日々記 観劇別館

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『レ・ミゼラブル』旧演出版(2011年)と新演出版(2013年)との変更点

レ・ミゼラブル』新演出版(2013年上演版)について、備忘録として旧演出版(2011年最終上演)との違いを書き出してみました。

注意点は次のとおりです。

  1. 話の展開のネタバレが思い切り含まれています。
  2. あくまで2011年上演版からの、自分が覚えている限りでの変更点、しかも1回しか観ていませんので、もしかしたら記憶違いや欠落があるかも知れません。
  3. 演技や歌い方に関係する事項は、キャスト独自のものではないと推測されるもののみ記しています。
  4. グランほど派手な動きをしていないアンサンブルさんの演技にも、旧演出との差異があるかも知れませんが、覚えていないので書いておりません。

また、リスト中の人名表記は次のとおりです。これまでのブログでは普通に使ってしまっていますが念のため。
バル=バルジャン ジャベ=ジャベール ファンテ=ファンテーヌ コゼ=コゼット マリ=マリウス エポ=エポニーヌ テナ=テナルディエ アンジョ=アンジョルラス グラン=グランテール ガブ=ガブローシュ

  • スクリーン映像の多用(例:序盤の船のマスト、馬車の事故、地下水路、ジャベ自殺, etc.)
  • 1812年 ツーロン」などの、各場面の舞台となる年代や地名の字幕表示が廃止
  • 盆がないのであらゆる場面での役者や大道具の動きが変更
  • 懲役場所が船。囚人バルの髪型が旧演出のぼさぼさ髪から坊主に近い短髪に。
  • 農場場面のモブに少女2人が登場(担当:リトルコゼ&リトルエポの子役)
  • バルがプティ・ジェルヴェ少年から小銭を奪う場面追加(ガブの子役)
  • 司教様の歌い方がハイトーン歌い上げではなく地声語り掛け系に。
  • バルが仮出獄許可証を破り捨てた後、「Le Miserable」のタイトル字幕が表示されるよう変更
  • バルの工場の工員達が作業机に向かい立ち働いている。
  • ラブリィ・レイディ達の立ち位置がセンターから上手寄りに変更
  • 法廷でバルの胸に焼き印あり。←旧演出でも焼き印があったとのご指摘をいただいたので削除します。すみません、少なくとも滝田バルには焼き印があったそうです。
  • リトルコゼのナンバー短縮(♪お人形もあるわ〜いじめたりしない までのフレーズがカット)
  • テナ夫妻のカモの1人が盲目の男性に変更。そして彼の愛鳥がソーセージに(泣)。
  • ガブの衣装が青ジャケットに変更。ガブ登場時の歌詞も微変更(フランス万歳とか言っていたような?)
  • パリの街のアジビラ配布学生がアンジョ&マリ以外にも1、2名追加
  • ジャベが「星よ」を歌う場所が街中から橋の上へ(2幕の自殺シーンとシンクロ)。ジャベに白いスポットが当たる。
  • ABCカフェの学生達ほとんどの衣装が変更
  • プリュメ街でマリ&コゼがデュエットの後、コゼの導きで一旦家の裏へ捌ける(旧演出では盆回しでテナ一味襲撃に場面転換)
  • 「ワン・デイ・モア」でコゼの居場所が屋敷の窓辺に変更(以前は地べた)。またバルが荷造りしながら銀の燭台、人形等思い出の品々を眺める場面も廃止
  • センターのマンホール廃止。これに伴い「ワン・デイ・モア」でのテナ夫妻の登場場所がマンホールから上手建屋の階上に変更
  • 旧演出最後期にあった2幕冒頭のスローモーション廃止
  • 男装のエポが、バルにマリの手紙を渡す場面で怪しまれたため帽子を取り、少女であることを明かす。
  • エポが「オン・マイ・オウン」の後駆け去らず、普通にバリケードに歩いて戻る。撃たれるのはバリケードを登る途中ではなくバリケード内での出来事に変更。
  • エポの負傷にマリの次に気づくのが2011年版ではグランだったが、ガブに変更。ガブが気づきグランに知らせる。エポの死後、ガブがグランにしがみついて泣く。
  • バルによるジャベ解放が旧演出のステージ上手側から下手側花道に変更。
  • ガブの銃弾集め演技がバリケードの反対側に変更(従って客席側からは集めている時の演技が見えない)。歌詞が旧演出初期バージョンに戻る。カバンはバリケードに戻る時上手側の学生に投げ渡す*1
  • ガブ射殺は地上からバリケードに戻る途中の出来事に変更。ガブの亡骸はグランが回収(映画版にも同様の場面あり)。
  • 最終攻撃で撃たれたアンジョはバリケードの向こうに身体ごと転落せず、膝から崩れ落ちるように消える。
  • 地下水路の入口がセンターのマンホールではなく上手のトンネルに変更。
  • ジャベ自殺時の捌け方が変更。旧演出では転がるなどして舞台奥へ引っ込んでいたが、水中で立ったまま照明効果で舞台奥へフェイドアウトする。
  • アンジョの亡骸はバリケードで逆さ吊り(旧演出)ではなく、手押しの台車で回収され、後から回収されたガブの亡骸とともに運び出される。
  • 学生達を追悼する女性達の状況が荷運びから喪服での祈りに変更
  • 「カフェ・ソング」のロケーションが、椅子とテーブルのない詳細不明の場所に変更。マリは立ったまま歌唱。また学生達の幻影にガブも混ざっている。
  • 「バルジャンの告白」のロケーションが室内から庭園に変更
  • バルの昇天を出迎える者達の1人として司教様が現れ、バルが一礼する。「民衆の歌(リプライズ)」は司教様も共に歌う。
  • カーテンコールでの舞台から客席への小さな花束投下が廃止

……取りあえず、気づいた所は以上です。また違う情報が分かったり思い出したりしたら適宜修正します。

*1:前記事コメントにてc_crefさんからの情報提供。