日々記 観劇別館

観劇(主にミュージカル)の感想ブログです。はてなダイアリーから移行しました。

『レ・ミゼラブル』感想(2011.4.17ソワレ)

キャスト:
ジャン・バルジャン山口祐一郎 ジャベール=石川禅 エポニーヌ=Jennifer ファンテーヌ=知念里奈 コゼット=中山エミリ マリウス=山崎育三郎 テナルディエ=三波豊和 テナルディエの妻=阿知波悟美 アンジョルラス=阿部よしつぐ リトルコゼット=清水詩音 リトルエポニーヌ=齊藤真尋 ガブローシュ=鈴木知憲

2日連続で帝劇へ行ってまいりました。今日は禅ジャベールを観るために。
禅ジャべにはどうもご縁が薄く*1、2007年以来の再会でした。
ええと、禅ジャべ、こんなに良い人感満載でしたっけ?というのが終演後の印象です。前に観た時にはもっと不気味さがあったような覚えがありますが、今回は「無愛想で何を考えているか分からないけれど、実は人情に篤い」ジャべだったと思います。どこか時代劇風味、と言ったら言い過ぎでしょうか。
あと、地下水道での禅ジャべは、何だか死に場所を求めているようにも見えました。バルジャンを仕留めるのではなく、返り討ちに遭い命を奪われるのを待っているようなイメージ。自分の正しさは信じて疑わないけれど、心の何処かで正しさを裏付けるための仮想敵を求めていて、それが嵩じてバルジャンに倒されることを望んだのかも、と思ったりして。

それから、今年3回目の山口バルジャン。本体がかなりほっそりとしてしまっている彼は、バルジャンが年齢を重ねるごとに衣装の下に何か肉を付けて貫禄を出していますが、プロローグの囚人姿の時は多分素の身体のままです。故に囚人服のズボンに身長の割には華奢な腰のラインが浮き出ていて、1人でどきどき……って、何処を観ているんでしょう、自分(^_^;)。
閑話休題。山口バル、昨日よりは若干冷静に役になっていたように思いました。冷静になり過ぎたのか、「独白」で「恐ろしい闇に叫ぶ/この胸の叫び声」と微作詞*2してましたが……。
それでも「彼を帰して」とエピローグでは鼻の下に光るものが(笑)。連日聴いてもやはり「彼を帰して」にはすっかり心を引き込まれてしまいます。そしてエピローグのコゼットを見つめる、相手を包み込むような慈愛に満ちた表情がまた良いのです(>▽<)。

本日初見のキャストは友憲ガブでした。何処か舌足らずな幼い台詞回しで、強かさよりは健気さ哀切さの要素が強いガブだったと思います。それでも、幼いながら声に力強さがあるのは流石です。

そして密かに懸念していたジェニエポ。実は、プレビュー初日を観て、回避したいエポになってしまうのではないか?と危惧していました。
しかし今回のジェニエポは、やさぐれと健気さのバランスが良くなっていました。「オン・マイ・オウン」もだいぶ洗練されていて、このエポならまた次も観てみたい、と思いました。

後、前回書いていなかった、気になった場面をいくつか。
阿知波マダム、宿屋でのバルジャン押さえ込みがパワーアップしています。モリクミマダムのように体重で押さえるのではなく、しっかり足技を掛けている技巧派(笑)。
それから知念ファンテ。16日も気になったのですが、「夢やぶれて」のクライマックスで軽くがなり立てるような声になっていました。ファンテの死の場面やエピローグでのファルセットなんて本当に綺麗なのだから、「夢〜」ももう少し柔らかい声で歌ってくれたら良いのに、とつい贅沢なことを願ってしまいます。
あと、山崎マリウスのカテコで投げる花束が、飛ぶ、飛ぶ!流石ピッチャー。残念ながら私のいたP列までは届きませんでしたが、N列辺りまでは余裕で届いていました。

というわけで、私の次のレミゼ観劇は少し空けて4月29日の予定です。今期初の今ジャベで観ます(^_^)。

*1:そもそもSPキャストと兼務だったり中抜けがあったりで、登板回数は少なめな筈。

*2:正解は「恐ろしい闇に響く」だった筈。叫び過ぎ(笑)。