日々記 観劇別館

観劇(主にミュージカル)の感想ブログです。はてなダイアリーから移行しました。

闇が広がる

「闇が広がる」と申しましても、あの『エリザベート』の名曲のことではありません。

ただいま、本日より3日間の研修出張のため、臨時に都内に通勤中です。うっかり職場に色々と申し送りしてくるのを忘れていて、研修会場からあわててメールを送ったり電話したりしていました。帰宅してからも更に駄目押しで、私が見つけづらい場所に埋めてしまった書類の捜索&郵送を頼んでいるダメっぷりが情けないです。
それにもめげず、研修1日目終了後に真っ直ぐ向かったのは神田神保町。別に何を探すとかそういう訳ではなかったのですが、あの町は時たま思い出したように無性にうろつきたくなります。しかも偶然にも今回の研修会場から無理なく寄れる経路だったので、数十分程古書街を探索。
何軒目かに立ち寄った芸能系の古書店で、東宝ミュージカル版『エリザベート』初演前特集の載った『レプリーク』(2000年6月号)と、『そして誰もいなくなった』再演前の山口さんインタビュー掲載の『Top Stage』(2004年11月号)を見つけたので購入してしまいました。ああ、家に捨てきれない本が山ほどあって、人間の居住スペースを圧迫しつつあると言うのに。ちなみに新参ファン故に、どちらの舞台も実際には観てません(泣)。

『レプリーク』の方の山口さんの記事は8年前だけあって、かなりお若く見える写真です*1。もちろん、内野さんや一路さんもお若いです。第一、井上くんなんてまだ20歳だったわけですし、かなり子供子供してます。
トートを演じる心境として「やったぁ、ラッキー」と喜びつつ「(お友達を亡くした経験等から)毎日、死を感じてる」とか発言してしまうような所に、普段いかにも明るくてわーわー騒がしそうな山口さんの、どこか触れたら吸い込まれそうな内面の闇を見たように思いました。この心境、同じ山口さんの20代の頃のインタビューにおける、中学生の頃、三島由紀夫氏の自分の主義に殉じた死を最高の理想だと思った、という発言を読んだ時の気持ちと似ているかも。まさに「闇が広がる」感じです*2
他の記事では、劇団四季の話題で『壁抜け男』(これも未見!)の主演として石丸さんと井料さんの対談が載ってましたが、既に井料さんは退団、石丸さんも恐らくは退団を前提に休団中。たった8年前のことなのに何故こんなことに。
『Top Stage』の記事の写真は、4年後の今より微妙に頬の辺りがふくよかな感じもしますが、ただ台に腰掛けているだけなのに、肩幅と頭身と足の長さがあるだけでこんなにびしっと決まったショットになるのかと感心しました。立ち姿のショットの斜めに見下ろす表情も綺麗です。
で、同じ号に大沢たかおさんも載ってました。彼自身に別に恨みはないのだけど、歌声を連想してたちまち心の中に闇が広がったのは、ひとえに全部『ファントム』のせいです。

更に、雑誌とは関係ないごく私事ですが、「この出張が終わったら、あの仕事とかこの仕事が待ってるんだなあ」と思うと、また質の異なる闇が広がっていったりして。
まあ、研修自体自分で希望して勤め先に予算を出してもらって参加しているものなので、あまり愚痴をこぼせた義理ではありませんが(笑)。
とりあえずは、明日予定している『レベッカ』&トークショー鑑賞を心の支えにすることにします。

*1:今も実年齢にしては相当お若いですけれど(贔屓目と見られても構いません)。

*2:そして我が家の収納スペースにも闇が広がる……。