日々記 観劇別館

観劇(主にミュージカル)の感想ブログです。はてなダイアリーから移行しました。

『ダンス・オブ・ヴァンパイア』における「7つの悪徳」(妄想)

この週末は、昨日は1日がかりの仕事に出かけ、今日は家で家族とのんびり、ということで、観劇に行く余裕はありませんでした。次の観劇は今度の土曜日の予定です。ちなみに観に行くのはまたまたM.A.。

聖書で言うところの「7つの大罪(悪徳)」は、

  • 傲慢、嫉妬、憤怒、怠惰、強欲、暴食、色欲

だそうですが、M.A.におけるそれは、

  • 金銭欲、虚栄心、愚かさ、厚かましさ、情欲、復讐心、憎しみ

です。
宝石商エベール、ラ・モット伯爵夫人、ローアン大司教、オルレアン公、そしてマルグリット(原作ではカリオストロも)がそれぞれ合わせ持つこれらの悪徳をカリオストロが調合した結果、「首飾り事件」が産み出されたのでした。

では、あの懐かしい『ダンス・オブ・ヴァンパイア』(以下、TdV)にはこれらの悪徳はどれだけ存在したのでしょうか。軽く分析してみました。
#何故TdVなのかは深く追及しないで下さい。TdVのことを語りたかったんです、ええ。


金銭欲:あまり感じられません。あの宿屋も事件が起こるまで経営は堅実だったっぽいですし。部屋は狭いしお風呂も家族と共用だから、あれでふっかけられたら怒るしかないけれど(^_^;)。
そういえば教授達の旅って大学から資金とか出てたのだろうか?アルフレートが道々バイトして旅費を稼いでいたりしたら、何といたわしいことか。
……よく考えてみたら、クコール、(伯爵の命を受けて)ロウソクの料金踏み倒してました。これはあまりにもせこいので金銭欲としてカウントしておきます。

虚栄心:教授がラストに、これで大学の連中の鼻を明かせる、とか言ってますが、これは一種の虚栄心?復讐心も多少混じってるかも。

愚かさ:ヴァンパイアにガブリされるとわかっていてもお城に走ってしまうサラ。彼女は登場人物の中で唯一働いていない(閉じこめられて労働させてもらえない?)上、お風呂のことばかり考えているので、「怠惰」とも捉えることが可。

かましさ:サラは、若さ故の厚かましさ満々ですね。
お風呂場に突撃して「ご機嫌よう、怖くはない」とかぬけぬけと歌ってしまう伯爵も相当かと。
逆に、アルフレートにもう少し厚かましさがあればこの物語は成立していないと思います。

復讐心:ルフレート、サラを奪った伯爵のことを「もう串刺しだ〜」とか言ってたなあ。

憎しみ:これはあまりなさそう。
対立関係にある教授と伯爵は互いに獲物とハンターの関係であって、憎みあってはいません。
レベッカシャガールの夜這いをとっちめてますが、これは憎しみではなく愛の現れですし、かといってマグダを恨むわけでもなさそう。

情欲:持ってる人多すぎ。というか、TdVの大方の登場人物の行動原理はここにあるでしょう。
ヴァンパイアの場合、聖書の方の悪徳(大罪)の「暴食」「色欲」とが合わさってるから更にパワーアップしてるような。


ということで、TdVの登場人物では「7つの悪徳」は綺麗に揃えられないようです。
カリオストロをもってしても、「情欲」のバランスが大きすぎて何か違う物が生まれてしまいそう。それこそ、パワード・コウモリ伯爵とか(書いていて自分でもよくわかっておりません)。
――というか、カリオストロの場合、材料が足りなければ状況をあおり立てて作ってしまうんでしょうね、きっと。