キャスト:
大塚千弘 涼風真世 瀬奈じゅん 保坂知寿 岡田浩暉 今拓哉 田代万里生 吉野圭吾 山口祐一郎
木内健人 福永悠二 松谷嵐 横沢健司 天野朋子 島田彩 堤梨菜 橋本由希子
シアター・クリエまでクリコレIIIこと『クリエ・ミュージカル・コレクションIII』を観に行ってまいりました。
なんと、これが2017年の観劇始めです。昨年まででは考えられないこのスロースタート……。
昨年まではセトリ(セットリスト)は記憶が頼りだったため、年寄りには厳しくなり始めていましたが、今回からセトリがロビーで配布されるようになったので、嬉しい限りです。
ミュージカル・コンサートの場合、未見の演目*1の楽曲が分からず困ることがありますが、セトリさえあれば後から「ああ、あの演目の歌! 再演したら観に行きたいかも」等と合点が行くという利点もあります。
しかし、今回まだ開幕から3日目と日が浅いですので、セトリや重要なネタバレはこの記事では書かずにおきます(軽微なネタバレは書く)。
ということで、非常にまどろっこしくなりそうな感想です。
今回のコンサートの舞台セットは、トランプカードをモチーフにしたものでした。カードのマーク部分にLEDが仕込まれていて、時々良い感じで光って綺麗です。
1幕は、キャストのオープニング・トークから始まりました。
初日の「日直」*2は万里生くん。最初が、自分のコレクションは『CHESS』の一曲(未見なので曲名失念)で、石井カズさんと中川アッキーさんの対局を審判する役で、色々な意味でなかなか大変でした、というお話でした。
その後は今回の楽屋話。クリエの楽屋でお隣のお二方(今さん&岡田さん)の楽屋から笑い声(今さんのは聞こえず専ら岡田さんの、らしいです(^_^))が聞こえてきて楽しそうなので、同じ楽屋の圭吾さんに、お隣と壁を取っ払いたいです、とこっそりお話ししたところ、圭吾さんが「じゃあ俺が言ってくるよ」と先輩らしく侠気を見せたと思いきや……というエピソードを、やられたー! という感じで楽しそうに語っていました。
トーク終了後、1曲目スタート。賑やかで楽しい、山口さんがリードして全員が登場するあの曲でした。
その後は、瀬奈さん、岡田さん、知寿さん、万里生くん、千弘ちゃん、涼風さん、圭吾さん、今さん、再び千弘ちゃんと万里生くん、そして知寿さんと山口さん、という順番で全員が次々に歌っていったのですが、曲目のセレクトが、
「あれ? この曲目をあの方じゃなくて貴方が歌いますか? じらしてる? でも、確実にこの選曲、誰かさんにリスペクトしてるよね?」
という印象だったので、こ、これは絶対何か隠し球があるに違いない! とどきどきしていたら、1幕の最後に大きな大きな隠し球の正体が明らかになりました。
アはアンジョルラスのア。アは赤色のア。
あの曲で、あれだけ狂喜乱舞した上に爆笑したことは、後にも先にも恐らくないと思います。
1幕はセトリによれば、計16曲演奏されたようです。
2幕でも、「そう、この曲はこの方でなくては!」というツボをしっかり抑えつつ、「おお、この曲を、この方(達)が歌いますか」という本舞台ではないコンサートならでの楽しみもあって、耳も目も大満足でした。
ここでちょっとまた「あれれ?」と思ったのは、長年当たり役として持ち歌にしてきたあの曲を歌われた山口さんの出で立ちでした。
役のカツラを付けていたのですが、髪の色などが、ご自身が演じられていた時のイメージとは異なっていました。あの役はもう若い者に譲ったから、今回歌っているのはあの役の復活ではなく、あくまでかりそめの姿なんだよ、ということをさしているのでしょうか? 考えすぎ?
2幕の17曲目(通しで33曲目)を、山口さん以外の全員(含むアンサンブル)で歌われた後に、アンコールで山口さん登場。
「えええ! これを歌う? こんなことがあっていいの?」
と息を飲みつつ耳を澄ませていたら、あっという間に1曲終わっていました。
ちなみに歌詞は英語でした。山口さんの英語の歌を聴いたのは、多分M.A.の帝劇初演楽動画で聴いたWhite Christmas以来。つまり、きちんと英語で歌うのを聴いたのは初めてでした。
歌い終えて、いつもの両膝に手を置く端正なお辞儀をする山口さんを見つめながら、所詮昔を知らない観劇新参者につき、泣く、までは行きませんでしたが、時が経てばこんな日が来ることもあるのだなあ、と感慨深かったです。そして、普通に「生きてて良かった」と思いました。
なお、日本語訳詞のある楽曲が英語詞で歌われる事情は、普通にとある劇団*3の版権の事情だと思っていましたが、Twitterで伺った限りでは、たまに許可が出ている場合もあるようです。ただ、今回のような公演では普通は許可が下りないだろうと思います。
ラストの2幕19曲目(通算35曲目)では、客席降り演出がありました。実は今回最前列でしたので、色々堪能することができました。ありがたや。
全員で踊る場面もありました。山口さん、軽くですが、普通にステップを踏んで踊っていましたよ(^_^)。
初日ですので、カーテンコールではご挨拶がありました。皆様爽やかに真面目な内容で、積極的に笑いを取りに行っている方はどなたもいらっしゃらなかったように思います(←何を期待しているのか)。
以下、今回のプリンシパルキャストに関する一言感想です。
千弘ちゃん。人妻になってもコケティッシュな可愛らしさは健在でした。
涼風さん。自称「妖怪」ですが、妖怪と言うより見る度に人外感に溢れた美しさが増しているように思います。
瀬奈さん。お歌に安定感が増して、私の中で徐々に「この人が舞台にいれば安心」要員になりつつあります。
知寿さん。涼風さんや山口さんと言った人外要素の強い華と、全く別のタイプの至高の華として対峙して中和して、最高の華を咲かせることのできる、数少ない人材だと思いました。
岡田さん。まさかその曲を貴方が歌うとは! とびっくりしましたが、考えてみたら岡田さん、何年か前に別の役ですがあの演目に出ていた、と後から思い出しました。以前も別のコンサートの時に思いましたが、歌だけで自分の世界空間を舞台上に作り出せる役者さんのお1人です。
今さん。男声デュエットや男声カルテットで強烈な光を放っていました。あの変態紳士にも久々にお目に掛かれて嬉しかったです(^_^)。
万里生くん。実は結構私の好みの歌声と歌い方になってきた感じがしています。ただ、別の席で観ていた友人が「万里生くんはちょっとおじさんになってきた」と言っていて、はっ、もしやその年輪が影響しているのか? とも思っております(^_^;)。
吉野さん。ダンスのちょっとした一挙一動で舞台を支配するのは、やはりこの方ならではです。でも、それだけでなく、お歌も本当に精進されているのだな、と今回改めて思いました。瀬奈さんとのデュエットが素敵でした(^_^)。
そして山口さん。この方がお元気で、キラキラとした笑顔で、サービス精神旺盛に舞台上にいてくださることは、とてもありがたいです。前回の舞台が大変シリアスだったので、より一層キラキラ笑顔が心に染みいるのかも知れません。これからも益々お元気で、そして華やかでありますように。