日々記 観劇別館

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『宝塚BOYS』感想(2010.8.25ソワレ)

上原金蔵=浦井健治 長谷川好弥=杉浦太陽 山田浩二=黄川田将也 星野丈治=東山義久 竹内重雄=藤岡正明 太田川剛=瀧川英次 竹田幹夫=石井一彰 君原佳枝=初風諄 池田和也=山路和弘

2年ぶりの再々演『宝塚BOYS』。すっかりクリエでの公演が定着した感じです。
実はこの日、猛暑続きでかなり疲れていたこともあり、公演中ひたすら眠気と戦い続けました。そのため、あまり気合いの入った感想が書けないかも知れません。ごめんなさい。

まず語っておきたいのは、山路さんの池田と初風さんのきみちゃん。登場するだけで舞台が引き締まる感じがしました。池田が最初に登場して上原に語りかけるだけでうるっと来そうになった自分なのです(早すぎ)。最初隠してるけど、男子部への真摯で熱い思いが一言一言に込められています。

主人公たる宝塚男子部生徒7名は全キャストが初演・再演キャストから変更されています。特に上原を演じていた花緑さんと、「妖怪ピルエット(笑)」星野を演じていた吉野さんがあまりにはまり役でしたので、今回の変更にかなり不安を覚えていました。
しかし、始まってみると、意外なほどの浦井くんのはまりっぷりに感心しきり。くそ真面目でややダサめな可愛い優等生。
東山くんも色気はやや少なめ、地味目ですが筋肉質で男臭い新たな星野像を作り上げていました。ダンスはダイナミックで力強いイメージ。一応「出たな妖怪!」と言われる場面はありましたが、妖怪度は吉野さんより低め、他の生徒より少しだけ経験値の高い等身大のお兄ちゃんだと思いました。体型が、お尻のラインが鍛えられており綺麗だったので、吉野さんとの身長の違いは言わないことにします(言っとるやんけ)。
男子生徒であと印象に残ったのは、藤岡くん演じる竹内と瀧川さん演じる太田川。とりわけ太田川は1幕で明るく笑わせる分2幕の「泣き」を担う重要な役柄なので、初演も再演も実力派のキャストを持ってきていましたが、今回の瀧川さんもかなりいい演技をされていました。くいだおれ人形を恰幅良くしたような雰囲気が楽しかったです。
竹内は、何故か仲間を肩に担いだり*1、きみちゃんをお姫様抱っこで拉致したりと、体力勝負系イメージが強かったです。優等生だけど線が細く小心者という浦井くんの役作りと対照的に、声が大きくて元気でおおらか。個人的には竹内という役の株がかなり上がりました。
ただ、過去2回の上演に比べ男子部キャストに小粒感があるのは否めません。それでも見せ場で生徒達の気持ちにシンクロして笑い、泣き、そして盛り上がることができるのは、脚本の素晴らしさ故だと思います。

クライマックスのレビュー。キャスティングを聞いた当初、男子部の7名中4名がミュージカル経験者*2って多過ぎだろ、と思いましたが、その分ダンスの難易度が心持ち上がっていたような気もします。未経験組3名、よく頑張った!と心から拍手を送りました。

解散した男子部が未来に向かって稽古場を去り、そしてカーテンコール……と思ったら、突如クラッカーのテープと紙吹雪が舞い、舞台天井から横断幕がするすると。なんと今回のソワレが上演100回だったようです。再々演で100回って短い?とも思いましたが、そう言えば初演はル・テアトル銀座で確か半月程度しか上演していなかったのでした。
浦井くんの司会で記念カテコがスタート。「初風さんと山路さんには内緒だった」「朝、舞台が砂嵐だった(モニターカメラの話?)から何だろうと思ってたけどこんな看板を作ってたんだ!」という発言があったので、本当にサプライズだった模様。観客としても全く知らなかったので、嬉しいびっくりでした。
そして初風さんと山路さんからご挨拶。初風さんからは「若い人達と一緒にできて幸せ。千回も二千回も続いて欲しい」というお母さん(おばあちゃん?)な一言。山路さんのご挨拶の前には、劇中エピローグで使われているトランペットのソロが流され、これは山路さんが演奏されている、という紹介が浦井くんからありました。山路さんは「劇中で100回も一升瓶持って謝りに来てて(その場面のアドリブの)ネタがなくなりつつあります」と笑いを取っていました。

疲れていたけど、眠かったけど、やっぱり観に行って良かったです。千回、二千回は大変かも知れませんが、キャストを変えつつ東宝の定番として末永く大事に続けて欲しい演目だと思いました。

*1:マリウスがバルジャン担ぎー!と見てて喜んでました(^_^)。

*2:浦井くん、東山くん、藤岡くん、石井くん