日々記 観劇別館

観劇(主にミュージカル)の感想ブログです。はてなダイアリーから移行しました。

ご子息すぺしゃる!

いきなりですが『ダンス・オブ・ヴァンパイア』。私の観劇は帝劇で終わり早1ヶ月半経ったし、クロロック伯爵とは全くキャラの異なる神々しい山口バルジャンも観られたし、よし、あの魔界の余韻を完全に振り切ってTdVを思い出の底に封じることに見事成功したぞ!と思い込んでいました。
しかし、公式ブログ(閉鎖してしまいましたが(;_;))でのリー子ちゃん最後の渾身の大仕事「ご子息すぺしゃる」の映像(10月20日まで公開)を観て、せっかくの封印が一気に台無しに。
流石リー子ちゃん、観客の需要とは何かをちゃんと分かってらっしゃいます。ラストプレゼントをどうもありがとう!
舞踏会での父上の歌に乗せてマントを翻し颯爽登場する麗しいヘルベルト様。そして博多座大楽の抽選会の景品をお客様に手渡すため3階と舞台を往復し、舞台に帰り着いた途端「ちちう……!」と叫んで倒れ込むお茶目なヘルベルト様。今まで他の方の大楽レポを読んでも、抽選会で彼に何が起きたのかさっぱり分かっていなかったのですが、あの往復シーンを観てようやく真相を理解いたしました。(文章の)百聞は(映像の)一見にしかず。
そして日本のTdVにおけるヘルベルト、そして演じる吉野さんの役割って実はかなり大きかったんだなあ、と改めて感じ入りました。大体そもそも1幕の終盤と、2幕のお風呂、舞踏会、エンディングしか出ていないのに*1、あの強烈な存在感、なわけですし。それでいて主役たる父上とアルフレートの存在を食って脅かすことが決してなかったのは吉野さんの力だと思います。
と言いつつ、舞踏会のヘルベルト様が階段を下りてくる横で、膝を屈伸しながら熱唱する父上が気になって仕方がない自分は、所詮山口ファン。
またすぐにでもTdVでこの親子にお目にかかりたい所ですが、現実にはもう少し時間がかかりそうなので、今は次にこの2人の組み合わせ(今度は敵同士)が観られる来年の『レベッカ』を待ちたいと思います。ダンディな紳士なのに背中を蹴飛ばしたくなるような性格のマキシムと、身持ちの悪さとうさんくささ全開なファヴェルの陰険な掛け合い。ああ、早く観たいです。

*1:今回の再演ではカーテンコールでの煽りも彼の担当でした。