日々記 観劇別館

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『SHOW-ism VI TATTOO 14』初日感想(2013.6.29ソワレ)

キャスト:
ビー(次女)=水夏希 ローズ(三女)=シルビア・グラブ オーロラ(四女)=大塚千弘 ファーファ(七女)=ジェニファー キャンディ(六女)=Miz ジンジャー(五女)=今枝珠美 ラム(長女)=保坂知寿 SKY=浦井健治

シアタークリエで上演中の本作初日を観に行ってまいりました。
すみません、実は今回、あまり書くことがなさそうです(汗)。
とにかく、七姉妹の皆さん、ビシッと歌えて踊れて、その上格好いい。それに尽きる演目ですので。
一応、かつてショー・カンパニー「TATTOO 14」を組み、コンテスト「パープル・フェス」で優勝しプロ契約締結まで進みながら、とある事件とそれに対する誤解とで一度離散した七姉妹(全員孤児の身の上で義理の姉妹ですが、年少組が一桁の年齢の頃から一緒に育ったため実の姉妹同然)が、事件の加害者となってしまい、刑務所を出所後しばらく全米をさすらっていた次女ビーの呼びかけで再び集結。最初わだかまりやそれぞれが選び始めた人生の葛藤を抱えながら、コンテストの予選〜本選と再挑戦していく中で誤解も解消され、姉妹の絆を取り戻していく、という基本の物語は存在しますが、その辺は結構どうでも良いです。あと、終わってみて結局四女と七女以外の出自は分からなかった、という結論?という疑問は残りましたが、それも割と「終わりよければすべてよし」でどちらでも良かったりします。

まず、次女役の水さんが男前過ぎました。実際劇中で妹に「兄さん」と呼ばれてましたし(笑)。手足がすらりと長くて長身で、舞台映えする方です。また、これは宝塚のトップでいらした方に共通する長所ですが、センターポジションを務める時の輝きぶりが半端ありません。
そして長女ラム(「ラム酒」のラム)の知寿さん。冒頭で姉妹のプロフィール紹介と、次女に電話で呼ばれる場面で登場した後は、本格的にショータイムに登場するのは1幕の後半からでしたが*1、華と歌声、それに、横たわってラム酒を飲んだりソファで足を組んだりといった、ちょっとした仕草がしどけなくも大人の女モード全開で格好いい。もう「姐さん、ついて行きます!」と思いました。
三女ローズのシルビアさん。こちらも知寿さんとは別のニュアンスで「姐さん!」な感じで。次姉を誤解している間の、ツンツンしながらも妹達はめちゃ可愛いので葛藤しているさまから、誤解が解けた後に次姉に、そして自分の気持ちに対し素直になっていくまでの変化が良かったです。
四女オーロラですが、千弘ちゃん、年齢的にはこの面子の中では末妹役でもおかしくないので、中間子(妹でもあり姉でもある)という設定がちょっと不思議でした。ただ、自分を抑えて姉達と妹達との気持ちを繋ぐ、非常に重要な役どころとして、千弘ちゃんの確かな演技力と澄んだ歌声は上手く作用していたと感じました。
五女・六女は、五女役の今枝さんは多分『スーザンを探して』で観ている筈ですがあまり記憶無し。六女のMizさんは恐らく初見。この2人、もちろん孤児同士だから血縁はない筈ですが、何だか双子のような印象でした。
七女のジェニファーさんは、まだたまに日本語の台詞回しが微妙な所はありましたが、可愛かったので許します!まさか彼女に「カワイイ」という感想を抱くとは思わなんだ。
クマのファーファをいつも連れているから名前もファーファ、という設定が、実はぬいぐるみ好きな自分には嬉しかったです。ええと、英語だと確かあのクマの洗剤の名前はスナグルなんだけど、でもスナグルちゃんだと響きが微妙だし、まあいいや、と色々ぐるぐる(^_^;)。クマのファーファ、姉妹が順に手渡しながら歌うなど、ショーの可愛らしい小道具としても活用されていました。

そして日替わりゲストの人気シンガー・スカイ役*2は、浦井くんでした。
スカイ、2曲ソロナンバーがありました。浦井くんの歌声効果もあって大変に温かい響きで良かったのですが、一瞬だけ「このお話、スカイがいなくても成立するのでは?」という点が疑問に。でも、ビーはスカイと交わした会話を心の支えに辛い日々を耐えられたのでしょうし、何より2幕ではスカイ、他の姉妹達には引き出し得ない大事なビーの本心を、言葉として引き出してくれます。ビーの内なる思いを第三者として客観的に具体化してくれる存在として、やはり必要な存在だったのだろうと思います。

ちなみにこれは余談ですが、クリエでは、オーブでのStarSライブの時と違い、浦井くんの歌声が縦横無尽に綺麗に響き渡っていました。一応ミュージカル劇場を売りにしているのにどういうことだオーブ……。

劇中の音楽は、日常場面で歌われる姉妹それぞれの心情を表したナンバーと、フェスの予選・本選などでのショーナンバーとで構成されていました。
個人的には2幕序盤のラスベガスでのショータイムが好みでした。ああいう、とにかく派手にやるぜ!的なコンセプトは好きです。そうそう、14列23番辺りに座った方には、このショーの時ちょっとした役割があるようです。1幕の開演前に案内嬢が説明して、何か(あえて書きません)を渡していました。

そしてフェス本選のショーが、これまでのお話的にも集大成な感じで、ドラマティックかつパワフル、華やかでした。
あと、2幕終盤に、客席でサイリウムを使う演出がありました。と言っても色指定なので、先に買わずに劇場で買った方がよろしいかと。天の邪鬼でサイリウムを持たないよりは、持った方が多分盛り上がれるかと思います。

カーテンコールは、初日だけあって、キャストの皆様が、数えていませんが少なくとも4、5回は呼び出されていたかと思います。
何度か浦井くんにコメントが振られていたので「水さん、何てことを!」とどきどきしましたが、ちゃんとご挨拶していました。ああ良かった(^_^;)。

あと、今回14列での観劇でしたが、「14シート」というお土産付きシートでした。お土産は幕間に受領。タイトルロゴ入りマグカップとステッカーのセットでした(下の写真参照)。さて、マグはともかくステッカーはどう使えば良いのでしょう(^_^;)。

……ありゃ、書けることが少ないとか言いつつ、何だかんだで結構語ってしまってるじゃないか、自分。
うぅ、そして、知寿さんの歌をもっと聞きたいです……。歌声だけで存在感を強烈に打ち出せて(もっと正確に申し上げれば歌で演技ができて)、しかも歌なしの台詞もダンスも申し分ない人って、特に女性の役者さんには意外と少ないのですよね。10月の帝劇公演『エニシング・ゴーズ』、まだチケットを確保できていませんが、是非観に行きたいです。

*1:メキシコから駆けつける設定でした。

*2:キャストにより1公演のみの方と2公演出演の方あり。