日々記 観劇別館

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『マディソン郡の橋』のロバートの声!

プレビュー公演初日の感想で書き忘れて、より正確にはうまく書き切れずに感想から落としてしまってもやもやしていたので、深夜ですが書きます。

山口さんのロバートの歌声を聴いて、
「そう、歌に、ドラマがある!」
と心の中で興奮して叫ばずにいられませんでした。
そして歌声だけでなく、地の台詞の声にも何とも言えない魅力があるのですね。
文章に思うようにまとめられないならいっそ箇条書きで出してしまえ! と思いましたので、以下、とにかく列挙してしまいます。

  • 初対面の女性とのピックアップトラックでのドライブでの、他人行儀を装いながらどこか浮き立つ気持ちへの戸惑いの色を見せる声。
  • 気になる女性の家のキッチンでことさら素っ頓狂に明るく振る舞ってみる声。
  • その女性に対して心を定め、シャワーを借りる時の今までとは違う声の響き。
  • 1幕終盤、運命の2人が身も心も融けあっていく段階での、甘いだけでなくコクのある男女の歌声。
  • 2幕序盤、彼女との幸福な一夜を過ごした翌朝、一足先に起きて彼女の寝顔を眺めた時の満ち足りた声の響き。
  • 姿が見えず声だけ聞こえる男女の地の会話の艶やかな響き。
  • つかの間二人きりで幸せなひとときを過ごす間のロバートの暖かに語る声。
  • バートが彼女を置いて先に家を去る時の、彼女を信じつつもどこか覚悟を決めたような声色。
  • 最後の別れの場面での幻想の抱擁。無言なのに聞こえるように感じられる2人の声。
  • 静かに待ち続け、宝物を守り続けた老いたロバートのアカペラ、スキャット(クラシックだとヴォカリーズと言うらしい)の優しくも切ない響き。
  • エンディングで老いた彼女に守護天使のように寄り添う、ただひたすら彼女の心と強く結びついた魂の歌声。

これでもまだとても、心にあふれる思いを書き切れた気がしません。
自分の書く力のなさ加減を呪いつつ、今日はひとまず、つかの間の睡眠を取ることにします。