日々記 観劇別館

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『エリザベート』感想(5/20)

ということで、予想はつけられていたかと思いますが、土曜日の夕方は『エリザベート』の某カード会社貸切公演を観賞してきました。

当日のキャスト:トート=山口祐一郎、フランツ=石川禅ゾフィー寿ひずる、少年ルドルフ=塩野魁土、ルドルフ=浦井健治

同じ俳優さんたちの日々の歌や演技の調子の微妙な違いをかぎわけることはまだできていません。例えばこの日は「私が踊る時」で山口さんの節回しが微妙に違っていた(作詞までは行かない)らしいんですが、その時には全く気づきませんでした。
 禅さんのフランツは今期初見。綜馬さんのフランツと比べると、母親の愛も皇帝の権力も、生まれた時からあって当たり前なものとして揺るぎなく受け止めてるイメージです。そのため、ちょっと情が薄いかな?と感じられるシーンもあり。例えば母親との決別で綜馬フランツが手にキスするのに禅フランツはしない、など。ただ、何でも手中に出来るのが当然だったのに、シシィの心の深い部分はついに理解できず思い通りにも出来ないという焦燥感は、より強く伝わってきたように思います。一方、綜馬フランツの方はシシィを理解しようという努力をしていても、皇帝という立場や母親が重石になって結局何も出来ないというイメージです。表面的な結果は一緒なのに、そこに至る過程の違いが透けて見えて面白かったです。
 寿さんのゾフィー太后は今期初観劇。元娘役の初風さんと異なり、男役の声色でドスのきいた重厚な歌声を聴かせて下さいます。所作も力強い印象で、寿ゾフィーなら人任せにしなくても自力でルドルフに剣術ぐらい仕込めそうな雰囲気でした。強さの中に時々感情の揺らぎを垣間見せる初風ゾフィーと、心をひたすら鉄に閉じこめる寿ゾフィー。表現は異なれど、最期に行き着く孤独が共通なのが感慨深かったです。

貸切公演日の目玉は、終演後のバックステージツアーやノベルティグッズ、サイン色紙、主演役者さんへの花束贈呈&記念撮影権等が当たる抽選会。これは当然のように外れましたが、記念撮影会を観るだけならできました。別に誰かさんが首にパネルをぶらさげたりノボリを持ったりすることもなく、とてもノーマルな内容だったのは意外。やはり一昨日からの婚約報道もあってあまり一路さんを道連れにおちゃらけたことはできないという配慮が働いたと思われます。
 そして主演お二人の舞台挨拶もあり。山口さんが普通に話し始めるだけで客席からくすくす笑いが起きるのは何故でしょう。絶対何かやらないわけがない、でも自粛?と思ってたら、やはり、
「○○カードの皆様におかれましては、2人の祝賀記念公演に…」
ととばしてくれました。そして一路さんが真面目なご挨拶でしめるといういつものパターン。

素晴らしい時間を過ごすことができた、と帰りの電車に乗ったところ、昼間出席していた発表会に参加していた連れ合いや職場の先輩方がぞろぞろと(^^;) 当然筆者の夕方の行状は丸わかりに。人生そんなものです。