日々記 観劇別館

観劇(主にミュージカル)の感想ブログです。はてなダイアリーから移行しました。

海外遠征組に彼が受け入れられない理由

最近あちこちのミュージカル観劇趣味な方のブログを巡回していてわかったこと。
ウィーン物を初めとする海外ミュージカルを本場まで遠征して観に行く方は、総じて山口さんへの評価が低いようです。そもそも日本のミュージカルのレベルを問題外としてとらえている方はもちろんなのですが、日本のミュージカルもそれなりに観ていて、役者さんの技量もある程度認めているような方であっても、何故か彼に対する評価はよろしくありません。どこのブログだかは忘れましたが、TdVの観劇感想で「伯爵の歌が弱い」と断じていたところすらありました。

観劇初心者なのでこのへんの機微がわからず、観劇ベテランの友人と話をしてみたところ、恐らく海外ものがお好きな方は、役者の歌や演技よりも純粋に作品の演出を楽しみたい方が多く、それ故にいろんな意味で個性が強すぎる山口さんのような役者は受け入れられないのではないか?との見解。
彼女はかなり気を遣った言い方をしてくれましたが、要は、好きな人間にとっては萌え萌えなあのオーラとか、自己の存在を強烈に主張する演技や歌が、作品そのものを楽しみたい方には邪魔でしかない、ということなのだと思います。

確かにエリザベートも、オリジナルのウィーン版演出ではトートはあくまで影の存在ですし、TdVのクロロック伯爵も、ウィーン版の断片的映像や音で聴く限りは日本版の伯爵と比べると異形の怪物度が高くて、思い入れの対象にはなり得ない感じです。当然、役作りには演出家の方針もあるのだろうけど、何を演じても山口さんは山口さん。大根という評価には声を大にして異を唱えたいと思いますが、存在感がありすぎるのは確かです。

いっそ役者好きじゃなければもっと作品を楽しめたのかも。そういう意味で自分は損をしているのかも。とは言え、役者からミュージカルにはまったことに後悔はしておりません。とりあえず飽きるまでは作品だけでなく役者の個性についても存分に堪能したいと思います。