前の記事の続きです。
一応山口ファンとしては、折角レミを観に行ったのだからバルジャンについていっぱい語るべきなのかも、とは思いますが、ついバルジャン以外、ジャベールらプリンシパルだけでなくアンサンブルの皆さんにも目が行ってしまい、気づくとあまりバルジャンについてきっちり目配りできていなかったりします。
山口さんは博多で少し位肉を付けてくるかと思ってたら細いままだったのでかえって心配しています。そりゃあのハードスケジュールじゃ当然だと思いますが。でも声は普通に出てましたし、コゼット回しも11回半回転してましたし、マリウスもしっかり肩に担いでました。
ストイックで温かい山口バルジャン、やっぱり好きです。ジャベールに対峙する時の迷いのない表情も、臨終の時コゼットに語りかける優しい表情も。ファンティーヌとエポニーヌに導かれ昇天する時の姿が本当神々しいのです。
初見のキャストでは、松原アンジョが意外に素敵でした。よく響いて色気もある歌声も良いし、程々鍛えられた身体も綺麗。
でも、死んでバリケードに逆さ吊りになっている時に上手く姿勢が取れなかったのか、顔と手足が真っ赤になって震えてました(^_^;)。あれは場数と修練が必要なポーズなのでしょうか。
小西マリウスは彫りが深い＆上背があるので山口さんと並ぶと見た目とても綺麗なんですが、歌い方がやや一本調子なのがかなり残念。流石に2年前『ライト・イン・ザ・ピアッツァ』で観た時よりはかなり上手くなっていましたが、もっと歌声に色々な色が欲しいと思いました。
新妻エポは、以前よりも力みがなくなり、強い思いを保ちながらも柔らかい歌い方に変わっていました。「オン・マイ・オウン」の夢を語る前半からマリウスへの思いを語る後半への歌い方と表情の変貌にちょっとぞくっときました。
駒田・森テナルディエ夫妻は、宿屋の取引で、まあ、お約束の遊びは入れてましたが、そんなに悪目立ちしない雰囲気で良かったです。慣れて気にならなくなっただけかも知れませんが(^_^;)。良い意味で、安定しているお二人でした。特に駒田さん。劇場の空気を自在に操れる名人のおひとりだと思います*1。
アンサンブルでは伊藤グランテールに安心感を覚えました。歌上手いし。マリウスに対するお兄ちゃん度高いし。光っていたのはフイイを演じた石井一彰さん。歌で引き付ける力が増したように見えました。2007年に観た時辛口のお客さんに「ダメ」呼ばわりされていましたが、そのお客さんに見せて上げたかったです。
今回のレミは全体にストイックさが増していて、それでいて2幕のバリケードではしっかり盛り上げて泣かせてくれるのが嬉しかったです。アンサンブルも2007年に比べると格段に聴けるようになりましたし。
そういえば金沢の時*2と比べてバリケードのサイズってどうだったっけ？と気をつけて観ていたのですが、あまり違いが分かりませんでした。でも、帝劇の大きい舞台で違和感がなかったということは、きっと帝劇サイズになっていたんだろう、と思いますが自信はありません。
思い出したので付け足し。
辛島コゼットを久々に観ましたが、2007年の時はどこかにあった「オバさん臭さ」が消えていました。パパを素直に慕っている雰囲気で良かったと思います。歌は言わずもがなで安定度高。
あとパンフレットは一応買ってしまいましたが、キャストコメント等は4月の金沢の時と全く同じでした。地方巡演の写真が入っているかは未チェックです。
