日々記 観劇別館

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三大ミュージカルプリンスコンサート“StarS”感想(2013.5.9 19:00開演)

出演:
井上芳雄 浦井健治 山崎育三郎

若手イケメンミュージカル俳優として有名なあの3人によるユニット“StarS”の初コンサートに行ってまいりました。
以下、例により、軽くネタバレありの感想です。ちょっと厳しいことも書いているので甘々な愛に満ちたファンの方はUターン推奨。

公演会場は渋谷の東急シアターオーブ。前に新感線の公演で3階席が当たった時は、ちょうど目線の位置にかぶる金属手すりの邪魔さ加減に悩まされたものですが*1、今回は2階席のやや前方だったのでそんなことはありませんでした。劇場の音響については後から書きます。
ロビーでは、パンフ(2,000円は少々高いかも)と、前日のコンサートに行かれた方のレポートで、3人からサイリウムが推奨されていたというのを読んでいたので、オフィシャルロゴ入りのサイリウム(300円)を購入。

総合的な感想としては、大変に楽しかったです。
2曲ほどオリジナル曲を歌った後に最初のご挨拶とトークコーナーがありました。最近J-POPのライブに行ったのがPerfumeの武道館ライブということもあり、三大王子が「よしくんです」「けんちゃんです」「いっくんです」「3人合わせて、StarSです!よろしくお願いしまーす!」とか挨拶したらどうしよう、と1人でどきどきしていましたが、全くそんなことはなく(当たり前)*2
その最初のトークコーナーで、王子達から、サイリウム光らせ許可あり。自分のサイリウムの色は蛍光白に少し青が混じった幻想的な色でした。1階席を見おろすと、赤やら青やらオレンジやら、色とりどりのサイリウムが。その時は綺麗だなあ、華やかだなあ、と単純に見とれてましたが、よく考えると一人ずつテーマカラーをきちんと決めるか、会場で販売している蛍光白系に統一するかすればもっと綺麗だったと思います。
余談ながらPerfumeのライブの場合は「演出の都合*3によりサイリウム禁止」がアナウンスされています。実際、レーザーや大型ビジョン、プロジェクションマッピング映像を多用した色彩豊かな演出な上、客席にも激しい振付が求められるので、サイリウムは全く必要がありませんでした。

トークコーナーでは、いつもの黒系キャラを程良く封印してお兄ちゃんぶりを発揮してツッコミに励む長男・井上王子。語らせておくとどこまでも闇ならぬ天然が広がり続けて止まらない次男・浦井王子。そして時々オカンのごとく茶々を入れる三男・育王子。もう、トリオ漫才状態に笑いが止まりませんでした。

私的には、浦井王子のトークに笑わせられっぱなしでした。
例えば、当日、3人とも最初の衣装の生地が、サイズの異なるスパンコールが散りばめられた(?)銀ラメだったのですが、銀のウロコが最も細かく上品に光っていた井上王子の衣装に対する浦井王子のコメントは、
「プリンスらしくて、お魚みたいな……」
だったわけで(そして井上王子にオイ!と突っ込まれる(^_^;))。
多分、素で「お魚のウロコってキラキラしてて綺麗」と思った結果の産物なんでしょうね。そう思うとなお面白おかしく、そして愛しいのです(^_^)。

浦井王子の内面世界の引き出しには、繊細で豊かな感性と童心がぎっしり詰まっているのだと思います。でもそれらを人間の言葉に具現化した瞬間に、何故か観客は微笑みと癒しに満ちた不思議な異世界に連れ出されます。例えば、ラスト近くで発された、
「この オーブという てんきゅうの ドームに きゃくせきの みなさんという ちじょうのほしの ひとつひとつの ひかりがあつまって おおきなひかりになって かがやいている」*4
という同じ台詞を他の2人が口にしても、あんなにほんわかとした笑いとなごみは呼び覚まされないような気がします*5
「みなさんに そだて はぐくまれ」
も同様。浦井王子には決してMCなどがある単独コンサートを演らせてはいけない、と強く思ったひとときでした。

衣装についてはお召し替えが3回か4回はあったと思います。
ツッコミ所は、少々色っぽい夜の雰囲気なナンバーでの井上王子のショートパンツに網タイツ。あれはどの層を狙っていたんでしょうか(^_^;)。井上王子は
「この網タイツ、動くと少しずつぴぴって破れちゃうんですよー」
としっかりトークネタにしてたので、まあ、いいんですが。
かと言って他の2人が似合うかと言うと、そこは(略)。取りあえず、浦井王子のダボシャツチンピラスタイルが激しく似合わなかったのでw、あの衣装のままだったらどうしよう、と本気で悩んでいましたが、次の曲ではきちんとした格好になっていたので安心した次第です。
なお、フォローして置きますと、井上王子のショーパンスタイルで歌った曲そのものは非常に良かったです。あとこれは最初の銀魚衣装でしたが、「最後のダンス」での表情や歌い方が実に艶めかしくて引き込まれました。所作や見得の切り方はどこか宝塚トート風でしたがw。

音楽面での感想ですが……3分の1はオリジナル曲だったからか、どこでノって、どこで手拍子して良いのか、時々戸惑っておりました。
前半に王子達の出演作メドレーや、「時が来た」や「Defying Gravity」などのミュージカルナンバーももちろんありましたが、全体に、中途半端にアイドル演出されてる感じが否めなかったです。
あるいは、まだ客層を探って、どちらの方向に進めるかの戦略を練り練りしている最中なのかも知れません。レディー・ガガのナンバーを歌ったかと思えば、S&Gのナンバーも歌ってみたりと、あまり統一感がなかったので(^_^;)。
王子達のミュージカルで鍛えられた声をポップなノリで異種格闘技風に売るのか、それとも声を美しい音色の楽器として重奏の美しさを売るのか?かつて山崎王子が在籍していたこともあるESCOLTA等との棲み分けも要るでしょうし、意外と戦略が難しいかも知れない、と後からつらつらと考えています。まあでも「目標は紅白歌合戦」らしいので、頑張っていただきたいです。
あと、オーブの音響についてはこれまで、1階席だったり、新感線のヘヴィメタ音楽だったりでそれほど気にならなかったのですが、今回はむやみに引っかかりました。低音はくぐもるわ、かと言って高音は響かないわで。あの浦井王子の歌声が綺麗に立体的に響かないのだからこれは余程だな、と。

ちなみにアルバムCDは会場では購入しておりません。会場で買っても「オリコンデイリーチャート」には反映されないらしいので*6。一応、一部弥生時代が残されている北関東の辺境の地でCDを軽く探してみましたが、まだ伝来していないようです。
なお、アルバムはiTunesでも1曲単位で購入できるようですが、まだ購入は躊躇っています。音盤がないと嫌、というわけではなく、圧縮された音源データで彼らの声を聴くのは勿体ないなあ、というのがその理由。まあ、所詮は音痴な耳なので、CDと圧縮音源の聞き分けができるかというと、決してそんなことはないのですが(^_^;)。

以上、コンサート感想でした。
おお、そう言えば、アースのCMも動画サイトで見られるのは存じていますが、どこかで綺麗な映像を確保せねば!

*1:何とかならないのでしょうか、あの障害物。

*2:でも内緒ですが踊りはPerfumeの方がびしっと綺麗に揃っている気がする(ぼそ)。

*3:この言葉は帝劇の某演目のせいですっかり(笑)あるいは(泣)な用語となりましたが。

*4:台詞はうろ覚え。ひらがなに深い意味はありません

*5:後日の別公演レポートを見ると「ほしが がみたいに あつまって」など更に凄い台詞に進化した模様です。

*6:これ、コンサート初日と2日目には発表していたようです。2日目に発表された順位は6位でした。