日々記 観劇別館

観劇(主にミュージカル)の感想ブログです。はてなダイアリーから移行しました。

『BROADWAY MUSICAL LIVE 2011』感想(2011.8.28マチネ)

(キャスト)※プリンシパルのみ
石井一孝 今井清隆 岡田浩暉 キム・ジュンヒョン 戸井勝海 藤岡正明 本間憲一 神田沙也加 笹本玲奈 姿月あさと 知念里奈 土居裕子 保坂知寿

『三銃士』前楽に始まる、4日連続舞台鑑賞最終日。流石に疲れが出たのか、朝から時間感覚がおかしくなっており、気づいたら、自宅出発から劇場到着までの所要時間が1.5時間なのに、自宅で時計を見たら開演の1.5時間前!必死で駅まで走りましたが体力の問題で最後まで走りきれず予定の電車には乗り遅れ、更に途中も走りましたが、結局劇場の座席に着けたのは開演時刻から20分後のことでした。
劇場に到着したのは、ちょうど石井さんが「バンボレーオ」を歌っている最中。流石石井さん、エントランスまで歌声が響き渡ってるわ、と感心する間もなく案内嬢のお姉さんに導かれ、友人の待つ2階最後列の座席へ着席すると、程なく土居さんの「川の向こうで」が始まりました。柔らかに響く歌声のシャワー。顔からは泉見某くんのようにぽたぽたと汗を垂らしながら、自分が情けなくて泣きそうになっていた心が、たちまちにして癒されました。

幕間に落ち着いてから客席を見渡すと、2階に1台、1階にも2、3台大きいビデオカメラが据え付けられていました。前日の公演の時にも「本公演の模様はテレビとDVDに収録されます」と司会の森本アナがアナウンスされていましたが、前日は大きいカメラを見た覚えがなかったので、多分メインの映像は今回の公演のものが使われるのではないかと推測いたします。

さて、前の日の公演と同様、今回もキャストのテーマトークがありました。
テーマは「ミュージカル俳優になっていなかったらなりたかった職業。あるいは興味のある職業」。前日と同様、2人ずつ森本アナがインタビューしてました。語った順序は多少違っているかも知れません。

沙也加ちゃん:声優。声を使う仕事に興味があるので。
藤岡くん:居酒屋のお兄さん。ただ自分は学もなく手先も器用ではないので、今のこの仕事が天職だと思っている。
ジュンヒョンさん:医者。勉強ができなくてなれなかったが。でも、歌うことでも人の心の病を治せるというので、そういう意味では同じだと思っている。
玲奈ちゃん:獣医。動物が好きなので。よく動物園に行くとサル山が好きで眺めている。3時間も眺めていたことがある。母ザルが子ザルを育てる姿に感動した。サル山のてっぺんに登ってみたいです!
※森本アナ、「笹本さんには昨日から驚かされっぱなしですが……」「コアラとかパンダとかを見ているイメージですが」等と、また驚愕してました。まあ、あの一見華やかで上品なお嬢さんが実は気取った所の全くない男前キャラで、カメラも回っている中でまさかサル山に登りたい、などと口走るとはなかなか思わなかったんじゃないでしょうか(^_^;)。
知念ちゃん:私は15歳でデビューしてしまったのでそれよりずっと前の(小さい頃の)話になるが、ウサギになりたかった(会場笑)。でも実家に帰った時小学校1年生の頃の文集を見たら、全然覚えていなかったが「歌手」と書いてあり、ああ、夢が叶ったんだ、と思った。
岡田さん:美容師。震災の時美容師の知人が被災地に行ってハサミひとつで働き、現地の方々が喜んでくれた、と聞いて、いいな、と思った。
※これについては「でも岡田さんには歌があって、それで皆さんに喜んでもらえますよね?」と森本アナからフォローがあり、客席が拍手。岡田王子、少しはにかんでいました(^_^)。
今井さん:実家が鳶職なので、建築業になりたかったが、高いところが苦手で諦めた。でも東京タワーやスカイツリーは好き。スカイツリーには真っ先に登りたい。
※森本アナ、恐らくはこの公演のお約束として、今井さんに初回公演と同じ(そして恐らく2回目とも同じ)「『レ・ミゼラブル』のオリジナル演出版が今年で最後でしたがいかがでしたか?」という話を振ってました。しかし、多分前回の公演とは違う気の利いた返事をしようと試みつつ、本人の恥ずかしがり屋キャラ故にキョドってしまう今井さん(笑)。しまいに「アンジョルラスはやりたかったですねー」とご発言。昨日のマチネでは「マリウスやりたかった」と言ってた気もしますが……。ただ、レミゼでアンサンブルから地道にステップアップしてきた今井さんにとっては、多分どちらの気持ちも実際に経験してきたものなのだと想像しています。
姿月さん:劇場の案内の人になりたかった。いつも劇場にいられるので。でも実際はお姉さん達は舞台に背を向けているので舞台は観られない。
※これについて森本アナからは「姿月さんが客席に立ってたら、お客様は皆そっちを見てしまいますよねー」というツッコミがありました。
石井さん:世界史の先生。人に説明するのが好きなので(帝劇での「アラミスの知恵袋」シリーズの記憶が新しいのか、客席爆笑)。でも人に教えることにはトラウマがある。学生の頃塾で講師のアルバイトをしていて、自分の弟も含めた中3の生徒達を教えていたが、ある日生徒達がうるさかったので叱りつけてしまった。そうしたら毎回少しずつ生徒が減っていき、ついに自分の弟と二人きりになってしまったという思い出がある。
戸井さん:実は僕も高校の社会科教員免許を持っている。でも世界史は教えられない。
土居さん:婦人警官。マンガに出てくるミニスカート……ミニスカポリスじゃないですよ(笑)、の制服に憧れていた。
保坂さん:銀行のお姉さん。子供の頃暑い外から銀行に入ると涼しくて、それで受付に座っているお姉さんになりたかった。
※森本アナのコメントは「(土居さん・保坂さんの)お2人とも外見から入られたんですねー」でした。

……以上です。本間さんのコメントがないのは忘れてしまったからです(T_T)。
(2011.8.31 19:52追記Twitterのフォロワーさんから情報をいただき、本間さんのコメントを思い出しましたので書き足します。「それって普通のコスプレマニアじゃないか!」と意外な一面にかなり笑わせてもらったのに、何故ど忘れするのか自分……orz。
本間さん:プロレスのマスクを作る人。ミル・マスカラスが大好きで、プロレスマスクショップに行き、更にマスク作りにはまった(確か森本アナに「手も足も器用なんですね」と言われていました。)。マスクだけでなくタイツまで全身衣装を作って着て撮影したこともある。

ライブの方の感想ですが、2階席ということもあり、前日とは打って変わって落ち着いて舞台全体を見渡すことができました。前日は正に「近っ!」「濃ぃっ!」という感じだったので。
前日の感想に、藤岡くんのことを書けていませんでした。藤岡くんは自分にとって、「何故か彼が出ている舞台は安心できる」役者さんの1人です。力強く確かな歌声を聴かせてくれました。ただ、戸井さんとの男声デュエット「その目に」は、本来のルーシーとエマによる女声デュエットと、これ本当に同じ曲?と思う位雰囲気が違っていて、え?あれ?と耳が悩んでいる間に曲が終わってしまいました。2日間とも。学習しろ>自分。
ジュンヒョンさんは、前日よりもマイクにブレスが入ってしまっている感がありました。とは言え、たっぷりの声量と声の艶は変わらず。
姿月さんの「レベッカ」は涼風ダンヴァースほどねっとりはしておらず、でもシルビアダンヴァースのような地の底から這い上がるような怨念はなく、かなり普通の人っぽかったです。ただ、もう少し枯れた風情が加われば、もしかしたら化けるかも知れません。
前日に引き続き良いなあ、と思ったのは岡田さん・知念さんのデュエット「トゥナイト」。ハモりが美しいのです。
それから、土居さんの「チャイナ・ドール」。歌姫の孤独と哀感が澄んだ声にのせてじんわりと耳に染み渡りました。
あと、保坂さんの「ワン・ナイト・オンリー」。保坂さんご自身が割と存在感たっぷりな上、この曲では『ドリームガールズ』のカーリーヘアのカツラにミニスカというかなり濃い出で立ちで登場したので、実は前日間近で観た時はかなり舞い上がってしまいまして、今回2度目にしてやっと落ち着いて、あの力強く少々こぶしの入った、劇場中に響きまくる歌声(私はこぶしは気になりません)を堪能することができました。

そして、しつこいようですが「エメ」について言わせてください。
前回書いたとおり沙也加ちゃんの声自体は嫌いではありませんし、雰囲気もジュリエットという少女の可憐でありながら頑ななまでに意志の強いイメージにはぴったりなのですが、今回に限ってはもう少し声量のある女声で聴きたかったです。土居さんや保坂さんとまでは申しませんが、玲奈ちゃんや知念さん、「可憐」よりもう少しお姉さんではありますがもっと声の出るお姉さん方がいるのに。これについては前日観た時、
「『日本人のへそ』の石丸さんのヤクザと玲奈ちゃんのデュエットで似たようなのを聴いたからいい」
という友人の意見もありましたが、石井さんはまた声質が異なりますし、違う女声で聴いてみたかったなあ、という気がします。

今回2回ライブを聴いてみて反省したのは、遅刻……もそうなんですが(汗)、自分ってBWミュージカルの定番曲を本当に知らないんだなあ、という事実です。中でも『美女と野獣』『RENT』『ドリームガールズ』辺りは、機会があったら一度きちんと観ておきたいです。特に『美女と野獣』には山口さん絡みの因縁があるので今まで手つかずじまいでしたが、これだけ良い曲が何曲もあるなら、舞台も是非観てみたい!と思っております。