日々記 観劇別館

観劇(主にミュージカル)の感想ブログです。はてなダイアリーから移行しました。

ミュージカルに嵌ったと言っても

実はそんなに大きいこだわりはなかったりします。しかもジャパニーズ・ミュージカルの伝統と役者層の厚さを誇る劇団四季の舞台は子供ミュージカルしか観たことがないというていたらく。海外からの来日公演を観た経験もありません。

昔から耳は鈍感でした。小・中学校を通じて音楽の成績は平均かそれ以下。エレクトーンを習っていたのでかろうじて楽譜は読めましたし、また、運動会での行進に憧れて鼓笛隊に入ったりしてはいましたが、基本的に実技はアウト。エレクトーンは上達しないまま最後は先生を拒否して怒らせて辞めてそれきりです。
また、ダンスについては知識ゼロ。バレエマンガすら読んだことがありません。ましてや実技など、と言う状態です。腰にちょっとした既往症があるため今後実践するのも多分難しいでしょう。

それなのに何で30代も後半を迎えて今さら嵌ったのか、自分でもよく分かりません。
あえて理由を追及するなら、実質的な初ミュージカルでいきなり山口祐一郎さんの美声を聴いてしまったというのも大きいですが、生の舞台独特の場面転換とか、役者さん達の演技や歌から生み出される、劇場独特の空気といった物に惹かれたのかも知れません。そうした空間と聴覚及び視覚を揺さぶり満足する物(音楽とダンス)との相乗効果により醸成される美酒を味わいたいのだと思います、きっと。

……とか言いつつ、本質はかなりミーハー心に駆り立てられていたりもします。例えば『エリザベート』なら、もちろん曲も大好きなのですが、トート閣下の『最後のダンス』熱唱やら皇太子ルドルフへの死のキスやらの見せ場はしっかりオペラグラスで捕捉する、等。揚げ句の果てはトート閣下が登場するごとにお顔の周りに他の人物とは違う光のもやが見えたりもしていました(痛いのは承知してます)。

ということで、ミュージカルに対するこだわりはありませんが、こうして見ると自分の「好き」にも色々な要素が含まれていたんだな、としみじみ。こうして今日もまたチケット確保に励み、劇場に通うのです。