日々記 観劇別館

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『マリー・アントワネット』オリジナルブレーメンキャストCD

先月、友人に便乗して海外通販で購入してもらいました*1。物はこちら
まずはブックレットの写真からチェック。マルグリットは金髪なだけで、貧民衣装も含めて雰囲気は日本公演とほぼ一緒。マリーは歴史上実在した人物で、ビジュアルイメージも固定されているし、まあ、日本でもドイツでもこんなものかな、と思いました。
カリオストロは、黒のベルベットの膝丈辺りまである上衣をまとって両手を大きく広げ(ちょっとだけ山口さんの熱唱ポーズに似ているかも(^o^))、いかにもトリックスターなポーズを取った男性の写真があったので、多分これだろうと推測。
ブレーメンキャストのカリオストロはイーサン・フリーマン。ウィーン初演『エリザベート』のルキーニだったということで、いかにも高笑いしながら毒たっぷりに世界をかき回してそう。日本の山口カリオストロとはかなりキャラが違うようにお見受けしました。

あと、ごつくてかなり厚みのある軍服の男性の写真が載ってましたが……もしやあれがフェルセン!?上背もあってかなりどすこいな感じで、日本初演でフェルセンだった井上くん(言わずと知れた王子様系でかなりの細身)のファンが見たら卒倒するんじゃないかと一人で心配しています。凱旋キャストの今さんも筋肉質で軍服の似合う身体ではあったけれど、あそこまで逞し過ぎなかったかと。
実は日本人のフェルセンに抱くイメージがどこか間違っているのかも知れません。

次に、肝心のCDの中身について。iPodに録り、通勤のマイカー車内で試聴したところ、いきなりカリオストロの“Illusion”が1曲目から流れてびっくり。確か日本では2幕の途中で歌われていたと思いますが、もしかしてカリオストロブレーメン版では初っ端からこれを歌って登場したりします?
意外と気に入ったのは、『私こそがふさわしい』のオルレアン公の歌声。朗々と澄んだ美声で聴いていて気持ちが良いです。
日本版M.A.には重い記憶が少なからず心に横たわっているのだけれど、帝劇凱旋公演でオルレアン公を演じた鈴木綜馬さんの朗々たる美声とケレン味のある演技をウォッチすることと、それから山口さんの技巧をたっぷりこらした“Illusion”を堪能することとが毎回の楽しみでした*2
そう言えば、12曲目にフェルセンとマルグリットが歌っている“Jenseits aller schmerzen”*3。曲順からするとエンディングで歌われるらしく、“Blind vom licht der vielen kerzen”(100万のキャンドル)*4と同じメロディでとても気になる曲なのですが、日本版で聴いた記憶がございません。ギロチンで処刑した後で♪自由〜 と大合唱されるより100万倍素敵だと思うのですが。

こうしてCDで聴いてみると、M.A.はメロディの美しい曲が多く、日本でこのまま封印されるのはもったいないような気がします。でも、ブレーメンキャストCDはハイライトライブ盤で、Disc1枚分しかないから良いのかな?と一方で思ってもみたり。
封印を解くにはもう少し時間が必要かも知れません。

*1:あ、まだお金払ってない……。

*2:今さんの大人の色気満載のフェルセンも好きでしたが、ブレーメンのフェルセンに思い入れできなさそうなので今回は横に置きます。

*3:直訳すると『傷つくすべてを越えて』らしいです(エキサイト翻訳使用)。

*4:同じエキサイトで訳したら「やみくもに多くのロウソクの光から」と出てきて半笑い。