日々記 観劇別館

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2012年『エリザベート』キャストコメント動画公開

東宝エリザベート』の公式サイトで、山口さん、石丸さん、高嶋さんのコメント動画が追加公開されていました。山口さんのコメント動画はこちらです(YouTubeへのリンク)。

例によってまだ山口さんの動画しか見られておりませんが、『エリザベート』という作品に参加すること、について驚くほど真面目にきちんと語ってくれています。例えば、
「死神であるからこそ生きることのエネルギー、そして少しでも皆さんが元気になるようなものを、舞台から少しでも皆さんに感じてもらえるようなことになればいいな、と祈っています」
の発言に見られるような、いつでもこの方の根幹に根ざしてきた、こうした真摯さを慕わずにはいられないわけでして(^_^)。
特に昨年のレミゼ以降、こういう思いをてらいもなく語られる機会が増えたように思うのは、気のせいでしょうか?あのレミゼプレビュー初日の時の、山口バルジャンの歌に演技に溢れかえる感情、そしてぎりぎりで堪えられた涙を未だに忘れることができないのですが、今回のような真摯過ぎる言葉には、どこかあの時の彼に通じるものを感じます。

また、動画の中では、エリザという「生涯に1回あるかないか」の当たり狂言に出会えて、継続して出演できることの幸運についても語られています。その上で、
「この仕事を始めた頃のことを思い出して、こういったものをご覧いただければ、というよりもむしろ今自分にできるベストのことを全力でやってこの作品にぶつかっていくと、そういう気持ちでいます」
と謙虚で真っ直ぐな、しかし実は百戦錬磨でないと言えない発言をされています。
こういう言葉を耳にすると、こちらとしては思いが溢れるばかりです。演じる側は毎日、もちろん継続のためのペース配分は心掛けるとしても、その日に尽くせるベストを舞台に注ぎ込んでくれています。しかし、どうしても人間が演じる以上好不調の波というのはあります。歌手や演奏家の単独ライブと違って、客席にいるのはコアなファンばかりではありません。故に観客は失望し、時にブーイングを浴びせるかも知れません。
一方で、どんな状況にあっても応援し続けたい。思い入れのない観客には決して感じ取ることのできない、その日の「ベスト」を感じ取りたい。彼は、コンディションの好不調にかかわらず、その日にできるベストを尽くしてくれる筈だから、それに対しては無条件に拍手を贈りたい。そう考える自分がここにいます。いや、本当にコンディションががたがたな時は、絶対に無理しないで欲しいですし、それが可能なキャスト体制が整って欲しいと願っているのが本音ですが*1

……と、何だか甘いことを語ってしまっていますが、とにかく現在は、2ヶ月近くも彼の舞台を観ていない、言わば飢餓状態に陥っているものですから、少々心のたがが外れている故とお許しいただけましたら幸いです。取りあえず、次に舞台上の彼にお目にかかるのは2月26日、クリエでのコンサート初日まで待たねばなりませんが、かなり「何をやっても許す」的な心境になっている自分に内心恐怖しています。

*1:だからトートがトリプルキャストであることに若干安堵しています。