日々記 観劇別館

観劇(主にミュージカル)の感想ブログです。はてなダイアリーから移行しました。

メタモルフォーゼ待機中

只今深夜3:00。土曜日とは言え、ひどい夜更かしです。
以下、Twitterの方で深夜に乗じて呟こうとした文章ですが、やはりタイムラインで細切れに投下して1センテンスが一人歩きするのも怖いので、こちらに載せておきます。いつもにも増して痛すぎるファンの独り言です。

実はこの新年一番のTdV公演中、Twitterで我が贔屓役者、山口さんのお歌が少々弱くなっている事を率直な厳しい言葉とともに耳にし、嘆きの余りあらぬ行動を取ってしまった時に「一度嫌いになった物を好きになるのは難しい(故に厳しい評価は止められない)」という忠告をいただいた事がありました。今まさに「一度好きになった人や物を諦めるのは難しい」という逆の思いを痛感しています。
今の彼の状況を「老い」や「劣化」と捉える人はもちろんいて、それはあながち間違いでなく、まあ貶されても仕方ないだろうと思います。これを機に別の贔屓対象に乗り替える人だっているかも知れませんが、それを止めるつもりはありません。
とは言え、ファンとしては気にしたくないけどご本人の思いを想像などして泣きたくなるのも事実。けど一方で泣いてばかりじゃいけないとも思うのです。
約15年前、一度は舞台に立つ事を諦めかけたとも言う彼。しかし新たな活躍の場を得て、そこにどれほどの尽力があったかは想像するしかありませんが、何年もかけて見事すぎる再生、と言うより元々美しかった蝶がまた違う色の美しさを持つ蝶に変貌する、言わばメタモルフォーゼを遂げました。故に、その頃とは様々な条件が異なっているものの、現在の彼がこのままフェイドアウトするとはどうしても思えずにいます。
彼は迷路を抜け、熟し続けて落ちそうで落ちない不思議で味わい深い果実として変化を遂げるでしょうか。あるいは熟し切って美しい枯淡の域に達するでしょうか。どんな形にせよ高レベルのメタモルフォーゼを見せてくれる事を期待し信じて疑っておりません。自分はひたすら彼を舞台の下から見守る立場に過ぎないので、現在の彼の真実を知る由も術もありません。この信じる気持ちの鉾先の向かう的は、もしかしたら何%かの確率で外される可能性もあります。所詮は贔屓の欲目、自己満足に過ぎないのかも知れません。しかしまだ諦めず信じる事を続けたいのです。
今後、舞台に専ら完璧さやレベルの高さを求める観客が、失望を隠さないような事態になる事もあり得るでしょう。しかし例えば量を減らしてでも舞台に立ち続ける事が彼のメタモルフォーゼに繋がるならそうして欲しいですし、見守り続けたいと思います。もっとも、それは身を切る思いに繋がる可能性もありますけれど。
まあ、それも所詮ファンのエゴでしょうか。ただ、彼が今後円熟を武器にもできずただ衰え「老害」に向かっていくならその時は静かに立ち去らねばならぬと覚悟しています。……考えたくありませんが。
そしてこちらがそんな事を好き勝手に考えているかどうかに関係なく、彼は今日もストイックに精進し走り続けている事でしょう。彼の役者人生は最終的には当然彼自身の物。これからも劇場に通い、彼の歩む道を板の下からそっと見守り続ける。それが自分が信じる贔屓の道なのです。