日々記 観劇別館

観劇(主にミュージカル)の感想ブログです。はてなダイアリーから移行しました。

ライブ「SHOGO HAMADA ON THE ROAD 2011 The Last Weekend」感想(2011.5.22夜)

普段は舞台関係の話ばかりですが、たまには音楽関係のことも書いておきます。

公演から既に2週間が経とうとしていますが、5月22日の夜、雨がそぼ降る中、連れ合いとともに浜田省吾さんの「ON THE ROAD 2011」ツアー、横浜アリーナ公演に行ってまいりました。

省吾さんのライブを聴きに行くのは多分5年ぶりぐらいでしたが、ライブの時点で満58歳(1952年12月29日生まれ)とはとても信じられないステージアクションと、あの男臭さと切なさ、繊細さを同時に兼ね備えた変わらない歌声をたっぷりと披露してくださいました。
その若さと言ったら、ある曲では、若手アーティストがよくやる「タオル回し」ならぬ「コート回し」なんてのもやってらして、びっくりした位です。

現在まだツアー中なので全30曲のセットリストは以下に白文字反転で置いておきます。

  1. ON THE ROAD
  2. この夜に乾杯
  3. HELLO ROCK & ROLL CITY
  4. 恋は魔法さ
  5. さよならゲーム
  6. 悲しみは雪のように
  7. My old 50's Guitar
  8. MONEY
  9. 涙あふれて
  10. 君に会うまでは
  11. あれから二人
  12. 君が人生の時
  13. BLOOD LINE(インストゥルメンタル
  14. 我が心のマリア(インストゥルメンタル
  15. A NEW STYLE WAR
  16. 裸の王達
  17. 詩人の鐘
  18. Theme of Fathers's Son(遥かなる我家)
  19. RISING SUN
  20. J.BOY
  21. 僕と彼女と週末に
  22. 愛の世代の前に

センターステージ

  1. 光と影の季節
  2. 終りなき疾走
  3. 君がいるところがMy sweet home
  4. I am a father
  5. ラストショー
  6. ラストダンス
  7. 家路

アンコール(メインステージ)

  1. 日はまた昇る

ネットで他の日のセットリストを見た感じでは、基本はそんなに変わっていないのかな?と思いきや、横アリ1日目では5曲目、9〜11曲目の構成が違っていたようです。

で、私はコアなファンではないので細かいことを書くのは難しいんですが、ぽつぽつと感想というか思いみたいなものを、以下綴ります。

初っ端、1〜5曲目はひたすら元気に突っ走っていく感じ。6〜7曲目でちょっと一息ついて、8曲目でまた盛り上げて、9〜11曲目でしっとりメロディアスに、と、走りっぱなしではなく緩急のある構成が、もう若くない人の多い聴衆には嬉しいです。
12〜14曲目で通常のバンド構成のほかに、サウンド&ステージプロデューサーの星勝さんがコンダクターとなって、ホーンセクションとストリングスが入りました。13〜14曲目がインストだったのですが、皆その時間トイレに行く行く(笑)。シンガーとしてだけではなく、メロディメーカーとしての省吾さんの力が素晴らしい物であると改めて実感いたしました。

15〜22曲目。戦闘、山焼き(森林火災?)、干ばつ、阪神大震災等のハードなイメージ映像と省吾さんのエネルギッシュな歌声で、ひたすら心をぐらぐらと揺さぶられておりました。
以下、あくまで私の主観ですが、こんな問いを突き付けられたような思いです。

人間は生きる為に森を伐り、発電し、地球上の様々な物を消費している。このライブも電気が使えなければ成立しない。
ではそんなライブを開いている俺達は一体何だ?そしてそのライブを聴きに来ている君達は一体何だ?
Nuclear Powerはひび割れ、雨に溶け風に乗り、海にも溶け出している。しかも我が家や愛する者を失い苦しんでいる者が大勢存在する。君達の中にも、この非常事態に傷つき苦しんでいる者が大勢いるだろう。
生きるほどに矛盾をまき散らしている人間として、この国で、俺達は、君達は、どう生きる?

終盤の7曲ほどはセンターステージでの演奏でした。自分の座席(2階スタンド席)からは、メインステージへの距離とセンターステージへのそれは、実際の所さほど変わりなかったと思うのですが、円形のセンターステージだとやや心理的に距離が近い気がしたのは不思議です。

ラストは再びメインステージ。ライブの締めにふさわしい、じっくりと聴かせてくれる1曲でした。

最後に、15〜22曲目で突き付けられた「問い」について。
省吾さんご本人もMCで仰っていたとおり、ライブという場はつかの間の非日常です(と言っても、日常と密接に繋がったテーマを持つややハードな内容でしたが)。
非日常であるライブが終わったら、聴衆が再び戻るべき場所は、矛盾に満ちた日常です。
今回のライブでは、何だかんだで、再びその日常の中で生き抜いていくための心の糧は、しっかり手に入れることができたと感じています。

何でも震災のせいにしてはいけませんが、あれ以降の数ヶ月間、どうにも崩れがちな心のバランスとひっそり戦い続けている自分に取って、今回のライブは、普段舞台を観ることと同じくらい、大事なライブとなりました。