『篤姫』の本放送が終わった今、周回遅れどころではなく出遅れていますが、やっと昨日第48回を観ました。
あれだけ江戸攻め、徳川家打倒に拘っていた西郷が、あっさり翻意して無血開城に同意するいきさつをあらかじめ大河ムック本のあらすじで読んでいて、んなわけあるかーい!とやや斜めに見ていたのですが、実際にその場面を観るとだいぶ印象が違いました。天璋院の父上である斉彬=西郷のただ1人の「殿」から「御篤」に宛てた手紙を読んで、かつて殿から、
「病の者を見捨てるか、それとも助けるか?」
と問われて
「助ける」
と答えたことを思い出す、という展開だったのですね。
西郷は大軍を率いた将でもあるわけで、そう簡単に翻意しちゃって良かったの?という疑問が全く消えたわけではありません。でもまあ、勝さんの知略(侵略したら江戸に火を付けるぞ、とイギリス経由で圧力をかける、等)でもだいぶ追い詰められていた所に、大好きな殿が言わば時空を超えて登場したものだから、すっかりノックダウンさせられたんだろうな、と納得できるエピソードでした。
で、勝VS西郷のガチンコ勝負を見てる限りは西郷の方が随分若造に見えるのですが、実は史実だと勝さんと西郷って5歳しか違わなかったりするのでした(^_^;)。
そして、仏間で祈る天璋院の前に……上様キター!!!!
柔らかな金色の光に包まれながら、
「儂が残したいのは城でも家でもない、徳川の心じゃ」
「そちがいる所がすなわち徳川の城」
と妻に告げて去っていく家定の魂。「徳川の心」は天璋院が大奥一同に江戸城立ち退きを告げる時の決め台詞にもなっていて、この回の美味しいところは上様に全部持って行かれた気がしました。
あと、徳川家存続の条件として「江戸城退去」を呑んできた勝さんに言われて、「3日間だけ」と自分に告げた滝山の嘘を見抜く天璋院。ここで騙されたふりをするという態度を選ぶこともできたと思うんですが、そこで滝山を楽にしてあげて、自らの口で大奥一同に真実を告げ、皆の行く末を責任を持って引き受けることを選択していた所に、1年かけて見てきた「天璋院(篤姫)らしさ」を見出すことができたと思います。