日々記 観劇別館

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『マディソン郡の橋』プレビュー初日感想(2幕編・軽いネタバレあり)(2018.2.24マチネ)

マディソン郡の橋』プレビュー初日感想初日、2幕目の感想です。(リンク:1幕目の感想

感想では、2幕の結末など核心に触れるネタバレは避けますが、どうしても細部に触れている箇所があります。また、プレビューと本公演では異なる部分が出てくると思われますので、ご注意ください。

1幕の最後で親密な関係になったロバートとフラニー。2幕の序盤は翌朝で「事後」なのですが、なぜかロバートはお着替え終了、上から下まできっちりと着込んでおりました。まあ、そこでパンツ一丁などになられていても、逆に「祐一郎さんどうしたんですかー!」という絶叫をこらえて心臓に悪そうですが(^_^;)。
とりあえずこの辺りのフラニーが恥じらいもまた艶っぽく、といった風情で綺麗でした。カマトトになってないよ、さすが妖怪涼風さんだよ!(しつこい)な心持ちで眺めていました。

そして、ロバートにコーヒーなど淹れてもらいながら語り合う2人の台詞の「声だけ」が流れる場面があるのですが、この場面が、本当に他愛ない会話なのに、姿が見えないというだけで何とも艶っぽくて、しかも声が山口さんと涼風さんの素敵な声ときているので、実に良かったです。もし歌以外の台詞も入ったCDなどが発売されたら(望み薄な気がしますが)、このパートの音源だけ延々と流して聴いていたいぐらいです。

この2人の過ごす時間というのはとても濃密で暖かく幸福に描かれていて、それだけに「終わりが来る」と知って観ているととても辛くなりますし、実際にその幕切れはとてももどかしくもあっけなく、切ないものでした。
もちろん、突発的事態も重なった流れとは言え、最終的に家族を選ぶフラニーだからこそロバートは愛したのですし、フラニーにとっても自分の家族は、諸々の苦しみの末にようやく手に入れたかけがえのない存在であるとロバートも(そして観客も)理解しているので、「こうするしかなかった」のだとは分かります。
また、ロバートが現れ、彼と短い間とはいえ身も心も分かり合えたからこそ、フラニーはこれまで歩んできた道とともに、自らが選んだその後の道も合わせ、丸ごと自らの人生を肯定することができて、それは本当に幸せなことだったとも思います。
ただ、なんかロバートが報われないなあ、とは感じました。ううむ、でも、物理的に離れていても、生涯ロバートの心にはフラニーが棲んでいただろうし、それはそれで良かったのでしょうか。複雑です。

というわけで休憩時間も含め約3時間の舞台が終演しました。
初日とは言えプレビューなのでカーテンコールでのキャスト挨拶などはないのかな? と思っていましたが、何と山口さんの仕切りでご挨拶が始まり、びっくりしました。
ご挨拶は禅さんと涼風さんから一言ずつ。
禅さんは、「涼風さんと5回目の結婚*1で一番幸せだったと思う。知らないということは幸せなことです」というようなことを仰っていました。
涼風さんは、「また、観にいらしてください」と仰っていたような気がします(細部ど忘れ)。
そして山口さんからは、「皆さんに笑っていただけたようでありがとうございます。皆さんとひとときを過ごせて幸せです」というコメントが。しまった、1幕で迷いつつ笑ってしまった(^_^;)。
山口さんの場合はコメントの内容よりも、カーテンコールで一人一人キャストの背中を前に押し出す、などの気遣いが印象的なのです。
というわけで、本番の舞台ががぜん楽しみになりました。チケットが意外に激戦なのと個人的事情で、2.5回ぐらいしか観られそうにないのですが、じっくり堪能したいと思います。

*1:エリザベート、M.A.、ロミジュリ、回転木馬は思いつきましたがあと1回が分かりませんでした。←補足。「今回で5回目」なので過去は4回で合ってましたね(^_^;)。