日々記 観劇別館

観劇(主にミュージカル)の感想ブログです。はてなダイアリーから移行しました。

『篤姫』第44回

エリザ観劇で盛り上がってしまっていましたが、『篤姫』の感想も忘れないうちに書いておきます。
武力による討幕を主張する岩倉、大久保、そして西郷に違和感を覚える帯刀。龍馬に相談し、これ以上血を流さないための大政奉還の実現のお膳立てを図り、二条城で慶喜大政奉還の意義を言上、説得に成功します。
見事に歴史的な大仕事をやり遂げた帯刀は格好良かったんですが、大政奉還そのものは何だかあっさりと片付けられてしまった気がして、やや肩すかしを食らった気がしないでもありません。
大政奉還の立役者となった龍馬は世界の大海に船出する夢を帯刀に語りますが、その帯刀の帰国中に暗殺されてしまいます(T-T)。死に際に何かをつかもうとするかのごとくもがく手。瞳に滲む涙。あんなに「人生の途中」な感じで溢れている龍馬は今まであまり見たことがありませんでした。親友を失った帯刀の、無念さに満ちた地の底から響くような慟哭が何とも切なかったです。
一方、大政奉還の衝撃で自分を見失いかける天璋院でしたが、勝さんから龍馬と帯刀の大政奉還実現に込められた真意を聞かされたことで自分を取り戻し、大奥と幕府を守るために命を賭ける決意を大奥の皆の前で表明します。やっぱり戦う女は凛々しくて綺麗よね、とベタなことを考えながら見ていました。

ところでエリザを観に行く足で購入した『篤姫 完結編―NHK大河ドラマ・ストーリー』によれば、帯刀と天璋院は晩年にもう一度だけ再会することになるようです。帯刀の最晩年が30代半ば、というのが悲しいですが。
このムック、山口さんのコメントが演じた人物のベストシーンについての一言とあおいちゃんに対するメッセージの2ヶ所に載っていてお得です。久光様に関してあえて特定シーンを選ばず語るというのが何とも山口さんらしいなあ、と思いました。自分をひたすら「オジサン」呼ばわりしている所なんかも。