日々記 観劇別館

観劇(主にミュージカル)の感想ブログです。はてなダイアリーから移行しました。

『モーツァルト!』感想(2007/12/16ソワレ)

ヴォルフガング・モーツァルト中川晃教 コンスタンツェ=hiro ナンネール=高橋由美子 ヴァルトシュテッテン男爵夫人=涼風真世 コロレド大司教山口祐一郎 レオポルト市村正親 セシリア・ウェーバー阿知波悟美 アルコ伯爵=武岡淳一 エマヌエル・シカネーダー=吉野圭吾 アマデ=田澤有里朱

本日2週間ぶりにM!を鑑賞してきました。風邪気味でゲホゲホして、風邪薬の副作用で眠かった上、2泊3日の都内小旅行の帰路でややくたびれていたこともあって、あまりきちんと集中して観ることが出来ずじまいでしたので、覚えている限りで書かせていただきます。
先々週、井上・中川両ヴォルフを観る機会がありましたが、ヴォルフはやはり中川くんの方が好みかも。井上ヴォルフも、天才性を抜きにした等身大の人間としてのヴォルフの苦悩を表現していて良いのだけど、魂を弾けさせて火花を散らすようにシャウトする中川ヴォルフを見ていると、最期に家族の愛は失ったけれど、才能に引きずられない自分を手に入れた時の充実度は後者の方が高い様に見受けられます。「才能に引きずられない自分」とは書いたけど、でも一方で、神の国へは迎え入れられずともアマデ(=才能)と一つになって死ねることを喜んでいるようにも見えるのはどうしてなんでしょう。
12月6日から登板されている涼風さんの男爵夫人は初見。香寿さんの夫人しか見たことがないけど、包容力、そして余裕と貫禄のある色気は香寿さんの方に一日の長があるように見える一方で、涼風さんは声も姿も凛としていて、これはこれで夫人として十分ありだと思いました。
hiroコンスはまだ深みは足りないけれどだいぶ良くなっていたように思います。声はややお疲れな感じでしたが、ヴォルフとの心の交流が自分の思い通りにならず苛立つ様子が伝わってきました。もう少し大人っぽい屈折が加わると良いのだけれど。
吉野さんはもう安定していて言うことがないですね。体調が悪い時にはシカネーダーのエンタテインメント精神満載な場面が心の栄養になります。

さて、本日の猊下ですが、馬車のシーンでは「寒いから…」とつぶやき、喘ぎながらご不浄に向かっていました。
ヴォルフとの決別シーンで、「こいつを叩き出せ蹴飛ばしてな!」と叫んだ後、心配そうに、恐らくはまた謝って戻ってくれはしまいかと期待して、じいっとヴォルフを見遣っているのが好きです。前に見た時は中川くんに手に接吻された後でその手をじっと見つめてましたが、今回は接吻してヴォルフが壇を下りた後に客席に背を向け気味にして手を眺めているようでした。この辺は自信がないので来週のマイラストM!の時にまた確かめることにします。