日々記 観劇別館

観劇(主にミュージカル)の感想ブログです。はてなダイアリーから移行しました。

『篤姫』第30回

今回の薩摩の動きは、散々薩摩藩のために裏で働いたのに、藩の保身の為に切り捨てられる月照と西郷がメインでした。月照を自らの手で処刑すること(永送り)を強要された西郷は、迷惑をかけまいと1人入水しようとする月照と道行きを共にするも1人だけ生還、その後奄美に流刑、という、史実とはいえどうにも救いのない展開です。
前藩主である父上が月照と西郷の刑を決めた後、2人の助命を嘆願する帯刀に顔をゆがめながら、
「……許せ、帯刀!」
と声を絞り出すようにして謝る忠教様。でも、父上がいなくても、忠教様は同じ決断をしなければいけなかったんじゃないの?と思うのですが。
長門裕之さん演じる父上がこれでもか、と徹底的に斉彬の遺した仕事を否定しまくり、
「そちは愚かな兄の轍を踏むでないぞ」
という発言までするのに対し、はい、と返事し黙認するだけの忠教様は、情けないと言えば情けないかも知れません。でも、ここで自分が反抗したら兄上の志を継ぐ者がいなくなってしまうから、黙って耐えたんでしょうね。父上が月照達の刑を告げる場面で、忠教様の黙って斜め下を向いている顔にほんのりと暗い影が落ちていて、恐ろしく綺麗でした。

天璋院が、義理の息子にして新将軍の家茂から「母上様」と呼ばれるエピソード。よりにもよって家定が口にしたのと同じ「家族」という重要なキーワードで義母を落として泣かせるとは、家茂、何て人妻キラー(笑)、と思いました。
それから、とうとう幾島が暇を願い出てしまいました。天璋院の目からはまた涙が。今までのいきさつを考えると仕方がないのですが、ゆく人あればくる人あり、という感じで天璋院を取り巻く人々の世代交代はちと寂しいです。