日々記 観劇別館

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『レディ・ベス』帝劇千穐楽感想(2017.11.18マチネ)

キャスト:レディ・ベス=平野綾 ロビン・ブレイク=加藤和樹 メアリー・チューダー=吉沢梨絵 フェリペ=古川雄大 アン・ブーリン和音美桜 シモン・ルナール=吉野圭吾 ガーディナー石川禅 キャット・アシュリー=涼風真世 ロジャー・アスカム=山口祐一郎 リトル・ベス=斉藤栄万 リトル・メアリー=石倉雫

『レディ・ベス』帝劇千穐楽を観てまいりました。
……が! 足腰の痛みが未だに良くならず、前夜も眠りが浅かったため観劇中は睡魔と戦い、しかも痛み止めが上手く効いてくれない上に、休憩時間の化粧室待機列で脚の痛みが悪化し……ということであまり舞台に集中できず。
以下はその状況下でもなおかつ記憶に留まってくれた感想です。
ほぼTwitterに書いたことと被っています。すみません。

まず、何と言ってもアスカム先生。
何だか全体的にベスへの向き合い方がお父さんモードになっていました。以前はもっと、自分が見込んだ教え子に期待する気持ちの強い先生でしたが、いつのまにか、台詞や表情はもちろん、歌い方までが慈父のそれに変化していて驚かされました。
特に「王国が現れる」。私もあの温かい笑顔と絶妙な間合いで激励されたい、と真剣に思いました。相手の平野ベスの表情が曲の間に本当に「ぱあっ」と音がしてきそうに輝いていくので尚更に。

それから、和音アン。
1幕での登場時から抜群に良くなっている! と感じました。ベスに向けて私の生きた証は貴女だ、と歌い上げる時に母親としての情念が濃く浮かび上がっていたと思います。
初演で観た時の和音アンは常に霊体な佇まい、と申しますかどこか人間でない雰囲気を保っているイメージがありましたが、再演では端々に人間、そして母親としての情をにじませる役作りが伝わってきて、観ている側としても感情を入れやすかったです。

そんなアンとアスカム先生のデュエット「愛のため全て」はこの上なく情愛に満ちていました。今まで何度も聴いた歌なのに今回とりわけ心に響いて染み渡ったのは、現在自分の心身が弱っているからかも? と最初は思っていました。しかし、他の方のツイートを拝読した限り、山口さん、そして恐らく和音さんも、帝劇公演の期間中に役作りの味付けを少しずつ変えてきて、この楽日の表現に至ったのだと、今は確信しています。

改めて振り返ってみても、当日はどうにも集中力に欠けていたようで、あとは箇条書きのみの感想となります。
「ルナール閣下、一挙一動がいちいち格好いい! しかし自滅する大司教猊下を足蹴にするさままで格好よく見えるのは困ったもんだ」
「平野ベス、こんなに頼り甲斐のあるヒロインになるとは初演時には想像してなかったな。和樹ロビンの成長もまた然り」
「吉沢メアリー、最初から最後までひたすら哀れすぎて辛い」
……何だかボキャブラリー貧困で申し訳ございません(>_<)。

そんな中で、カテコの山口さんのご挨拶がとにかく可愛くて癒されて、その辺のしんどさが全部吹っ飛びました。
詳しくは千穐楽カテコ映像を見ていただきたいと思いますが、ロビン×ベスの「幸せ♪」を袖からお父さんモードでちらちら覗いているお姿を想像するだけでこちらが「幸せ♪」になります。
ついでに挨拶をさっさと終えようとして横から最高の教え子にアニメ声で「もう一声」という感じで突っ込まれるアスカム先生や、キャットさんの可愛らしさにほくほくするアスカム先生にもなごみます。心がささくれ立った時にはおすすめです(^_^)。

それにしても、良い舞台を堪能するには健康な身体が欠かせないと痛感しています。好きで身体を壊しているわけではありませんが、少しでも健康に近づければ良いなあ、と思っているところです。