このCD、既に絶版廃盤となっておりますが、友人の厚意によりようやくコピーの入手が叶いました。
市村さん演じる、甲高い声がちょっとイッちゃってる感じのファントムは好き嫌いが分かれそうですが、私は好きです。市村ファントムと山口ファントムを純粋に歌唱力だけで比べると山口ファントムに軍配が上がりますが、ファントムの屈折と狂気の表現では巷の評判どおり、市村ファントムが勝っていると思います。クライマックスで「許せない！選べー！」とクリスティーヌに迫るところなんて本気で怖いですし。流石名優。
山口さんのラウルは巷間に「（後に演じた）ファントムより良い」という声もある位で、本当に誠実で屈託無くクリスティーヌの心に優しく入り込む感じでした。さぞかし舞台映えもしたことだろうと思うと、当時実際の舞台を観られた人が本当に羨ましいです。
野村玲子さんのクリスティーヌの声は「可憐」という言葉がぴったりの綺麗なソプラノですが、今はこの声は出なくなってしまったとのことで、残念です。
……と、色々書こうとしてみても、やはり実際の舞台を観られなかったというのは何よりも悔しいです。特に野村さん以外のお２人は劇団四季を退団されているので、四季が国内上演権を持ち続ける以上はお２人のファントムを観ることは困難です。加えて、特に山口さんは舞台以外での音楽活動は一切行わず、恐らくファントムの歌すら歌う機会もないだろうという事実も手伝い、がっかりもひとしおです。
何だかCDについて全然語れておらず、自分的には消化不良な感じです。このオリジナルキャストCDに関しては、また時々ぽつぽつと語らせていただくかも知れません。
