日々記 観劇別館

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『My Story―素敵な仲間たち―』感想(2020.09.18 13:00開演)

本年8月27日、「ミュージカルの帝王と仲間たちが繰り広げる、予測不能スペシャル・トークショー」が9月17~18日に開催されることが東宝から発表されました。しかも全回Streaming+配信あり。

本業のスケジュール上、17日夜の部は配信でも見るのが難しそうでしたが、それ以外は何とかなりそうと判断。結局18日昼の部の帝劇チケットが取れたため、2月19日に日生劇場に出向いて以来、7ヶ月ぶりに東京へ行ってきました。ちなみに帝劇はなんと昨年11月27日のTdV東京楽以来、ほぼ10ヶ月ぶりとなります。

配信では9月17日昼、9月18日夜も視聴していますが、取り急ぎ劇場に直接参加した18日昼のレポート+感想を落としておきます。

18日昼の部の祐一郎さんは、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(BTTF)のテーマ曲に乗せて、舞台上方から本イベント公式のピーチ色のTシャツにジーンズで登場。アッキーこと中川さんは白い公式Tシャツで登場しました。

トークショートークタイム10分×7本勝負。一応質問用台本と、本番中に紹介する音源や映像・写真が定められており、各トークタイムの終了時刻が近づくと黄色いランプが点灯→点滅→赤ランプが点灯し、強制的に盆回しで椅子とテーブルのセットが入れ替わるという、帝劇の舞台設備を無駄遣い……ではなく有効活用した構成になっていました。この構成は一応全4回共通ですが、本日の祐一郎+アッキーの担当回では質問用台本が9割方無視され、ほぼフリートーク状態と化していました。

以下、順不同ですが、覚えている限りのトークの概要になります。音楽の先生の件や博多・札幌のどちらが好きか? の件など、別の回でも共通で触れられていたネタもいくつか含まれています。

  • Tシャツの裾を全部外に出している祐一郎さんと、お腹側だけ裾をしまって(「お腹が冷えるからね」とのジョーク付き)おしゃれに着こなしている中川さん。祐一郎さんの子供の時は裾を出さずにしまっておけ、と言われていた。
  • 今回も含め、公演前には必ずPCR検査を受けさせられている。PCR検査のために「よだれ」(唾液)を出す必要があるので、検査室には唾液が出やすくなるようレモンや梅干しの写真が貼ってある。祐一郎さんは検査に梅干しの現物を持参していたが、今日、中川さんからもっと良い方法がある、と教えられた。その方法とは「家を出る時から口の中によだれを溜めておく」。
  • 帝劇JBコンの舞台稽古後に陽性者が出たとスタッフから告げられ、明日はお風呂にでも入るしかないか、と思っていたら「配信やります!」という連絡がきて、無観客でやることになった。やはりこうしてお客様の反応があるのは良い。
  • 帝劇で11月に上演予定の『ビューティフル』。キスシーンがあるが、変わるかも知れない。でも中川さんはスイッチが入ると止まらなくなる。祐一郎さんも同じ。
  • 昨日の回でも映し出されていた、ヘアスプレーのママの型どり映像。「これいじめですか?」と中川さん。どんどんすごいことになる祐一郎さんのさまに対して中川さん「うわーっ」「ああっ」と素でリアクション。これをやってもらっている間は、耳に型どり材の音が響く。乾くのに一時間かかった、と祐一郎さん。
  • 祐一郎さんはこういう型どりをするのはこれで3回目だった(オペラ座の怪人とヘアスプレーと、あとは何だろう?(追記:恐らく幻の『美女と野獣』と思われます。))。昔は石膏で型どりしたので、まつげが剥がれてなくなってしまった。まつげがなくなると、お風呂で頭を洗う時にシャンプーが目に入ることを、その際に知った。
  • 場面転換の盆回しで時々即興でスキャットする中川さん(面白い!)。
  • JBで中川さんとフランキー・ヴァリ氏(本物)のツーショット。2人の背格好が似ている。ヴァリ役はあまり身長の高くない役者が演じるよう指定されている。東宝の方はぜひヴァリさんの役は中川にやってほしい、と言ってくれたが、役を演じるにはヴァリさんご本人に認めてもらわないといけないので、急遽オーディションで彼の曲を6曲続けて歌うことになり大変だった。しかしその結果、30代の代表作と言えるものができた。
  • このトークを受けて祐一郎さん、とある劇団にいらしたお若い頃(フォーシーズンズ! と中川さんからフォローあり)、先輩からお前が元気に演じているのが嬉しい、と言われたが、今になりその気持ちが分かる、とコメント。
  • 学生時代に「身の丈六尺は物の怪なり」と習い、自分のことか、と思い、そう言えば畳なども大体六尺以下の寸法で作られている、と理解した祐一郎さん。そして「物の怪」という言葉がぴんとこなかったらしく「もののけ姫?」とボケてみる中川さん。 ※どのタイミングでの会話か失念。ヴァリ役者の身長要件の話の辺り?
  • 中川さんの初帝劇は小学生の頃祖母や母と観た『ミス・サイゴン』だった。
  • 祐一郎さん、男子校の中学生の頃、学校唯一の女性の先生だった音楽の先生をクラスの皆でからかったら先生が教室から飛び出してしまい、剣道と柔道の先生に怒られ、皆で謝った。結局その先生は辞めてしまい、以降女性の先生がくることはなかった。
  • 札幌と博多のどちらが好き? という質問について。祐一郎さんは両方好き。なぜならラーメンがおいしいから。中川さんは札幌には公演ではご縁がない。
  • 祐一郎さんが札幌に公演で滞在中の冬、記録的な1日2.4mの大雪が降った。朝、劇団で宿舎として借り上げていたマンションから駐車場を眺めて「車がない」と思ったら、所々膨らみがあり、車が埋もれていた。これは公演はないと思っていたが、「上演する」との連絡があり驚いた。道路には雪がなく、除雪された雪が道の脇に高く積もっており、その上にバス停が載せられていた。そこに登ってバスを待ち、入ってくるバスの天井が見えた。バスは遅れたが無事会場入りできた。
  • 中川さんはファンクラブのトラベリング(ファンの集い的な親睦ツアー?)で釧路に行った時、タンチョウの親子が車の助手席側に見えて、目があったことがある。客席に「タンチョウと目があったことがある人ー?」と尋ねると1、2名から拍手。ファンクラブの旅行で後ろの車にいた人? と祐一郎さんが問いかけるもそれには反応なし。
  • 祐一郎さんと中川さんの「闇が広がる」デュエットの貴重な音源(クリコレ)。中川さんの声に包まれるのは気持ちいい、と祐一郎さん。感慨深げな中川さん。
  • 中川さんの代表作舞台写真は『SHIROH』、『M!』、『ビューティフル』、『ジャージー・ボーイズ』。主人公シローの磔刑など『ジーザス・クライスト・スーパースター』へのリスペクトが見られる『SHIROH』について、「ジーザス、祐さんと一緒!」との中川さんからのコメントあり。『SHIROH』では磔後にシローがアカペラソロで歌い始め、続けてコーラス、その後にオケの演奏が加わるという流れがあり、結構苦慮した模様。
  • M!の舞台写真。猊下のマントは元々八畳だったが動けないことが分かったので六畳に変更してもらった。中川さん、デビューのM!では本当に自由にやらせてもらい、祐一郎さんに大きな胸で受け止めてもらえてありがたかった、と中川さん。
  • M!のラストシーンについて。芝居が終わって劇場を出た時のお客の表情は大事、とジロドゥが言っているが、それを踏まえるとあのヴォルフとアマデの結末は観客にとってつらいものなので、変更すべきとの議論もあった、と祐一郎さん。 ※初めて知りました……。
  • 祐一郎さんの話。四谷第三小学校の頃、友人に囲碁の木谷先生のお弟子さんがいたが、他の子供と一緒に遊ぼうともせずひたすら囲碁の勉強に励み、のちに名人にまでなった。また、クンツェさんとリーヴァイさんは、かつてサラエボオリンピックが仲良く開催されたのに内戦がユーゴに起きてしまった頃、アメリカで作っていたポップスに見切りをつけてミュージカルを作り始めた。ちょうどそこ(クンツェ&リーヴァイ作品の産み出される時代)にアッキー(という才能ある人物)がいなければ、(アッキーはミュージカルはやらずに)まだ音楽100%でやっていたかも知れない。これは本当にすごいことだと思う。
  • 明日から中川さんはコンサートツアー。多くは休憩時間なしでの開催だが、会場によっては換気のために休憩時間を設ける所がある。
  • 四谷第三小学校の時に祐一郎さんが好きだった女の子とのエピソード。デートした後、学校で2人きりになって「好き」と言いたかったのにチャイムが鳴って用務員さんに声をかけられそこで終わってしまった。自分を中学から男子校に入れた親は賢明だったかも知れない。アッキーは男子校? と問いかけ、男子校です、と中川さん。昨日の2人(”アッキーが好きな“加藤和樹さんと、平方元基さん)は共学だったんだよー、と突如2人をうらやむ祐一郎さん。
  • 2人はたった一度しか共演していないのにこうしたご縁のある不思議。そしてこんなこと(コロナ禍)がなければこういう機会はなかっただろう、という話。 ※何か共演発表があったら良いな、とひっそり期待していましたが、特にありませんでした。

終演時は、中川さんだけセリから退場? と思いきや、2人でBTTFのテーマにのって手を取り合って舞台上方へと一緒に退場して行きました。

今回改めて、「祐一郎さんとアッキーが『ソウルメイト』というのは伊達ではなかったんだ!」と実感いたしました。息が合いすぎてリラックスしまくり、どこまでもフリーダムなトーク。止まらない舞台への愛と鋭い感性。きっと、お二人の心の中は同じ宇宙空間でつながっているに違いない、と確信しています。

そして、トークショーは最高に楽しくて、劇場にいる間は現実をしばしふわりと離れてまさに「夢のようなひととき」を過ごすことができましたが、やはり今度は舞台作品で役を演じるお二人を観てみたい、という気持ちになったのも確かです。まずは祐一郎さんと知寿さん、浦井くんの『オトコ・フタリ』が地方公演も含め全日程無事に上演されることを強く願うとともに、いつか祐一郎さんと中川さんの再共演が実現することも期待しています。