていました。お客としても思いがけず来日メンバーの三重唱が聴けて嬉しかったです。
客席に、ウィーン版、宝塚版、東宝ミュージカル版のどのエリザを観たことがあるか?という問いかけがあり(昨日もやったらしい)、ウィーン版に手を挙げた人が相当の数いたのには驚きました。「観たことある」=生観劇と解釈していたのですが、だとすればそんなに海外遠征組がいるのは凄いことです。ちなみに自身は、東宝ミュー以外はDVDでしか観たことがございません。今年5〜8月(東京は7〜8月)に宝塚雪組のエリザ上演があるそうなので、一度ぐらい宝塚版を生で観ておいても良いかも、とは思います。

1時間近くのトークショーの後、25分の休憩が入りました。自分は別に宝塚OGのファンではないこともあり、トークショーをもう30分ほど短くして、休憩無しでコンサートに突入してくれても良かったのに、と思いつつ待機。

いよいよ第2部開始です。舞台どおりの曲順で、主要なナンバーを次々歌ってくれました。
マテさんは、日本版以外ではブダペスト版にしか無い(だった筈)のハンガリー語版『愛と死の輪舞』を歌われていました。この曲ももちろん素晴らしかったのですが、どちらかと言えばスパイシーな声質なので、こうしたバラードよりは『最後のダンス』のようにアップテンポでシャウトする曲の方が似合う様な気がします。
マヤさん。DVDの映像の印象よりも遙かに若々しく溌剌とされた美女でした。筋肉質で見るからにタフそうな体型が素敵。ソロナンバー『私だけに』、トートとのデュエット『私が踊る時』の他、フランツとのデュエットを、ルカスくんとの『嵐も怖くない』とNORUさんとの『夜のボート』*12つの組み合わせで聴かせてくれて、それぞれに良かったです。『夜のボート』について実は個人的にはそんなに好きなナンバーではなかったので(救いが無さ過ぎるから?)、今回生歌で聴いたことでこんなに感動できるとは、と自分でも驚いています。日本でミュージカルに出演している女性の役者さんには、ここまで歌えてしかも見映えも演技も良いという人はまだまだ少ないように思います。
そしてルカスくん。大阪コンサートを聴いた友人が絶賛の嵐だったので今回最も楽しみにしていましたが、期待に違わず堪能させてくれました。実年齢は存じませんが、若くて顔も良くて頭身もあり、しかも歌も上手い。DVDのルドルフもこの方だったら……と思いましたが、トークショーでのお話によれば、DVD収録当時は別の舞台『ロミオとジュリエット』に出演されていたため、別の方のバージョンでの収録となったそうです。
マテさんとのデュエット『闇が広がる(リプライズ)』では、お二人とも最後のサビを日本語で歌ってくれました。マテさんの発音はちょっと怪しかったですが、ルカスくんは割と綺麗な発音でした。日本語で歌おうが外国語で歌おうが、上手い人はやはり上手いんだなあ、というのが、一緒に聴いた友人との一致した意見です。

来日メンバーのお三方に共通していたのは、数々のナンバーをフルパワーで歌い上げてもまだまだ余力があるぞ、という雰囲気です。皆さん男女を問わず筋肉質で鍛え抜かれた実に良い身体をされていたので、その辺があのパワーと伸びやかな美声の秘密なのかも?と思いました。

以下はまたまた蛇足な独り言です。ミュージカルと言えばやはり海外版、日本のレベルなんて鼻で笑ってしまう、という人には異論もありましょうが、いつかエリザを問わず海外ミュージカルの役者さん達と、最年長トート山口さんとの共演を聴いてみたい、と切に望みます。
エリザ来日メンバーの皆様を拝見するにいずれもスパイスたっぷりの歌声で、表現も作品の邪魔をしないようコントロールされている感じ。一方、山口さんは声質にあまりスパイシー感は無く、表現は時々オーラが過剰に洩れてきている感じ、と対照的で、しかも多分歌オンリーのコンサートはお好きではないのだろう、とは思いますが、異種格闘技戦になっても構わないので是非実現していただきたいものです。できれば、あの美声が保たれているうちに……。

*1:最初お二人の曲を逆に書いてました。すみません。