日々記 観劇別館

観劇(主にミュージカル)の感想ブログです。はてなダイアリーから移行しました。

『ダンス・オブ・ヴァンパイア』感想(2009.8.1マチネ)(伯爵+クコール劇場篇)

クロロック伯爵=山口祐一郎 サラ=大塚ちひろ アルフレート=浦井健治 アブロンシウス教授=石川禅 ヘルベルト=吉野圭吾 シャガール安崎求 レベッカ阿知波悟美 マグダ=シルビア・グラブ クコール=駒田一 伯爵の化身=森山開次

友人が某カード会社公演のチケットを確保してくれたので、本日2週間ぶりに劇城に出かけてきました。
帰宅してからとある件でTwitterの議論にチャット状態で参加などしていたら時間が遅くなってしまったので、まずは「伯爵+クコール劇場篇」ということで感想を記すことにします。実は明日のソワレも観劇予定なので、あまり後に引きずりたくはないのですが(^_^;;)。

まずは1幕。「神は死んだ」で登場した初っぱなから、伯爵がやってくれました。「作詞」です。
前回目撃した作詞時と同様、顔色一つ変えず、一見意味の通る言葉で流していました。その瞬間、隣の山口ファンの友人とぶはっと吹いてしまい*1、以後歌い終わるまで必死に笑いをこらえることに専念してしまったので正確ではないかもしれませんが、確か、
「救いを与え〜」
の部分を、
「永遠に愛を与えていくのだ」
と歌っていました。ど、どこのトート閣下かと(汗)。この直前に既に歌詞がずっこけてましたがそこは残念ながら記憶なし。
更に言えば、この「永遠に」がどうも「お前に」に聞こえたような気がしてならないのですが、そこは空耳だったことにしておきたいです(^_^;)。
なお、この後の伯爵は特に作詞も台詞噛みもなく、平穏に進行いたしました。

次に「お前を招待しよう」。本日は1階M列下手からの観劇でしたが、この位置・角度から観ると、お風呂場で浴槽の下手側→上手側に移動する時にほんの一瞬ばさっとマントを翻す姿がとりわけ格好いいことが分かりました。
毎回言っているような気がしますが、この歌と2幕の舞踏会で聴かせてくれる、欲望が先走りして弾むような若い歌声が私はかなり好きです。

クロロック城では、教授との初対面時のやり取りで、教授の興奮ぶりが観る度にグレードアップしているのに対し、伯爵は高く長い壁のようにどこまでも、白々しい気取りを押し通しまくっているのが笑えます。
ルフレートとのやり取りで投げたスポンジは、アルフレートがしっかりと受け止めていました。超軟弱者だけどとても純白なイメージの浦井アルフは、伯爵に髪を撫でられたり甘い声で語りかけられると本当にうっとりした顔で落ちているのが可愛いですね。で、20秒近くにも及ぶロングトーンを声量たっぷりにぶちかまし、舞台の(城の)奥へと歩みながら振り返ってニヤリと笑い、高笑いとともに右手を高々と挙げて立ち去る伯爵の背中にいつも視線が釘付けになってしまうわけですが。

幕間のクコール劇場では、今日はカード会社貸切公演で伯爵達の挨拶はあるけど自分の挨拶はないのでここでやります、と、クコールからご挨拶。
「クコールと申します。母の名前はマコール。女房の名前はワコール。好きなものはアルコール」
ということで落ちがついていました。この発言がまさか後の出来事の伏線になるとは、この時思いも寄りませんでした。

2幕の序盤は、ご先祖様達を「行ってらっしゃ〜い」と見送る伯爵の姿を妄想しながら観ていました。「いけない、理性を持て」の場面ではやっぱり3年前よりはサラを前に耐えるアクションがあっさりしていますが、マントでサラをくるむ姿の美しさは流石です。
コウモリになって再登場する場面では、下手からだとクレーンのシルエットが丸見えでした(^_^)。
「抑えがたい欲望」は盤石。歌声に、見えない筈の「表情」を感じるのは何故なのでしょう。
また、座席の位置の効果か、いつになく化身ダンスと歌をぴたりとシンクロさせて観ることができたように思えました。
そして舞踏会。電飾に照らされ激しく手振りアクションして、生き生き艶々*2と歌う伯爵を観ると、ああ、今日もお元気で本当に良かった、と安心します。
それから、サラに噛みついた後に口をシャーッと開けてヘルベルトと喜び合う表情がちょうど真横から見えて、いつもこんなに猫みたいに大きな口を開けていたのか、と変なところに感心したりしていました。

カーテンコールではスタンディングを煽る手つきも派手に、ニコニコと盆踊りされていました。
一旦引っ込んだ後のお出ましで、荘厳な伯爵のお姿のまま小走りにダッシュしてきて、きちんと両膝に手を置いてお辞儀するのを可愛いなあ(失礼)、と思って眺めていましたが、帰宅後に公式ブログをチェックしたところ、どうやら袖で教授とおしゃべりしていてスタンバイが遅れたようで(笑)。いや、小走りはスタンバイのタイミングに関係なくいつものことではあるのですが。

この後、貸切公演恒例の主演者ご挨拶がありました。
まずちひろサラのご挨拶があり、本日で東京公演も真ん中となりましたがこれからも頑張ります、等と挨拶していましたが、細部は覚えていないので省略。
続けて、伯爵からのご挨拶がありました。所々、牙で話し辛くて台詞を噛みまくる「ふり」をしながらの語りでやや聞き取りにくかったので、本当に要旨のみとなりますが。
「先日クコールのワイフの名前をマコール、お母様の名前をワコールと呼びまして*3。クコールは1週間何も言わなかったのに、今日のクコール劇場で間違いだとわかりました。申し訳ありませんでした」
「皆様、本日はV○○○カードでクコール劇場をご覧いただきありがとうございました!」
等と、ひとしきりクコール劇場をネタにしていました。
ふと、

はくしゃくはクコールをいじることをおぼえた。

というゲーム風のメッセージが頭をよぎった瞬間でした。頑張れクコール。

*1:山口さんせっかく取り繕って歌っていたのにごめんなさい。本当ごめんなさい。

*2:ピンクレディーのシャンプーのCMでそんな台詞があったような……どうでも良いですね、そんなこと(^_^;)。

*3:先週の別のカード会社貸切公演の時の挨拶での出来事を指していたそうです。