キャスト：
クロロック伯爵＝山口祐一郎 サラ＝高橋愛 アルフレート＝山崎育三郎 アブロンシウス教授＝石川禅 ヘルベルト＝馬場徹 シャガール＝コング桑田 レベッカ＝阿知波悟美 マグダ＝Jennifer クコール＝駒田一 ヴァンパイア・ダンサー＝新上裕也
2012年の帝劇TdV。幸運なことに初日を観ることができました。
以下、夜も遅くなってしまったので、ごくごく簡単な感想です。明日以降元気があれば、別記事で付け足すかも知れません。
帝国劇城の玄関では三銃士の時と同じ様に、特大シートポスターが。中に入ると天井からリー君のお仲間達が出迎えてくれました。ロビーには伯爵のサイン入りポスター。よく見るとサインのにこちゃん顔に牙が！
しかもロビーの職員さん達の頭には、あのコウモリカチューシャが装着。欲しい！と思いましたが、公式ブログによれば在庫なし、数量も限られているようで残念です。
舞台の演出は、伯爵の動きで1ヶ所だけ大きく変わった所がありますが、それほど大きい変更はなかったように思います。あ、伯爵のカツラの前髪が軽くリーゼント風になっていました。前はあんなに盛っていなかったような気がします。
ダンスも大きくは変わっていませんでした。TdVのダンスって意外と手足の動きはそんなに大きくなくて、ダンサーの脚さばきも実は結構細かかったりするんだな、というのは初演以降今回初めて感じた印象です。
伯爵は、1幕ではまだ初日の緊張が強かったようで、やや発声が固い感じがしました。
歌い方としては、ハイトーンボイスで朗々歌うというよりは、バリトンの艶っぽい歌い方で攻めていたと思います。今回ずっとこの路線で行くのか、初日のみになるのかは、まだ分かりません。
とにかく、「抑えがたい欲望」のドラマティックさがただ事ではありませんでした。決して単純に音楽として完結させることなく、様々な声色を使い、欲望への悔恨と肯定との間を激しく往来する１人芝居としての作り込みが深められていて、すっかり心を絡め取られ圧倒されてしまいました。これだから山口さんを観るのは止められません。
育三郎アルフ。サラに対してあまり「純な初恋」という感じがしませんでした。泉見アルフのように精神的には大人だけど純情バカでも、浦井アルフのように生まれたてのひな鳥のような純真無垢天然ボケキャラでもない、ごく普通に世間ずれ、女慣れした男の子。でも失敗して教授に怒られるとどかんと逆ギレしてしまう、とんでもなくお子ちゃまな性格も持ち合わせているという。
彼のソロ「サラへ」は、相変わらず声は良いし歌唱力もこれでもかと発揮していましたが、そんなわけで従来の天然可愛いアルフのイメージとは、少々異なっているという印象を受けました。
1ヶ所、育三郎アルフ、伯爵と息子の棺を暴く場面で、本来は息子の棺を開けて「息子が居ます！」と悲鳴を上げるべき所、「伯爵……息子！」と間違えて、その後慌てて「危ねぇっ！伯爵……息子がっ！」と流れを引き戻していました。
そうそう、同じ場面で時間は前後しますが、踊り場で腕の懸垂を披露して拍手をもらっていました。意外にも腕の筋力が強いんですね。
高橋サラ。製作発表のUstreamであまり高い声が出ていないようで、気にはなっていましたが、舞台でもやはり声量と高音域と台詞回しが少々残念でした。
今を去ること5年前、ちーちゃんサラも初演時は「うん？」な所はあったけどもっと高い声は出ていた気がします。でも舞踏会では、さりげなく優しく、しかしがっちりとサラをリードする伯爵をじっくりと堪能いたしました。それに対アルフでも、身長差故のジャンプしての××シーンで笑わせてくれましたので、今日はこれ以上文句は申しません。
馬場ヘル*1。先輩ヘルのような、強烈ないかがわしさが漂う妖艶さや、すらりと美しいダンサーの脚こそ持ってはいませんが、意外にも、チラシ写真を超える美青年ヘルに仕上がっていました。
2幕のお風呂シーンはTバックではなく、黒レースキャミソールをまとって登場していました。どういうわけかお風呂場には赤いテニスのラケットとボールが転がっていて、何故？と思いましたが、彼はテニミュの出身らしいと聞いて納得です。
アルフとのダンスはダンスというより格闘技風味のアクションになっていました。アルフを襲った後に教授に指十字架を突きつけられると、「これで許してぇ」と軽くキャミの裾をめくってお尻をチラリ（笑）。
指先まで妖艶さに包まれていた先輩ヘルの影はあまりに大きすぎますが、馬場くんには馬場くんのヘルを完成させて欲しい、と。心から願っております。
……今はとにかく眠くて、ここまで書くのがやっとです。今夜はこれにて失礼いたします。カーテンコール映像も公式サイトにアップされたようですが、明日見ます。あとは思い出したらまた。
