とうとう今年の帝劇TdVが千穐楽を迎えてしまいました。
私は楽には出向かなかったのですが、大ケガも何のそので観劇してきた友人からは、何やら機器トラブルで開演が遅れてクコールがお詫びに出てきたとか、伯爵がちょっとお疲れっぽくて微作詞していたとか、浦井アルフが泉見アルフ以上に遊ばれていたとかそんな話を伝え聞いております。この辺り、いずれ備忘録として聞いた話を書かせていただこうかと思います。
ということで前楽が自分のラストTdVとなったわけですが、日にちが経つ程に記憶も薄れてきた上、「私の今年のTdVが終わってしまった……」とかなり腑抜けになってきたため、なかなかまとまらず今日まで来てしまいましたが、今少しお付き合いください。
今回、伯爵と泉見アルフ以外で何を置いても書いておかねば、と思ったのは、知念サラのことです。
知念サラ、1幕での可愛らしさと、2幕でのアルフレートを小馬鹿にした態度とのギャップが激しくて面白かったです。最初は好奇心と茶目っ気に満ちた愛らしい少女なのに、2幕だと本当に高慢かつ思い上がった女になっていて。各場面での表情の変わり方にもメリハリがありました。
また、歌は、初日に観た時には、エポニーヌやキムで聴いた時より声の出し方は綺麗になっているけど声量はもうちょっとあった方が……という感じでしたが、今回はかなり声量もアップして良い印象になっていました。他の役で聴いた時のような、高音を出す時にがなり立てるような変な癖も出ていないし、初日と比べると良い具合に化けたなあ、あと1回ぐらいは知念サラでチケットを取っておくんだった、と少し悔やんでいます。
あ、知念サラ、ラストシーンでの血を吸った口元はさほど血まみれにはなっていませんでした。あれなら教授にご挨拶する時に口元を隠す必要もなさそうです。ちひろサラは掌で覆っておいた方がいいんじゃないかと心配したくなる程真っ赤になってましたが。
そのサラのパパ・シャガールは、1幕でレベッカの棍棒をまた白刃取りしようとしてましたが、フェイントをかけられて右の胴に一発決められてました。
ヘルベルトについても書いておきますと、1幕ではまた父上に噛み付き未遂した上、泉見アルフをどこ見てんだ目線でじっと眺めるものだから、客席の爆笑を呼びまくりでした。
2幕では浴槽の上手側に腰掛けて下手側の縁に長々と左足を伸ばし、もう片方の足を立て膝にして伸ばした左足とクロスさせるというポーズを撮っていました。あのポーズは一見簡単そうに見えますが、実は形を綺麗に見せるのは結構難しいのでは？と思うのですが。
ヘル＆アルフの掛け合いについては前の記事にも書いたので割愛します。
教授は主に対アルフでアドリブ出しまくりでしたが、それに飽き足らずついにクコール劇場に登場していました。
やけに高速で掃除を済ませたクコールの元に寝巻姿で歯ブラシをくわえて現れ、トイレの場所を訊き、対してクコールが1階、2階、地下1階、地下2階、と、劇城のトイレの場所を答えていました。
そして何故かオケピで用を足そうとする教授。あわてたクコールに、あちらは別世界ですから、と止められていました。また、一旦袖に下がろうとしたのをまた戻ってきてクコールに話しかけてて、ここまで（の段取り）しか打ち合わせしてないのに、お客さんおしっこ我慢してるんだから、などと言われてました(^_^;)。
そうそう、新上さんのダンスについてまだ書いてませんでした。やはりどこかに貴族の香りを漂わせている感じでした。ヴァンパイア伯爵の妖しさより優雅さの方を前面に出しているのだと思います。振り付けは森山さんと大きく変わる所がないのに、全く印象が違うのが本当に不思議です。
……感想と云うよりほぼメモですが、大体以上のような感じでした。泉見くんは明らかにいつもとは違う間を取り感情にオカズを添えて歌うアルフレートになっていましたが、他の方も心なしか数割り増しな情と勢いに溢れていて、素敵な時間をありがとう！と心から素直に言える前楽だったと思います。
もう、帝劇にクロロック城はなくて博多に行ってしまったんだなあ、と思うとかなり虚脱感がありますが、明日は池袋に違う演目を観に行く予定なので、そこで気持ちを切り替えてきます。
