日々記 観劇別館

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『CLUB SEVEN ZERO』プレビュー公演感想(2017.5.27マチネ)

キャスト:
玉野和紀 吉野圭吾 東山義久 西村直人 原田優一 蘭乃はな 香寿たつき

いつかは見ておきたいと思った『CLUB SEVEN』。
今年、『CLUB SEVEN ZERO』の上演がある。しかも自宅最寄り駅から乗換無しで行ける北千住でプレビュー公演。ということで、シアター1010まで出向いてまいりました。

ただ、良く知らずに行ったのですが、今回はCLUB SEVENの集大成公演だったようです。
客席も長年見続けて応援しているリピーターさんが多いように見受けられました。
公演中、毎回恒例になっているらしい、お馴染みキャラと思われる扮装もしくは着ぐるみ姿の玉野さんと西村さんによる客いじりがあったのですが、話しかけられていた2名ほどの方のいずれも、複数シーズンを見続けている(お一人は初演から!)ということでした。

カンパニーの皆さま、当方は今回が初回な上、クリエの東京本公演は観る予定がなく本当に申し訳ございません……。

本公演初日がこれからであり、しかもネタが命な内容ですので、以下、お馴染みと思われる基本構成以外はネタバレなしでまいります。
ちなみに構成はAバージョンとBバージョンの2種類あるとのことですが、今回観たのはBバージョンでした。

初めて観た者として内容を総括しますと「う〜ん、体育会系!」でした。

1幕は、実力派揃いのメンバーによるハイレベルなレビューで決めたかと思えば、コントあり、大喜利あり。衣裳も男装、女装、コスプレ、着ぐるみなど実に豊富です。
身体を張って爆笑させてくれた1幕と対照的に、2幕は人情ドラマなミニミュージカルでしんみりさせてくれます。
その後は一転してスピード感溢れる怒濤の五十音順ヒットメドレー、そして爽やかにエンディングへと突入。

キャストの体力、アドリブ力、そして豊かなショーアップ精神が隅々まで尽くされていて、色々な意味で「役者殺し」な演目だと感じました。
観客としても、過去最高の平均年齢(パンフより)にもかかわらず全力で持ち芸を炸裂させてくるキャストのパワーを受け止めるのに、相当の体力と精神力を要求されます。
ちなみに、私、半年前の体力だったら、多分パワーに撃ち倒されていたんじゃないかと思われます。体力がだいぶ回復していて本当に良かった(^_^;)。

この演目は、スタッフの皆さまもさり気なく良いお仕事をされているという印象です。
例えば照明さんが、あの場面転換が目まぐるしい舞台できっちり仕事し、あまつさえ歌の出だしで失敗して進行がだれた時にもしっかり対応しているのは、本当に凄いことだと思います。

何よりも、キャストもスタッフも全力な舞台というのは、視点を変えれば作り手や演じ手の汗水を包み隠さず見せることなので、一歩間違えると自己満足に終わりかねないのですが、『CLUB SEVEN ZERO』はそうではなく、「全力であること」も含めて質の良いエンターテインメントとしている所に好感を持てます。

レビューあり、涙と笑いありのエンターテインメントと言えば、基幹キャストのうち玉野さんと吉野さんとが重なる『ダウンタウン・フォーリーズ』を思い出します。
あちらも『CLUB SEVEN』シリーズと同様、大人が大人のために弾け、時に下ネタも厭わず、芸を尽くしておしゃれに楽しませてくれるショーですが、『CLUB SEVEN』にはおしゃれ感よりは疾走感、そして隠し味としてペーソスが感じられました。

なお、これはお芝居と無関係な部分ですが、原田優一くんの出演舞台を観たのは大変久しぶりでした。
しばらく彼を見なかった間に、何だかヒアルロン酸たっぷりぱつぱつ艶々なほっぺになっていたので、彼が登場するとまずほっぺが気になりまして(^_^;)(優一くんごめんなさい)。そんなわけで、今回の1日を表す私の漢字三文字*1は「艶福頬」に決定しました。

現在のところ、この演目を観るのは今回のみなのですが、Aバージョンも少し気になるところです。

*1:注:今回の本編に登場したネタです。