日々記 観劇別館

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『シャーロック・ホームズ アンダーソン家の秘密』感想(その1)(2014.1.25ソワレ)

池袋の東京芸術劇場で観てまいりました。
今日はちょっと疲れたので、取り急ぎ演出や音楽のみの感想のみです。続きはまた明日以降に。

シャーロック・ホームズのシリーズは子供時代に面白く読んだきりで、シャーロキアンどころかホームズ×ワトソン萌えとかビクトリア朝萌えとかにも一切無縁で生きてきました。従いまして、今回も含めそう言う要素が全くない感想になる予定です。また、ミステリ劇と言うことでネタバレは極力避ける予定ですが、一部人物や展開の重要部分に触れることはあると思いますのでご了承ください。

まず、全体の脚本構成としては、ミステリとしてはある程度予想されたオチではありましたが、人間ドラマとしては良くできていたと思います。ほとんど破綻はなかったという印象です。
とは言え、ワトソン女史がこの演目では経営学専攻の筈なのに検死を的確にこなしているのは何故?という疑問は残りますが*1。また、ホームズのワトソン女史に対する感情にまつわる部分は若干ストーリーから浮いているかも?と感じました。ただ、公演パンフによればどうもその設定は日本版オリジナルらしいので、まあ仕方ないかと思います。
演出は場面展開・転換がスピーディーだったと感じました。息をつく間もない展開と申しますか。こういう展開の仕方は結構好きです。
あと、照明の、特に青系の照明の使い方が非常に美しく、事件の鍵を握る重要な人物の心情にマッチした劇でもありました。ロンドンの街並みなどを映し出すプロジェクションマッピングも、物語の雰囲気にしっくりはまっていたという印象です。
音楽は、かなりメロディーが複雑で、音階が上下しまくるので、歌い手にとっては少々ハードなように思います。

主人公たるホームズ&ワトソンのコンビは、ワトソンが女性に置き換えられていることをさて置いても、きっと原作ファンには許せない人もいるに違いない、と想像しています。それぞれがオリジナルの彼らの魅力を備えてはいますが、ホームズが謎解きキ○ガイでありつつ熱く外向きに騒々しい男であったり、ワトソンに守銭奴の気があったりと、人格的には別物な部分が多いので。
自分自身はその辺はあまり気になりませんでした。ああ、オリジナルとは別人格のキャラクターを使った二次創作なのね、という程度で。
さとしさんと一路さん、それぞれが演技も歌も役にしっくりはまっていて好演されていたと思います。特にさとしさんは当たり役の1つになるのではないかという予感もしています。

他のキャストの皆さまや、それぞれが演じられた人物についての感想は、また次回記させていただきます。

*1:才女なので並行して勉強してたのかも知れませんが。まあそれを言ったらあの時代から20年は遡るであろう年代(ワトソン女史の推定年齢から逆算)に女性がオックスフォードに行けたのか?という謎もあるわけで(^_^;)。