日々記 観劇別館

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『ダンス・オブ・ヴァンパイア』感想(2009.8.1マチネ)(他キャスト・その他篇)

昨日の感想では伯爵+クコールまでしかたどり着けませんでした。
出かけるまでそんなに時間もないし、続きはあまり長くならないようにしよう、と思っていたのに、すみません、つい長くなってしまいました。以下、感想続き行きます。

[アルフレート]
浦井アルフ。ヘルベルトが2幕で言っているとおり、何とも「騒ぎすぎ」な子です。
1幕で道案内のシャガールを追って客席に降りてのお城への道中もずっと教授に何やらギャーギャー言ってますし、2幕でヘルベルトに襲われて客席に逃走する時もひたすら叫んでますが、最早文字化するのが不可能な叫び声になってますし。
でも、あの超軟弱ヘタレで純粋無垢なバカっぷりが可愛くて大好きなのです。

2幕の霊廟で伯爵串刺しに失敗して、「でもねぇ、できないなぁ〜」と訛って言った後、呆れた教授に戻ってこい、と言われてホッとにんまりしてしまい、教授に「ニヤニヤするんじゃない!」と怒られる辺りの掛け合いが可笑しいです。
あと、浦井アルフの「サラ」での歌声。よどみなく澄み、それでいて太く長く響く声をどっぷり堪能させていただきました。直前にあんなに冷たくされてるのに、それでも純白な心に刷り込まれた初恋(多分)の女の子をとことん信じている。現実に目がいかないおバカと言われればそれまでなんですが、あそこまで「サラ」で心を満たされてるならそれでもいいじゃないか、と思わせてくれました。
だからといって、ヘルベルトの風呂場雄叫びが聞こえても、泉見アルフのように「サラ!……サラ???」と疑うことはなく、「サラ!……サラ!!!」と確信してしまうのはどうかと思うわけですが(^_^;)。
ラストでサラとともに旅立つ場面では、下手席だったので牙あり浦井アルフをじっくり観察できました。やっぱり無垢な表情のまま自然に物の怪化しているのにぞっと来ます。

[教授]
伯爵の感想にも書きましたが、観る度にクロロック城での伯爵との対面シーンでの舞い上がりっぷりが凄いことになってます。本物のヴァンパイア(しかもボス)が目の前に存在している上、その相手が自分のことを知っているなんて!と。
しかし、伯爵が自分のことを知っている=ヴァンパイア・ハンターだと知っている、ということなのに、何故にベッドは柔らか、とか言って爆睡できるのかは謎です。一方でアルフレートはあんなに悪夢を見てうなされているというのに。いかに感情・頭脳ともに常人離れしていると言っても警戒心なさ過ぎ、と軽く笑えます。
浮世離れしていて、自分の感情には正負両面で忠実で(アリボリには嫉妬し、伯爵のおだてには舞い上がる)、人類の未来をあまりに無邪気に信じすぎている教授。でも、ヘルベルト撃退の時にはファッキン指を向けている(その指にもう片方の手指を重ねて十字架にする)お茶目な教授。意外に一筋縄ではいかなくて、何回見てもなかなかこの人を全理解するのは難しいです。

[サラ]
ちひろサラ。やっぱりお風呂で立ち上がる時にかなり「見える」のでドキドキしてしまいます。
初演の時は「ふてぶてしい小娘」なイメージが強かったですが、今回は「好奇心に忠実で無邪気なお嬢さん」なイメージが前面に出ている気がするのです。これから自分を待ち受ける未知の出来事をひたすら心待ちにしていると申しましょうか。2幕のプロローグでも全く怯えが見られずわくわくしている感じがしますし。

[ヘルベルト]
2幕のお風呂場シーンでは御髪を整えておいででした。
一連の演技や、アルフ&教授との掛け合いは、逃走アルフが戻ってきた時の「騒ぎすぎ!」の台詞以外は7月19日の時と大きく変わるところはありませんでしたが、やはり何度見ても彼の場面は笑えます。
舞踏会では吸血した後伯爵が一旦引っ込んでしまうので、ヘルベルトを観察していることが多いのですが、初演の時と同じく絶対男性ヴァンパイアとしか踊らないポリシーが素敵です。アルフ達の襲撃準備から十字架突きつけ後に至るまでの凄まじいアクションと形相にもいつも注目してしまいます。

[伯爵の化身&ヴァンパイア・ダンサーズ]
いつもながら1幕のサラ妄想ダンスでのマント翻しが美しいです。未だに1人1人の判別はつきませんが、2008エリザのトートダンサーズと何名かかぶっているということだけは理解しています。
化身・森山さんはだいぶ安定してきたかな?という印象です。動きは変わらずしなやかで綺麗なのだけど、7月前半は他ダンサー比で1.5倍ぐらいの速さで動いていたとしたら、今回は1.2倍速だったようなそんな感じでした。
伯爵の感想にも書いたとおり、昨日は伯爵の歌とのシンクロ度がとても良かったと思いました。あと、カーテンコールでスライディングしてきて舞台の真ん中できっちりブレーキを掛けるのが格好良かったです。

シャガールレベッカ&マグダ]
シャガールの「娘はもう18」が、歌ウマと飄々のバランスが取れて良い具合になっていました。あと、自分では気づかなかったのですが、一緒に観た友人のうち山口ファンではない(つまり伯爵に気を取られずに冷静にTdVを観られる)子が、
「再演で安崎シャガールになってから2幕のマグダとのデュエットダンスでの動きが軽くなった」
と言っていました。確かに(^_^)。
レベッカはほとんどの出番が1幕で終わってしまうので書けることが少ないのですが、シャガールをお城に送り出して「気をつけてえぇぇ!」と絶叫する場面では「気をつけ……ぇぇぇ……」とすっかり泣き崩れていました。
最後に彼女がヴァンパイアになるのはいいんですが、その後マグダとまたシャガールを取り合ってるのか、それとも全く違う我が道を進んでいるのかが気になって仕方ありません。自分だけでしょうか。
それから、マグダ。デュエットダンスの後に棺桶に戻される時、初演の時はクコールにお姫様だっこされていたような記憶があるのですが、そう言えば昨日はやっていなかったと気づきました。今シーズンずっとやっていなかったのか、昨日だけなのか、記憶が曖昧です。

[その他]
帝劇オーケストラの金管な方、お願いですから大事なところで音をずっこけさせないでください。金管どころかブラス系楽器を演奏したことはありませんが、そんなにあの曲は難しいのか、とたまに悩むことがあります。