日々記 観劇別館

観劇(主にミュージカル)の感想ブログです。はてなダイアリーから移行しました。

『ベガーズ・オペラ』観劇記

と言うわけで、日生劇場で公演中のミュージカル『ベガーズ・オペラ』を観劇してきました。筆者の本格的ミュージカル鑑賞はこれが3度目。そして日生劇場はお初です。

パンフを買って座席に向かおうとすると、ロビーに何か人だかりが。覗き込んだら、そこでは5月の『エリザベート』の予告映像が流れていました。こういう映像があるのに何故東宝さんはDVDを出さない?等の疑問を口にしつつ凝視してしまいました。映像化権の取得などややこしそうなステップがあるので、外野が考えるほど簡単ではないのでしょうけれど、いつか実現して欲しいものです、DVD化。

18世紀のロンドンの貧民街を舞台にした、乞食が書き乞食が演じる芝居が1日だけ老俳優の厚意により正式な劇場で上演されることになった―というのがこのミュージカルの設定です。演者と観客の境目があいまいだった当時の演劇に倣い、舞台上にも客席の一部が設置されて時に観客が演技に参加したり、演者が休憩時間に客席に降りて物乞いをしたりという楽しい趣向もいっぱい盛り込まれています。こういう遊びのあるお芝居というのを観たことがありませんでしたので、今回はひたすら目を見張るばかりでしたが、リピーターになればなるほど楽しめる内容だと思いました。

俳優さんについては、『エリザベート』で山口祐一郎さんとダブルキャストだった内野聖陽さんの演技を初めて観ました。役柄はメインの2人の女性と三角関係に陥るなど女性にもてまくりの追いはぎマクヒース。登場した瞬間、エリザでも定評があったという全身に行き渡る細やかな演技と上品な色気に惹きつけられました。内野さんで個人的に意外だったのは歌声です。山口さんの歌と比べるとどうも・・・という評判から、勝手に「内野さんの歌はジャイアン」と思いこんでおりましたが、ところが。張りのある良いお声ではありませんか。後でShelkさんとも話したのですが、数々の舞台をこなすうちに格段に上達されたということのようです。
 ちなみに歌声については高嶋兄こと高嶋政宏さんにも同じような印象を持ちました。この方は昨年エリザでも観てますが、何というか、安心して観られる悪党ぶりが良いです。

もう一人の主役、劇作家を演じた、Shelkさんお勧めの橋本さとしさんは、劇場の空気をつかみ左右するという重要な役を見事にこなしていらっしゃいました。
この方、『プロジェクトX』の後番組として今年1月からNHKで放映されている『プロフェッショナル』のナレーションも担当されているということでしたので、火曜日に見てみました。舞台と同様、滑舌の良い素敵なお声でした。
 あと、笹本玲奈ちゃん。プロフィール(http://www.horipro.co.jp/talent/PF043/)を見ると弱冠二十歳というのに、歌良し演技良しダンス良し。しかも可愛い。末恐ろしい娘さんです。帝劇でゲットしたレミゼ公演が彼女のエポニーヌ出演日に当たっているようなので今から楽しみ。

その他、島田歌穂さん、森公美子さん、村井国夫さんら実力派の方々の歌と演技も十二分に堪能することができました。モリクミさんは休憩時間に1階の観客の皆さんから食べ物プレゼントを受け付けたり、3幕で「千と千尋」の湯婆婆のような怪婆に変身したりと大活躍をされていました。テレビでもかいま見えていた通り芸達者な方です。

と言うわけで、楽しい観劇が終わり、降り続ける雪の中をまっすぐ帰宅したかというとそうではなく、その後友人とともに宝塚アンに寄ってエリザの感想同人誌を入手し、日比谷シャンテでおそばを食べ、さらに銀座で美味しいお弁当とパンを購入、と、普段とあまり変わらない行動を取っておりました。20時頃帰宅。この日はお弁当を食べ終えただけでもう余力がなかったです。ほとんど何もせずにすっかり泥のように眠ってしまいました。

ちなみに今日は雪が降ってからまる1週間。降った雪の4割方はまだわが家のアパートの庭などに残っています。しかも部分的にまとめて凍ってたり。そんなに日当たり不十分なのか?>うちのアパート(^^;)。